私は古谷野敦氏のブログ、「猫を償うに猫をもってせよ」をよく見るのだが,数日前、「自分(古谷野)は、経済学というものが役に立つとも思っていないが、それは、経済学というものを知らないで言っているので、もし自分にもわかるように、経済学なるものを説明してくれれば、持論はいつでも撤回する」と書いてあった。
そして、ただ一つの例外として、小室直樹氏(死んじゃったですな)が「数学嫌いの人のための数学入門」のなかで、「経済学者というのは、あらゆる人が経済人であると想定するが、実際にはそうでない人もいる」という一文に、これが自分の経済学に対するイライラの原因だったのだと気づいたと言う。
曰く,「あらゆる人が経済人として行動しているわけではあるまい」,というわけである。
しかしこれは,小室氏の説明がやや舌足らずなのであって,現実には、近代的産業社会において「経済人」でない人はいない。
何故なら,生きていくために必要なもののほとんどすべてを,近代的産業社会に住む人は、お金を払って、手に入れているからだ。
これは,立派に「経済行為」に他ならない。
ところで、この「経済行為」を具体的に表現すれば,「よりたくさんのお金を持っている人は,よりたくさん消費することが出来る」ということになる。(実際に消費するかどうかは別として)
これを、数式で,次の「比例関数」として表すことができる。
C(消費)=bY(所得)
bは、仮定的な定数であるが、b=1、すなわち、両項がきっちりイコールになることはない。
つまり、収入しただけ、きっちり支出する、あるいは、支出分だけきっちり収入があるわけではない。
定期的収入の他に,貯蓄として持っている人もあれば,負債として持っているひともいる。
それで、もう一つの仮定的な定数を導入する。
それをaとすれば、上の式、 C(消費)=bY(所得)は、
C(消費)=bY(所得)+a
と表すことが出来る。
近代経済学とは、この方程式を「現実」に近づけるための工夫に他ならない。(現実的には、「a」の数値をどう算定するかが問題で,「b」は、方程式をこねくりまわすうちに消えるようだが。)
さて,問題は,この数式を理解するか否かではない。
「理解」という次元で言えば、小学生にだって理解できる。
問題は,この極めておおざっぱな方程式で言い表わされた内容を――一つの思想として、というか世界観としてというか――受け入れるか否かなのだ。
蛇足に、もう一つつけ加えれば,上のようなおおざっぱな「数学」は、実は,工学部の数学も大同小異なのだ、と、工学第生の私は,今にしてそう思うのだ。
そして、ただ一つの例外として、小室直樹氏(死んじゃったですな)が「数学嫌いの人のための数学入門」のなかで、「経済学者というのは、あらゆる人が経済人であると想定するが、実際にはそうでない人もいる」という一文に、これが自分の経済学に対するイライラの原因だったのだと気づいたと言う。
曰く,「あらゆる人が経済人として行動しているわけではあるまい」,というわけである。
しかしこれは,小室氏の説明がやや舌足らずなのであって,現実には、近代的産業社会において「経済人」でない人はいない。
何故なら,生きていくために必要なもののほとんどすべてを,近代的産業社会に住む人は、お金を払って、手に入れているからだ。
これは,立派に「経済行為」に他ならない。
ところで、この「経済行為」を具体的に表現すれば,「よりたくさんのお金を持っている人は,よりたくさん消費することが出来る」ということになる。(実際に消費するかどうかは別として)
これを、数式で,次の「比例関数」として表すことができる。
C(消費)=bY(所得)
bは、仮定的な定数であるが、b=1、すなわち、両項がきっちりイコールになることはない。
つまり、収入しただけ、きっちり支出する、あるいは、支出分だけきっちり収入があるわけではない。
定期的収入の他に,貯蓄として持っている人もあれば,負債として持っているひともいる。
それで、もう一つの仮定的な定数を導入する。
それをaとすれば、上の式、 C(消費)=bY(所得)は、
C(消費)=bY(所得)+a
と表すことが出来る。
近代経済学とは、この方程式を「現実」に近づけるための工夫に他ならない。(現実的には、「a」の数値をどう算定するかが問題で,「b」は、方程式をこねくりまわすうちに消えるようだが。)
さて,問題は,この数式を理解するか否かではない。
「理解」という次元で言えば、小学生にだって理解できる。
問題は,この極めておおざっぱな方程式で言い表わされた内容を――一つの思想として、というか世界観としてというか――受け入れるか否かなのだ。
蛇足に、もう一つつけ加えれば,上のようなおおざっぱな「数学」は、実は,工学部の数学も大同小異なのだ、と、工学第生の私は,今にしてそう思うのだ。
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