パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

自然と人間

2008-07-17 21:45:02 | Weblog
 歯医者で作ったマウスピースが今いち調子がよくないので、調整してもらおうと久しぶりに作った歯医者を尋ねたら、ガンで死んじゃってた、という話は2、3ヶ月前に書いたが、その後、インターネットで調べたら、完全なマウスピースを作るのは難しく、実際には皆少しずつ我慢して使っているということを知り、じゃあ、自分も我慢しなければならないんだと思って、意識的に「ん」と踏ん張るようにして我慢しているうち、まあ、なんとか我慢できるようになった。

 しかし、どうしても我慢できない箇所があって、それは、上前歯の真後ろにあたる部分が、ほんの少しだけ、うわ顎にあたるのだ。

 朝のうちはいいのだが、夕方ぐらいからだんだん痛くなってくる。マウスピースを外して舌で探ってみると、なんか、そこだけ「ぐにゃ」っとした感じである。多分、炎症を起こしているのだろうが、一晩寝ると、ほぼ、もとに戻っている。

 ……の繰り返しで、その間、少しずつ痛みが増してくる。

 なんとかしないと、と思ったが、歯医者さんのウェブページに「自分で削ったりすることは、絶対にお止め下さい」と書いてあったので、さらに我慢したものの、そもそも専門家がやっても全然たいした仕事などしてないわけだから、素人がやってみたってよかろうと理論武装を整えたうえ、文房具のカッターでマウスピースを削ってみた。

 そうしたら、カッターでほんの少しだけ、本当に、2、3回、ちょこちょこと削っただけなのに、具合が全然いい。

 ミクロン単位というと大袈裟かもしれないが、でも本当にそれくらいの変化でしかないのにと、思いつつ、身体の細胞は常に新しいものに入れ替わっているという話を思い出した。

 だったら、数ミクロンくらい、新陳代謝の時に適当に対処できないのだろうか?

 もちろん、できない。自然は厳密なものなのだ。人間の意志なんか、これっぽっちも通用しないのだ。(だからといって、「自然療法」がいいとか、そういうことでは全然ない。逆だ。科学療法がよく効くのは、自然に対する態度が「正しい」から、すなわち、一切の幻想を排除し、厳密な解釈をもとにしているからなのだ。)

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