パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

狐の祈り

2006-08-11 01:24:03 | Weblog
 昨日、夜9時過ぎに新宿の後片付けから戻って来たところ、ビルが閉まっていて中に入れなくなってしまった。もちろん、カギはもらっているのだが、何故か、合わない。見ると、二部屋ほど明かりがついているので、いずれ中から出て来るだろうと思い、外で待つことにした。イライライラ……ん? ケータイがあるではないか。ということで、ケータイでTVを見た。こういう時は確かに便利だ。(もっとも、普通だったらゲームなんかをやるところだろうが、私はテレビゲームをやったことがない希有な人間なのだ。みのり書房の面接を受けにいった時、待たされた喫茶店で当時大ブームだったインベーダーゲームをやったことが一度あるきりだ)
 ビルの正面にある駐車場の車止めの上に座り、NHKの天気予報なんかをぼんやりと見ることしばし……やがて中から人が出てきたので、あわてて立ち上がり、自分はこのビルの新しい住人であることを説明して、入れてもらった。
 やれやれだ。

 その後、ヤフーのオークションでTVを探し、ぴったしかんかんな物件を見つけた。ブラウン管TVで、値段は1500円となっている。しかも室内アンテナつき。新しいところは(以前の新宿もそうだったが)、アンテナ線がないので、室内アンテナが必須なのだ。それで、これだ!と思い、2000円で入札すると、数字は1600円になった。ということは、400円の差がある。この時点で残り30分ほど。何度か更新して確かめたが、入札価格は1600円のままだ。この分なら、最後まで大丈夫だとちょっと安心しながら、他のことをあれこれ考えているうち、流れるように時間が経ち、ふと心配になった。2000円だって充分に安い。そこで、2500円と再度入力した。するとガビーン!、「2100円で入札終了」と表示が。泣いた、泣きましたよ。タッチの差だ。おそらく数十秒単位だろう。もしかしたら、もっと短いかも。
 昔、証券会社は大学のラガーマンを優先的に採用したが、それは、所定の時間に遅れないためには、「走力」が重要だったからだそうだ。今は、コンピュータだから「反応の速さ」が決めてだ。ガンダムのニュータイプというやつだ。
 と、話題をわざとそらしてみたが、悔しさは変わらない。結構、いい物件は見つけるのだが、最後の「反応」の速さで何度か負けているのだ。クヤチーヨー。なんで、安かったかというと、紹介されていたTVは、アンテナをつないでいない状態で映したので、「砂嵐」になっていた。それで、ちょっと不安でみんな敬遠したのだと思うが、この砂嵐が永遠に続くことを祈ろう。(まさにイソップ物語の「あの葡萄はすっぱい」と捨て台詞を残した狐だ)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿