パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

頭突きは先制攻撃か?

2006-07-12 23:34:12 | Weblog
 FIFA、ジダンの頭突き問題の真相を精査、公表へ……との報道をみたが、そんな必要はあるのだろうか? 原因となったマセラッティの「侮蔑発言」が、人種差別的であれなんであれ、所詮は、「喧嘩」ではないか。喧嘩は喧嘩として処理すれば良いので、その結果、マセラッティにおとがめなし、となったとして、そして、そのマセラッティの「人種差別的」発言が事実だったとしても、「人種差別」が容認されたということにはならないはずだ。さもなければ、問題がどんどん深刻になってしまう。

 福井日銀総裁問題も、根本は同じだ。マスコミ、世論は、法律に触れているわけでも、日銀の内規に反しているわけでもないが、モラル上に問題ありとし、したがって辞任によってモラルを確立せよ、という。しかし、法に反していないのに、なおかつ責任を求められるとしたら、それこそはモラルに反したことにはならないか?

 北朝鮮ミサイル問題に関連して、政府与党から、先制攻撃論噴出。
 私は賛成である。きちんと考えれば、たしかに先制攻撃容認となるのだ。前にも書いたが、先制攻撃を否認すれば、必然的に「報復攻撃」が選択されることになるが、「報復」ほど危険で、悲惨なものはないのだ。(中国は核による先制攻撃を否認し、報復の場合にしか核は使わないと言明しているが、これは先守防衛主義でも、平和主義でもなく、技術力の劣勢を自国民の生命を楯にすることで補っているに過ぎない。)
 ただし、先制攻撃を戦略として採用することのできる国はあまりない。圧倒的経済力、軍事技術が必要だからだ。日本政府が、その「先制攻撃論」を戦略として採用する可能性に言及したわけだが、口ばかりでなく、実際にそれができるから、そう言っている。ここらへんが、結構、日本の凄味なのだ。う~ん、ナショナリスト?(笑)