活眼明察日記

物事の道理や本質を見分け、真相を明らかにする眼力を養いたい

これは許されない!(2)

2007-04-02 23:55:28 | Weblog
経済アナリストの森永卓郎氏と労働政策審議会委員の奥谷礼子氏が、労働のあり方について話し合ったとの新聞記事を読みました。森永氏はいまの働いている人の置かれている立場を、理解されひどく心配していました。一方の奥谷氏の発言はどうでしょう。「祝日は不要」、「労基署も不要」発言に代表されるように、売名行為とも取れる労働環境の現実を、まったく理解しているとは思えない発言を連発してしたのです

発言要旨は「仕事も出来ず権利を主張する人が多い。これではグローバル競争に負け最貧国になる」「ITやオートメーション化で労働時間は減った」「労務管理が行き届き長時間働かなくても成果を認める会社を選ぶべき」と。なにを根拠にという疑問は生じます。いつまでたっても減らない違法なサービス残業をさせグローバルな競争に勝つつもりでしょうか。最貧国にふさわしい振る舞いでしょう。これでは労務管理どころでないでしょう。この実態に目をつぶるつもりでしょうか。

この発言のウラにはさすがに、人材会社らしく労働者はすべて派遣や契約社員とし、正社員を減らしたい財界の希望を代弁していないでしょうか。要は奥谷氏が全部派遣や契約社員とすれば人件費が安上がりで競争力をつけるためにも最良の手段であること。経営者に労務管理は人材会社に任せろと、いいたげに聞こえます。自己の会社を肥らせたいため、あえて発言しているのでしょう。それにしても思いやりに欠け温かみのない発言です。発言は自由とはいえもう少し慎重にするべきでしょう。所詮、奥谷氏の会社も急成長したが、歴史の重みが感じられない会社ですから。この人の考えていることが通ったら、どんなことになるか背筋が寒くなります。