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フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ドローイング224 小説:小樽の翆155 嫁候補

2020年08月27日 | Sensual novel

 

 晃子さんちのパーティーの続き

翆「お子達元気?」

晃子「もちろん上で一緒に暮らしているよ。二人で高校に通っている。それがさあ、もう結婚させて籍を入れちゃおうと思ったら、まだ二人とも16歳じゃん。そしたら結婚できる年齢というのが法律にあって、男子は18歳、女子は16歳なんだって。彼女はOKなんだけど、うちの息子がだめなのよ。まあ二人とも18歳になってからだね。だから今は、嫁ではなく嫁候補。この写真をみてよ!。彼女は骨盤が横に大きいでしょう。産道も大きくとれるからきっと安産型だよ。この横広がりの骨盤をみて、絶対これは、いただいておこうと思ったもん。こういうのを良縁というんだよ」

骨盤の形で決まりかぁー。

翆「高校卒業したら二人ともどうするの?」

晃子「それがぁー、ものすごくしっかりしていて驚いたわ。だってねぇー、息子は大学へ進学するというのよ。それも札幌の国公立の医学部をめざしているらしいの。高校の先生によれば十分可能だよ、という話だって。息子は私の本棚から感染諸関係の本なんか読んでいたから、医学の世界に興味を持ったんじゃない。看護師向けの本って要点記述だから、専門書より読みやすいのよ」

翆「だって二人とも札幌西高でしょう。進学校だもん、そりゃ医学部も手が届くよねぇー」

晃子「でっ、嫁!、まだ結婚していないから嫁候補かぁー。これがしっかりしていて、高校卒業したら息子の子供をつくるというのよ。二人ぐらい続けて。それで子供達の手が離れた頃、多分25歳以降かな、大学へゆくというのよ。その頃息子は医学部を卒業して病院へ努めているじゃない。多分研修医は卒業して、あちこちの病院で夜勤バイトなんかしている頃だから、収入はいいほうなのよ。多分その頃だと多い人で一月50万位になるのよ。それでこのうちにいるでしょ。その頃になったら息子の稼ぎで嫁候補が大学へゆくんだって。それも工学部らしいの。それで大学院までいって博士号をとるんだっていってたわ。経済的には、十分可能なの」

翆「先に子供つくって育て終わるわけだ。そうすると20代後半から大学へいったとしても、30代半ばで博士号か」

30代半ばなら、大学の先生になるのには調度よい頃かな。それで札幌あたりの大学の先生になろうというわけだ。その頃は定年が70歳になったとして35年は努められるよね。それだけ働けば十分だなぁー。賢い!!!。よくそこまで考えたね。

晃子「嫁候補の父親が大学の先生だから悪知恵をだしたのかもね(笑)」

すごい人生設計だね!。

晃子「すんなりゆかなくても、嫁候補は、嫁になって永久就職という道もあるからね。医者の嫁だよ、それだけでも十分だけどさぁー」

晃子さんちは、代々医者の家系なんだなぁー。

・・・・

帰りしな、抜けるような夏の夕方の小樽の街にみとれていた。

 

 

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