Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LEFE1234. キールアーチ

2015年12月16日 | diving
 今年は新国立劇場の事業コンペが話題になった。私は、自治体が行う事業コンペに大手企業と一緒に応募する仕事も行ったし、また違う場面では自治体が行った建築・ランドスケープコンペの審査員も経験した。つまり応募と審査という二つの立場を踏まえた上での経験論なのだが・・・。
 通例事業コンペは応募期間が大変短い。だから応募チームは2年以上前から様々な検討をする。コンペの応募期間とは、設計期間ではなく所定の書式に整えて書類を提出する期間なのだ。
 それを白紙にしたのだから、もう一度やり直しというのは難儀な話だ。しかも時間がますます無くなるではないか。やはりザハ案で修正すればベストだったのだが。
 もともとコンペ案は、スケマティックな提案を求めていたので、実施設計にむけて検討してゆくと、解決すべき課題も多々出てくるだろう。金額などは、概略提案段階のものだから、アバウトな数字だが、その数字が一人歩きしだした。
 やはり争点はキールアーチという構造。ようは弓の形態になるわけだが、弓の弦の部分にあたるダイバーを支持地盤である深度30mの位置に設定しアーチの部分と緊結しなければならない。スパン長は370mという橋脚並みのスケールだ。
 さて未知のキールアーチをやるか、或いは他の方法にするかは悩みどころではあるけど、そこがプロジェクトの醍醐味。部外者である私はそんな光景をイメージしつつ楽しんでいたら、あっさりザハ案は白紙撤回されてしまった。

沖縄県 本部
OLYMPUS EM-1,M.ZUIKO DG Fisheye ED8mm/F1.8
ISO320,露出補正-1,f5.6.1/160
コメント
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