Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE483. 日本旅館のすごしかた

2012年10月05日 | field work
 リーニュクレールも、暗くなると撮影機材のピントが合わず、このあたりが限界か。
 私が理想とする日本旅館のすごしかたをまとめてみた。
 午後も遅い頃温泉旅館にだどり着く。部屋に案内されると露天風呂がある。早速町の夕景を見ながら風呂に入ってから、肴を持ってきてもらい酒を飲みながら寝てしまった。起きたら夜中である。早速番頭へ電話をかけ、部屋に夜食をもってきてもらう。地元の食材を使ったおいしい料理である。ひとしきり食べたあと、目が覚めて寝られない。そこで部屋のライティングビューローでひとしきりロビーから持ってきた南方熊楠の本を読むことにした。読み飽きたら原稿に眼を通していた。そしたら夜も更けてきたので、朝方そのまま布団で寝てしまった。昼頃目が覚めた、おもむろに部屋付の露天風呂風呂に入り、おそい朝飯を食べに階下へおりてゆく。食後に古い町並を散策し、はやらない店を冷やかす。町のカフェーでお茶を飲み旅館の部屋に戻り三度目の温泉に入る。旅籠代もビジネスホテル代なみに実質の食事代が付く程度だ。さて、夕刻帰るか、或はもう一泊してゆくか思案のしどころだ。宿泊代は、チェックインした時から24時間毎に清算と決まっているからだ。
 夜中仕事をして昼頃起きるという生活は、多くの人が経験している日常のライフスタイルだ。そんな日々の癒し系の時間が、日本の温泉旅館では実現できないのである。会社に出かける時のように、時間に合わせて行動する。そんなのは、癒し系でもリゾートでもないでしょうがぁ。
 それに10時にチェックアウトというのが私は大嫌いなのだ。昔ならば次の宿場まで歩いてゆかなければならなかったので、早起きは必然だったが、今はその必然性がない。
 現代の旅館は、江戸時代のライフスタイルをそのままやっている。10時に宿屋を出て、つまらないできあいの観光地でも見てゆけということか。この中途半端な時間設定がなんともやるせない。だから理想は、夕方4時頃チェックアウトして、家にたどり着く頃には夜になっているというのが、心理的には調度良いのだ。

輪島市黒島地区,2012年9月27日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO16000,焦点距離14mm,露出補正±0,f4,1/60,リーニュクレール
コメント
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