Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

PEN LIFE479. 絵画的風景

2012年10月01日 | field work
 なんとも絵画的な橋立港である。実際に絵を描くために訪れる人もいそうだ。なかなかよい風景である。
 港の左側に丘があって風を遮り、日本海とはくびれた水路でつながっているので、ここには荒い風も波もこない自然の良港である。日がな一日絵筆を走らせていたくなるのどかな絵画的風景である。こういう風景をみると、来たかいがあったと思わせてくれる。
 あとで知ったのだが、この港の裏手に海産市場があって、周遊バス利用の観光客は、そちらに群がっていたのであった。この周遊バスは、寂れた温泉地や無理筋で設けた人為的なスポット観光地を回遊している。私たちの行程は、そんなスポット観光地をすべて避けた。避けたのは正解であり、今時観光地ほどつまらないところだと断定しておく。観光政策という考え方があるが、どうもこのあたりの観光地は、20世紀的古くさい観光政策にしがみついているようだ。こういうのには、つきあわなのいに限る。
 それより遥かに美しい絵画的風景が、この地域には数多い。そういうところを発掘して利便施設を設けたり、歩いたり、自転車で回れるようにすれば、よいのにと思われた。
 私も、こんどは水彩絵の具とスケッチブックを持って、静かで潮の香りがただようこうした風景を訪ねてみたいと思った。
 そういえば、ファッション・イラストレータの長沢節は、千葉県大原の海岸が好きだった。セツモードセミナーの合宿も毎年大原の海岸で行われた。生前の彼いわく、このあたりが、ニースなどに似ているというのが合宿の理由であったと人づてに聞いた。橋立の港を見ながら、そんなことを思い出していた。

加賀市橋立,2012年9月27日
OLYMPUS OM-D E-M5,M.ZUIKO DG14-150mm.F4.0-5.6,
ISO250,焦点距離56mm,露出補正-0.3,f9,1/320,リーニュクレール
コメント
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