みことばざんまい

聖書を原典から読み解いていくことの醍醐味。この体験はまさに目からウロコ。

Coffee Break, #89

2017年06月25日 | コーヒーブレイク
ヤコブ2章1節
私の兄弟たち
あなたがたは私たちの栄光の主
イエス・キリストを信じる信仰を持っているのですから
人をえこひいきしてはいけません

この聖句もまた、属格と対格の問題が含まれている。KJVなど信頼性の高い英語訳は属格か、
またはfaith in Christ Jesusとかfaith in Godと訳されている。

要するに、主体が誰なのかが問われている。人なのか神なのか。邪魔しているのは彼らの魂学。

実際に原典に当たってみる。

まずは

あなたがたは私たちの栄光の主
イエス・キリストを信じる信仰を持っている

と訳された箇所について。

英語に直訳する。

you have the faith
of our Lord
of Jesus Christ
of the glory

となる。3つある属格が何を修飾するのかは正確には不明だが、順次後ろから修飾しているとすると分かりやすい。

あなたがたは
栄光のイエスキリスト
我らの主の
信仰を持っている

*信仰とは、望んでいることをこの世に現出すること、またはそれを可能にする能力。

次に

私の兄弟たち。人をえこひいきしてはいけません

と訳出された箇所。

英語に直訳する。

My brethren, do not be in(by) partiality

私の兄弟たちよ、えこひいきの中にいるな。

My brethrenは呼格で使われている。呼格とは呼びかける時に使う表現法。

否定語μη(not)のある位置からすると、掛かっているのは省略されているbe動詞ではないかと推定するのが一番分かりやすい。また、持つという意味の単語ἔχωは2人称複数命令で使われている。

not~but構文と考えて、再度訳出を試みる。

My brethren!
Do not be by (the) partiality
but have the faith of our Lord
Jesus Christ of the glory


ヤコブ2:1
兄弟たちよ!
えこひいきによるな
我らの主、栄光のイエスキリストの
信仰を持て

己れの分別を捨てて、神の司法に委ねよということだろう。

そのためには、薄っぺらい私の信心ではダメ。イエスキリストの信仰が必要。





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