小説家、精神科医、空手家、浅野浩二のブログ

小説家、精神科医、空手家の浅野浩二が小説、医療、病気、文学論、日常の雑感について書きます。

携帯電話の電波とペースメーカー

2015-10-19 20:42:07 | 考察文
武田邦彦先生をもちだすまでもなく、前から、おかしい、と思っていたことがある。

私は、前から、「携帯電話の電波は心臓ペースメーカーに悪影響を与えますから、車内では、マナーモードにして下さい」というアナウンスは、おかしいと思っていた。(最近は、言わなくなった)

こんなこと、ちょっと、考えれば、おかしいことが、すぐに、わかるはずである。

その理由を箇条書きすれば。

埋め込みの、人工ペースメーカーなんて、している人は、心筋梗塞で、悪性の不整脈の患者にだけ、入っている物であって、その頻度は、一万人に一人程度である。だから、電車に乗っている人で、人工ペースメーカーをしている人がいる確率は、極めて低い。

人工ペースメーカーは、「している」、か、「してない」か、の、オール・オア・ナッシングであり、車内に、してる人が、いなければ、携帯電話を使っても、全く問題ない。ということになる。

なら、電車に乗ったら、「この中に、人工ペースメーカーしている人はいますか?」と聞いて、いなければ、使えばいいだけである。

そもそも、人工ペースメーカーしている人の頻度は、極めて少ないのだから、人工ペースメーカーしている人に、「私は人工ペースメーカーしています」と書かれた、タスキ、か、帽子、か、腕章を、つけてもらうように、決めれば、それでいいじゃないか。そういう人が、いなければ、堂々と、携帯電話を使っても安全ではないか。

それに、携帯電話の電波が人工ペースメーカーに悪影響を与えるなら、車内だけじゃなく、プラットホームでも、公園でも、静かな所でも、要するに、この世の、全ての場所で、そういう、アナウンスをすべき、ということになる。なんで、車内だけで、そういうアナウンスをするのか?

それに、人工ペースメーカーをしている人は、高齢者で、心筋梗塞を起こして、悪性の不整脈になった人だから、そういう人は、子供や孫とも、一緒に暮らしているから、子供や孫は、おじいちゃん(おばあちゃん)の前では、携帯電話を使ってはいけない、とも、政府は、呼びかけなければ、おかしい。

そもそも、携帯電話(今は、スマートフォン)は、今では、生活必需品になっているのだから、まず最初に、人工ペースメーカーをしている人には、スマートフォンを使ってはならない、とも、政府は、呼びかけなくてはならない。

しかし、そんなことは、なされていない。

それに、スマートフォンは、ほとんど、全国民が持っていて、いつも、使っているから、その電波で、人工ペースメーカーが、狂い出すのなら、そんな危険な、医療器具を、厚生省が、許可するはずが、ないじゃないか。

そもそも、研究機関は、携帯電話の電波が、人工ペースメーカーに悪影響を与える、という、実験をちゃんとして、その危険が立証されたのか?

おそらく、現実的でない、何百(何千)台もの、強力な電波を、人工ペースメーカーの前で、強引に、流して、百万回に一回、やっと、ほんのちょっとだけ、とるに足らぬ、ささいな、関与が出た、ということを、小躍りして、喜んで、針小棒大に、携帯電話を使うと、人工ペースメーカーが狂い出して、人が死ぬ、と、おどかしているだけである。

あるいは、実験など、しなくていい。というか、むしろ実験しない方がいい。
「携帯電話の電波が、人工ペースメーカーに、全く、いかなる影響をもあたえない」
ということが、厳密な科学的な、実験によって、証明されるまでは、その仮説は、科学的に立証されていない、つまり、否定できない、ということになる。

この論理でいくと。
「リンゴを食べてから、車を運転すると、事故を起こしやすい」
という仮説も、否定できない。ということになる。そんなバカな。と、いうだろうけど。事実である。科学的に立証されていない仮説は、立証されるまで、否定できない、し、してもならない、のは、科学では、当然のことである。


つまり、全て、ウソ、詭弁、言葉の遊び、乱用、である。

単に、車内での、スマートフォンの、マナーを守らせるための手段として、科学的根拠も無いのに、科学や、医学を、もちだして、使うと人命に関わると、おどしている、だけである。

全て、国の、イメージ操作であり、国民も、その、イメージ操作に、簡単に、洗脳されている。

自分で、ものを、考えようとしないからだ。

最近、「携帯電話の電波は心臓ペースメーカーに悪影響を与えますから、車内では、マナーモードにして下さい」というアナウンスが、なくなったのは、あまりにも、バカげているからであり、また、大学生の就職活動は、100社も、回らなければ、ならないほど、大変だから、会社から、連絡があった場合、すぐに、出ないと、テキパキしていない、人間と見なされ、内定を断られかねない、とまでは、言わないが、会社としては、すぐに出て欲しい気持ちは、やはりあるから、また、すぐに出る学生を律儀だと思うから。

まあ、そんな理由で、最近は、「携帯電話の電波は心臓ペースメーカーに悪影響を与えますから、車内では、マナーモードにして下さい」というアナウンスがなくなった。のだろう。

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武田邦彦先生

2015-10-19 02:55:23 | 考察文
武田邦彦先生が、初めて、たかじんのそこまで言って委員会、に出た時、パネリストの文科系のヤツラは、バカだなーと、つくづくつ、あきれた。

もっとも、武田邦彦先生のように、あらゆることに、知的好奇心を持っている、幅広い、科学者は、極めて少ない。

理系の、(医学部などは、特に)大学教授は、自分の専門領域だけにしか、興味をもっていない。

しかも、本当に、知的好奇心のある、大学教授は、極めて少ないのである。

ほとんどは、十年一日の、同じ事の繰り返しだけの、専門バカなのである。

かく言う私は、ペットボトルは、生ゴミに、結構、捨てていた。

それは、科学的信念からではなく、分別するのが、面倒くさいからで、また、ペットボトルくらい、燃したって、有毒ガスなんて、出ないだろう、という、漠然とした考えからである。

「燃せば燃える。燃さねば燃えぬ。何物も。燃えぬは、人の燃さぬなりけり」

そもそも、医学部では、公衆衛生学を教えるので、水道水には、色々な、毒物が含まれていることは、知っていた。もちろん、人体に悪影響が出ない範囲であること、が必要なのである。

それに、微量で、人体に有毒な物質をつくるのは、極めて難しいのである。オウムのサリンにせよ、そうだし。

第一次世界大戦で、毒ガスをつくったのは、窒素と水素から、アンモニアをつくる、ハーバー・ボッシュ法(高校の化学)の、フリッツ・ハーバーであり、塩素ガスを毒ガスとして、発明した。

ペットボトルは、ガスバーナーなど、高熱で焼けば、焼けるが、人体に毒性の強い物質なんて、出ないだろうと、漠然と考えていた。

もし、毒性の強い物質が出るんなら、それは、どういう物質か、発表しているはずだ、と、思っていた。

また、細菌学では、アイスクリームや、肉など、に、ついている、細菌を調べる実習もあったが、あれを知ったら、多くの人は、アイスクリームが、食べられなくなるんではないか、とも思った。

寄生虫学の教授も、ステーキは、ケシズミのように黒焦げに焼いた、ウェルダムでしか、食べない、と言っていた。焼かないと、牛肉には、中間宿主として、無鉤条虫がいる可能性があるからだ。

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パラリンピック

2015-10-18 00:33:13 | 武道・スポーツ
こう言うと、差別とか、言われそうな気もするが。

体に障害をもつ人が、パラリンピックなどで、頑張っているのは、偉いと思うが。

どうして、生きがいをスポーツに求めなくては、ならないんだろう?

将棋とか、碁とか、作曲とか、絵画とか、学問とか、なら、体のハンデは、全く問題にならないのだ。

それらの方に、生きがいを、求めた方がいいと思うのだが。

実際、星野富弘さんは、絵と詩で、ホーキング博士は、物理学で、素晴らしい活躍をしている。

そういう人は、実際、たくさんいる。

障害をもってまで、スポーツで世界一になりたい、という強い根性があるのだから、他のことをやっても、相当なレベルにまで、いけると思うのだが。

それに、たとえば、車椅子テニスなど、かなり技術が高く、かなり速いサーブやストロークを打ってくるので、それを打ち返すには、車椅子で、思い切り、走り回らなければならず、手を車輪に巻き込まれたり、上半身だけの力で打つという、不自然で、激しい、運動をしなくては、ならないから、怪我もしやすい、と思うのだが。

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ヤクルト、ソフトバンク優勝

2015-10-17 22:01:04 | 武道・スポーツ
CSで、パ・リーグでは、ソフトバンクが優勝し、セ・リーグでは、ヤクルトが優勝した。

プロ野球は、ニュースでしか、見ていないが。

昨日は、トレーニング・ルームで、ちょうど9時に、ソフトバンクの優勝を見た。

ランニングは、時間が長く感じられるので、プロ野球を見ていると、つまらないランニングの時間が早く、経ってくれる。

もちろん、私は、リーグ優勝した、ヤクルト、ソフトバンクが、優勝してくれることを期待していた。

一体、どこのバカがCSなんてものを、考え出したのか。

CSを、やってもいいが、2位、決定戦、にとどめるべきだ。

あるいは、CSをやっても、いいが、リーグ優勝した、球団に、もっともっと、有利な条件をつけ、余程のことがない限り、リーグ優勝した、球団が、まず勝つようにするべきだ。

長い、多くのリーグ戦の試合で、負けた、チームが、たかが、数試合のCSの試合で、勝って、逆転して、日本一になれなくなる、なんて、バカなことがあっては、ならないのだ。

そんなの、戦国時代に、全国の武将(今川義元、浅井長政、朝倉義景、武田勝頼、延暦寺、一向一揆、石山本願寺、毛利元就)と、勝って、天下をとった、織田信長を、本能寺で、信長をやっつけた、明智光秀みたいなものだ。

私は、巨人が嫌いだが、(個々の選手は好きだが)、巨人が、リーグ優勝したなら、CSでも、巨人を応援する。

ソフトバンクの工藤公康監督も、嫌いではない。

ソフトバンクは、ソフトバク・ホークスではなく、ソフトバンク・カリメローズ、と名前を変えた方がふさわしいのでは。

「カリメロ。優勝。嬉しい」

ちなみに、ビールは、飲むものであって、頭にかけるものでは、ない。

もったいないじゃないか。

優勝した、チームを応援するために、何度も、高い入場料を払って、ヤフオクドームに入って、応援した、ファンに、ただで、プレゼントすべきだ。

そもそも、監督なんて、誰がやったって、たいして変わりないし、自分は、きつい練習もしなくて、見ているだけでいいのだから、気楽なご身分だ。

それに、リーグ優勝した、のは、監督の采配の結果か、どうかは、わからない。

それは、監督の実力は、(学問ではないから、別の人にやらせた場合の、検証実験など、出来ないから)、わからないのだ。

別の人に、監督を、やらせていたら、もっと、大差で優勝した可能性など、当然ありえる。

監督の給料は、何もしないで、一億円だというのだから、いい気なもんだ。

あの巨人の原辰徳の、さもしい顔。

結局は、純粋さ、だけではなく、金めあて、でもあるのだ。

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僕の戦争的な体験

2015-10-14 22:54:17 | 考察文
僕の戦争的な体験は、梶原一騎の逮捕である。

そんなこと言っても、信じてもらえない気もするが、僕にとっては、紛れもない、事実なのである。僕にとって、梶原一騎の、漫画の多くの主人公は、僕に、とって、「神」そのものだった。特に、好きなのは、「愛と誠」の、太賀誠。「夕やけ番長」の赤城忠治。「カラテ地獄変」の大東徹源。「巨人の星」の星飛雄馬。「青春山脈」の火野兄弟。「英雄失格」のカール・シュミット。「明日のジョー」の矢吹丈。などか,僕の、「神」だった。
彼らの、根性、度胸、不屈の精神、死をも恐れぬ勇気、などの精神が、僕の、「神」だった。
それらの精神は、僕が持っているものではなく、持っていないものだった。だから、僕が、生きる上で、それらの精神は、絶対に、なくてはならないものだった。それらは、僕の座右の書だった。当然、そういう作品を書く、原作者の梶原一騎も、そういう立派な精神を持っている、優れた人間だと尊敬した。作品の主人公の精神と、作者の精神は、同じものであるはずだ、と思っていた。しかし、梶原一騎が、編集者を殴って、逮捕された時、僕は、ガンを告知されたようなショックを受けた。その後、梶原一騎が、アントニオ猪木を監禁したりしたことや、暴力団との、つながりがあること、などを知った。僕の中で、「神」であった、梶原一騎が、ガラガラと崩れていった。当然。主人公の精神=作者の精神、と思っていたので、僕は、梶原一騎の作品を、愛せなくなってしまった。自分の崇拝する「神」が、いなくなってしまう。こんなことが、宗教者に起こったら、信者は、発狂してしまうだろう。
もちろん、僕も、精神に変調をきたし出した。しかし、僕にとって。根性、度胸、不屈の精神、死をも恐れぬ勇気、などの、梶原の精神は、僕になくてはならないものだった。
なので、僕は、梶原一騎を捨てて、神風特攻隊、など、別のものに、それを求めた。
しかし、精神の変調は、おさまらない。梶原一騎の漫画を捨てるわけにも、いかない。しかし、もう、読むことは、出来なくなってしまった。それで、それらは、戸棚の上にしまった。
しかし、僕は、それ以前にも、非常に苦しい経験をして、それを乗り越えてきたことがあるので、何とか、心を落ち着かせようとした。僕は、時間が経って、不安定な気持が、いつか、落ち着いてくれることを、待つことにした。過去の苦しい経験でも、待つことによって、時間が解決してくれる経験をしたことがあるからだ。
その作戦は成功した。待って、そして、梶原一騎という人間が、わかってくるにつれ、僕は、梶原一騎という人間を、そして、梶原一騎の作品の主人公たちを、再び、愛することが出来るようになったのだ。しかし、それには、二年くらいの歳月を要した。梶原一騎という、作者の精神は、本物なのだ。と、わかったのである。ただ、大人でありながら、子供のような感性をもっているのだと、わかったのである。それが、わかってからは、僕は、梶原一騎、および、梶原一騎の作品の主人公たちを、一層、愛することが出来るようになった。

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三島由紀夫の「金閣寺」

2015-10-14 04:41:38 | 考察文
三島由紀夫の傑作と言われている小説、「金閣寺」の意味が、正確に、わかる人は、どのくらい、いるだろうか?

ちょっと、わかりやすい、説明があるので、参考に書いておこう。

2008年5月12日に、このブログで、僕は、「逆説反応」と題して、書いたものがあり、それが、小説、「金閣寺」を理解する参考になると、思う。

そのため、2008年5月12日に、書いた、「逆説反応」の記事を、コピペしておこう。


「逆説反応。
精神病院の中には、さらに、個室が数部屋ある。ここは、トイレとベッドしかなく、拘置所より、環境が悪い。テレビもない。患者があばれて物を壊す可能性があるからだ。鉛筆やシャープペンも、禁止の場合がある。尖ったものは、自傷の道具になるからだ。もちろん、自傷の危険が無いと判断されたら、鉛筆は、許可になる。
きれいな個室もあるが、きれいでない個室もある。民間病院は、経営が苦しく、建物を改修する費用がない所が多いからだ。
さて、個室が適応と判断された患者は、重症の患者なのだが、そういう患者には、奇妙な、最悪な事をする場合がたまにあるのだ。トイレの水で顔を洗ったり、自分の便を食べたり、などである。偽善的な事は、あまり言いたくないが、そういう行為は、本当にやりきれない。患者がかわいそうである。しかし、そうする原理は、容易にわかる。これは、何も精神科の患者だけでなく、一般の人でも、ある苦しい状況に置かれたら、起こりうる感情だ。しかし、その原理を書いたものが、見当たらないので、私は、そういう行為を、「逆説反応」と名づけた。これは、そう難しい心理ではない。患者は、してはならない最悪の事をしてしまうのである。これは、精神が追いつめられた時は、落ち着いてものを考えられないから、「してはならない」行為を、「してはならない。してはならない」と、思っている内に、そのタブーが、かえって強迫観念になってしまうのである。患者は、その強迫観念に悩まされつづける。そして、その観念がどんどん強くなって、患者を苦しめるのである。もう、患者は精神的に耐えられなくなってしまう。そこで、「してはならない」ことを、する事によって、精神の苦しみが、解放されるのである。」

「逆説反応」とは、僕が、かってに、つけた名称で、一般的にはない。

このように、してはならないことを、しないでいると、想念がどんどん、大きくなっていって、患者を、どんどん苦しめていくのである。それで、患者は、その想念の、苦しみから、逃れたくなり、大便を実際に、食べることによって、現実を実感し、想念の恐怖を壊すのである。

この心理は、金閣寺の美しさの想念が、どんどん、大きくなって、主人公の溝口を、苦しめ、溝口は、その苦しさから、逃れるために、金閣寺を焼く、決断に至った心理と同じである。

だが、小説、「金閣寺」の意味は、それが、全てではない。

もう一つ、重要なものがある。それは、太平洋戦争である。主人公の溝口は、太平洋戦争で、アメリカが、爆撃によって、金閣寺を焼いてくれることによって、金閣寺の恐怖から、解放されることを、期待した。

そして、太平洋戦争によって、自分は夭折する運命にある、と、ほのあまい期待をしていた、三島由紀夫が、終戦によって、生きなくてはならなくなった、自分の強い経験が、小説、「金閣寺」を書く、強い動機になっているのである。

だから、戦争を経験しなかった、戦後生まれの人には、「金閣寺」は、理解しにくいのでは、ないかと思う。

まあ、もっとも、もちろん、私も、戦後、生まれの人間ではあるが。

しかし、私は、戦争ではないが、戦争的な体験をしている。ので、その類推で、戦争をある程度、推測できていると思っているのである。

つまり、自分の思想が、全部、否定されてしまうような、そんな発狂しそうなほど、苦しい経験をしているのである。

そして、内向的で、現実の世界ではなく、観念の世界に生きている、僕も、観念が、どんどん大きくなって、耐えられなくなると、ときには現実に触れてみよう、と思って、少しは現実に触れているのである。

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天皇陛下は左翼

2015-10-10 14:21:52 | 考察文
天皇陛下は、左翼的思想の傾向にある。

なぜなら、陛下は、終戦の日、とか、広島での原爆での、お言葉は、「日本の平和」という言葉より、「世界の平和」という言葉の方を、多く使うからだ。

そして、右翼とか保守とかいう、連中は、「世界の平和」というと、「左翼」とか、「売国奴」とか、言うからだ。

右翼とか保守とかいう連中は、「日本の平和」という言葉を使わない者を、「売国奴」と言う。

そして、右翼や保守の連中が使う、その、「日本の平和」という言葉の中には、本当は、本心では、「日本の平和」ではなく、「日本(だけ)の平和」、日本だけ、よければ、それでいい、という、思いがあるのだ。

つまり、右翼や保守の連中の考えによれば、世界の国々、人々を、平等に、差別なく、愛してはならないのである。

まず、第一に、日本を絶対的に、愛し、世界平和は、その次、か、あるいは、そんなもの、どうでもいい、というのが、右翼や保守の連中の考えなのだ。

それは、国益や経済と関係ない、スポーツでも、日本人は、オリンピックや、世界選手権などの世界大会、では、日本の選手を、応援しないと、「売国奴」と呼ばれるのを、みても、明らかである。

そもそも、天皇陛下は、傍迷惑に、パンパカ、君が代や、軍歌を、鳴らしている、うるさい、右翼の街宣車を、快く思っていない、と、私は確信している。

それに、眞子内親王も、佳子内親王、も、国際キリスト教大学で、耶蘇教などという、外国の、邪教を学ばれあそばし、英語などという、鬼畜米英の、敵性語を、熱心に学ばれなさるのも矛盾している、ということになる。

学習院大学で、日本の伝統、文化、歴史を学び、神道を信仰すべきなのではないか。

ちなみに。プロ野球では。私は、どうしても、アメリカ人(白人も黒人も)の多くいる球団が好きになれない。

アメリカ人の選手を、応援する日本人の心理もわからない。彼らこそ、「売国奴」だ。

そのうち、日本のプロ野球は、全員、アメリカ人になってしまうぞ。

ちなみに、韓国人は、いても、いっこうに構わない。日本人と顔が似ているから。

(これは、大東亜共栄圏の国々の人間は、OKということである)

私には、欧米人と結婚する男(女)は、売国奴。メジャーリーグに移籍する日本人のプロ野球選手は、売国奴(日本人は、日本のプロ野球に貢献すべし)。巨人を応援するヤツは、売国奴。と思えて仕方ない。

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ゴキブリ星人(小説)

2015-10-09 02:41:57 | 小説
ゴキブリ星人

ある高校である。
そこは野球の強豪校である。
野球部は、ほとんど、毎年、確実に、甲子園に出場している。
強豪校に入れば、甲子園に出られるから、将来、プロ野球選手を目指す、中学生は、強豪校に入りたがるので、全国から、野球の強い生徒が、集まるから、高校は、何もしなくても、ますます、強豪校となっていく。
これを、強豪校の、「神の見えざる手」の法則という。

ある年の、野球部である。
初夏の頃である。
三年には、最速160km/hのストレートを、投げられる、エースの小谷がいた。
野球部、そして、小谷は、去年も、そして、その前年も、甲子園に出場した。
彼は、バッティングも出来て、二刀流、として、一年で、すでに、プロのスカウトに、目をつけられていた。
去年の地区予選の決勝では、小谷が、パーフェクトゲームを達成して、しかも、小谷の二本のホームランによって、勝ったので、もう、このチームは、小谷のワンマンチームだった。

しかし、ピッチャーには、小谷の他に、山野哲也という、かなり、実力のあるピッチャーもいた。
しかし、小谷が、小学一年生の時から、野球一筋に生きてきたのに、対し、山野哲也は、中学生から、野球を始めたので、実力差は、明らかだった。
哲也は、どうしても、140km/h以上の球速のある、ストレートを、投げることは出来なかった。そのため、哲也は、小谷のリリーフの役割り、となっていた。
野球部には、かわいいマネージャーがいた。
名前を庄司京子といった。
京子は、内心、小谷に、憧れていて、将来は、小谷と結婚したい、と思っていた。
「小谷君。お願い。私と結婚してもらえない?」
とまで、京子は、小谷に告白した。
しかし、小谷は、
「う、うん。ありがとう。でも、いきなり、言われても、困っちゃうな。少し、考える時間をくれない?」
と、お茶を濁す返事で去った。
そんな、小谷の背中に投げかけるように、京子は、いつも、
「わたし、待ーつーわー。いつまでも、待ーつーわー♪」
と、アミンの、歌を歌った。

そんな、二人の姿を、グランドの木陰から、哲也は、さびしそうに見つめていた。
哲也は、京子を熱烈に愛していたからである。
しかし、哲也は、京子に、幸せになって欲しいと思っていたので、京子と小谷が、結ばれて、幸せになるのなら、その方がいい、と思っていた。
哲也は、そういう、思い遣りのある性格なのである。

しかし、ある時、哲也は、勇気を出して、小谷を屋上に呼び出して、小谷に、京子のことを、どう思っているのか、聞いてみた。
「小谷。君はマネージャーの京子のことを、どう思っているの?」
哲也が聞いた。
「どうって、どういうこと?」
小谷が聞き返した。
「つまり男女間の恋愛感情のことさ」
哲也が言った。
「なあんだ。そんな事か。京子は、滑り止めだ。もし、オレが、プロ野球で、スターになったら、京子なんかより、もっと可愛い、絶世の、女子アナ、か、女優と結婚するつもりさ」
小谷は平然と言った。
「でも、京子は君を愛しているよ」
哲也が言った。
「そんなのは、彼女の勝手さ」
と、小谷は言った。
その時の、小谷の発言に、哲也は、がっかりした。
その時以来、哲也の思いは、一変した。
というか、悩むようになった。

ある日の京子の家である。

家に、ゴキブリが、ガサゴソ、出てくるようになった。
「嫌だなー」
京子は、ゴキブリホイホイを買って、台所の隅に置いておいた。
京子は、大の、ゴギブリ嫌いだった。
ヘビやムカデ以上に、ゴキブリが嫌いだった。
しかし、京子の家では、何匹もの、ゴキブリが出てきて、あとを絶たない。
京子は、ゴキブリに悩まされた。
勉強が手につかなくなるぼどに。
そんな思いが、つのって、しまったためか、ある時、京子は、以下のような夢を見た。

(京子の見た夢)

京子は、「ゴキブリども。死ね」と言って、ゴキブリ・ホイホイを台所に置いた。
家にいる、ゴキブリを一網打尽にするため、ゴキブリの好きな匂いの、袋を3つ、一つの、ゴキブリ・ホイホイの中に入れておいた。

しばらくすると、一匹のゴキブリがやって来た。
雄のゴキブリで、名前は、ゴキ男と言った。

「あっ。いい匂いがする。やったー。何か美味いもんがあるんだろう」
ゴキ男は匂いのする方につられて行った。
「ああ。いい匂いだ」
ゴキ男は匂いにつられて箱の中に入っていった。
入った途端、足が粘着テープにくっついた。
「ああっ。しまった。これは僕達を罠にはめるゴキブリホイホイというものなんだ」
ゴキ男は必死にもがいた。だが、もがけばもがくほど逆に粘着テープに体がくっついてしまった。
「ああ。もう、僕はだめだ」
ゴキ男は観念した。
その時、メスのゴキブリである、ゴキ子がやってきた。
「あっ。ゴキ男さん。しゃれた家を見つけたのね。いい匂いがするわ。美味しい物があるのね」
ゴキ子はホイホイに入ろうとした。
「あっ。ゴキ子ちゃん。入っちゃダメだ」
「どうして。美味しそうな匂いがするじゃない。何か美味しい食べ物があるんでしょ」
「違う。これは罠なんだ」
「ずるいわ。ゴキ男さん。自分だけ美味しい物を独り占めする気なんでしょう」
ゴキ子はゴキ男の忠告も聞かずホイホイに入っていった。
「ああっ」
入った途端、手足が粘着テープにくっついてしまった。
「ああっ。ゴキ男さん。助けて」
ゴキ子はもがいた。だが、もがけばもがくほど手足が絡まってしまった。
「ゴキ子ちゃん。この罠にかかったら、もう逃れられないよ。諦めよう」
ゴキ子は諦めて項垂れた。
「ゴキ男さん。ごめんなさい。せっかくゴキ男さんが忠告してくれたのに、ゴキ男さんを疑ってしまって。優しいゴキ男さんの忠告を疑ってしまった天の罰なのね」
「そんな事ないよ。ゴキ子ちゃんは悪くないよ」
「じゃあ、何がわるいの?」
「僕達がゴキブリに生まれてしまった事が悪いのさ」
「私達の人生も、もうおしまいなのね」
ゴキ子は涙を流した。
「ゴキ子ちゃん。泣かないで。ゴキ子ちゃんと死ねるんなら僕は幸せだよ」
「ありがとう。ゴキ男さん。私、もう泣かないわ」
「ゴキ子ちゃん。賛美歌320を歌おう」
「そうね。そうしましょう」
ゴキ男とゴキ子は賛美歌320を歌い出した。
「主よ みもとに近づかん のぼるみちは 十字架に ありともなど 悲しむべき 主よ みもとに 近づかん」
夜は深々とふけていった。

翌日、京子は、目を擦りながら起きた。ゴキブリホイホイを見ると二匹のゴキブリがかかっていた。
「やったー。さっそく、かかったー」
京子は、ざまあみやがれ、フフフ、と笑いながら庭にゴキブリホイホイを持っていって火をつけて焼き殺した。

しかし、二匹のゴキブリが、恨めしそうな目で、京子を見つめていた。

(と、そんな夢だった)

「うわー」
京子は、恐怖のあまり、飛び起きた。
寝汗で、パジャマがびっしょり、濡れていた。
まだ、夜が明けかかっている時刻だった。
京子は、急いで、昨日、しかけた、ゴキブリホイホイの所に行ってみた。
そして、ゴキブリホイホイを見ると二匹のゴキブリがかかっていた。
京子は、いつもは、ゴキブリホイホイにかかったゴキブリを、「やったー。さっそく、かかったー」ざまあみろ、ウシシと笑いながら、ゴキブリホイホイを、庭に持っていって、火をつけて焼き殺していた。
それが京子の趣味にも、なっていた。

しかし、昨日の夢から、京子は、ゴキブリも、生き物であり、生きたがっているんだ。
これは、「むやみに、生物を殺しては、いけない」、という、お釈迦さまの、お告げなのかもしれない、と思って、ゴキブリホイホイから、目をそらした。
そして朝食を食べ、
「行ってきまーす」
と言って、元気に、学校に行った。

京子は、学校に行くと、昨日、見た、ゴキブリの夢の話を友達にした。
みなは、あははははは、と笑った。
「京子は、ゴキブリホイホイを、楽しんで、燃やしているからよ。そんなこと、してるの、あなた、だけよ」
一人がそう言った。
「だってー。ゴキブリって、嫌なんだんも」
京子は、すねるような口調で、そう言った。
哲也は、京子と同じクラスなので、京子の話を黙って聞いていた。

数日後のことである。

その日の、放課後。
帰宅中の京子のスマートフォンが、ピピピッと鳴った。
京子は、急いで、カバンから、スマートフォンを取り出して、スマートフォンを開いてみた。
京子のスマートフォンに、メールが、届いていた。
それには、こう書かれてあった。
「今日。あなたの町に、おいしい、お菓子屋さんが出来ました。今日は、開店サービスで、お菓子、ケーキ、食べ放題です。もちろん、お持ち帰りも、いくらでも、ご自由です」
そして、番地が書いてあった。
そこは、京子の家には、近いが、そこには、まだ、行ったことがなかった。
京子は、お菓子に、目がないので、急いで、スマートフォンの地図アプリを見ながら、その店へ向かった。

ようやく、京子は、その店に着いた。
トントン、と、店の戸をノックしてみたが、返事が無い。
京子が、ドアノブを、ひねると、ドアは開いた。
「こんにちはー」
京子は、大声で、店員を呼んだ。
しかし、返事が無い。
(店員は、何かの用で、店を離れているのだろう)
そう思って、京子は、
「失礼しまーす」
と言って、店に入ってみた。

美味しそうな、お菓子やケーキが、いっぱい、テーブルの上に、いっぱい、あった。
「うわー。美味しそうー」
京子は、急いで、大きな、テーブルの上の、お菓子に向かって、走り出した。
京子は、特に、チーズケーキには、目がなかった。
その時である。
京子の足が、なぜだか床にくっついて、しまったのである。
まるで、誰かに、足を引っ張られているかのような、感覚だった。
「ああっ」
京子の上半身は、慣性の法則で、前に、倒れた。
足をラグビーのタックルで、つかまれたような、状態なのだから、当然である。
京子の、手と体は、床にベッタリと、くっついてしまった。
一体、これは、何なのだろう?
京子は、気が動転した。
床は、ネバネバしていて、そして、それは、まるで、瞬間接着剤、アロンアルファのような、匂いがする。
京子は、身を動かそうと、もがいてみた。
しかし、ダメだった。
ついに、京子は、あきらめて、俯いた。
そして、通行人が、見つけてくれるのを、待つことにした。
「京子ちゃん」
京子は、突然、声をかけられて、驚いた。
京子の頭は、一体、これは、どういうことなのか、はたして、ここから、抜け出せるのだろうか、それはいつなのだろうか、ということなどが頭の中で、錯綜していたので、回りをよく見る冷静さを失っていたのである。

声のする方を、見ると、同級生の、哲也がいた。
哲也も、床に、べったりと、くっついていた。
「て、哲也君。これは、一体、どういうことなの?」
京子が聞いた。
「わからないよ。さっき、帰宅中に、僕のスマートフォンにメールが届いたんだ。そしたら、それは、新しく出来た菓子屋の宣伝だったんだ。お菓子の店が、新しく出来て、開店サービスで、食べ放題とあったから、興味本位で、来て、入ってみたら、床に、何か、接着剤のような物がついていて、くっついてしまったんだ」
哲也が言った。
「私も、同じよ」
京子が言った。
「よく、わからないけれど、ともかく、助けを叫びましょう」
京子が言った。
「そうだね」
哲也も賛同した。
「助けてー。助けてー」
二人は、力の限り、声を振り絞って、叫んだ。

その時である。
「フォッ、フォッ、フォッ、フォッ」
と、不気味な声が、聞こえてきた。
見ると、気持ちの悪い、巨大なゴキブリが、何匹も、店の窓から、覗いていた。
「こ、こわいー」
京子は、思わず、咄嗟に、叫んだ。
巨大なゴキブリの一匹が、話し始めた。
「こわいか。ふふふ。そうだろうな。私は、太陽系とは、別の、M76星雲の、ゴキブリの惑星のゴキブリ星人だ。我々は、ゴキブリ惑星の外務省の役人だ。お前たちの、祖先は、猿人、そして、魚類だろう。そのように、進化して、人間となったのだろう。しかし、我々の祖先は、ゴキブリだ。ゴキブリが、長い、時間の経過を経て、進化して、我々となったのだ。我々の科学の方が、お前たち、地球人の科学より、はるかに上なのだ。お前達は、太陽系を抜け出せるほどの、科学力は、まだ無い。しかし、我々、の科学力は、M76星雲を、抜け出し、宇宙の何処へでも、行けることが出来るのだ。お前達、人間が、我々の祖先である、ゴキブリを、どのように、扱っているか、我々は、偵察に来たのだ。もし、ゴキブリを、優しく扱っていたのなら、我々は、地球と、国交を結び、貿易をして、地球と共存する、つもりだったのだ。しかし、お前たちが、我々の祖先である、ゴキブリを、残忍な方法で、いじめ、殺していたことを、知って、方針を変えたのだ。我々は、お前たちの地球を滅ぼす。そのために、まず、手始めとして、お前達を、連れてきたのだ。お前達も、お前達が、ゴキブリを残忍な方法で殺したように、殺してやる」
そう、巨大な、気味の悪い、ゴキブリは、言った。
「やめてー。許してー。ゴキブリ星人様―。もう、ゴキブリは、殺しませんー。私。まだ、死にたくないー。結婚もしたいし、子供も産みたいし、海外旅行もしたいし、チーズケーキも、焼肉も食べたいし・・・」
京子は、泣きながら、叫んだ。
「そうか。それなら、もう一度だけ、チャンスを与えてやろう。お前達、地球人が、ゴキブリを、殺さない、方針に変更するのなら、考えてやる」
一匹のゴキブリ星人が、言った。
「我々、ゴキブリ星人は、いきなり地球の、各国の政府や、国連には訴えず、まず、手始めに、お前達ふたりを、選んで、お前達ふたりが、どういう行動をするか、地球人の良心を調べることに、したのだ。お前たち、二人が、ゴキブリを殺さないように、世界に、働きかけて、地球人が、ゴキブリを、殺さなくなったら、地球を攻撃しないでやる」
そう、巨大な、気味の悪い、ゴキブリは、言った。
そして、ゴキブリ星人たちは、店の窓から姿を消した。
「あっ。京子ちゃん。ゴキブリ星人たちが、去って行くよ」
哲也が窓の外を見て言った。
「あっ。彼らはUFOに乗り込んだ」
哲也が言った。
「あっ。UFOが、飛び立った」
哲也が、実況中継のアナウンサーのように、言った。
「どこ?見えないわ」
京子が聞いた。
店には、哲也の近くに、大きな、窓があった。

「京子ちゃんの、位置からでは、見えないよ。でも、僕の位置からでは、見えるんだ」
そう、哲也が言った。
「京子ちゃん。ともかく、助けを呼ぼう。このままでは、動けないよ」
哲也が言った。
「そうね。哲也君」
京子が言った。
「助けてー。助けてー」
二人は、力の限り、声を振り絞って、助けを叫んだ。
しかし、なかなか、助けは、現れない。
「どうして、誰も助けに来てくれないのかしら?」
京子が首を傾げて言った。
「ここは、回りは、野原だよ。近くに、民家が無いんだ」
哲也が言った。
「ええっ。そうなの?」
京子は、近視のうえ、スマートフォンの地図アプリだけを、じーと、見ながら、歩いてやって来たので、回りの状況には、注意が全く向いていなかった。のである。

だんだん、辺りが暗くなってきた。
夜の帳が降り始めた。
「ああ。困ったわね」
京子が言った。
「そうだね」
「哲也君。今、何時だか、わかる?」
京子が聞いた。
「もう、夜中の、12時だよ」
哲也が腕時計を見て言った。
「そうなの。私、お腹、減ってきちゃった。もう、助けを呼ぶ力も、無くなっちゃったわ」
そう、京子が力なく言った。

疲れ果てた京子に、睡魔が、襲ってきた。
京子は、ウトウトと、し出した。



「京子ちゃん。起きて」
京子は、声をかけられ、体を揺さぶられて、ハッっと目を覚ました。
朝日が、窓から、入り込んでいた。
夜が明けたのだろう。
しかし、まだ、外は、ほのぼのと、白々しい。
目の前には、制服を着た哲也が、ダンボールの上にいた。
「哲也君。接着剤から、抜け出れたの。それとも、誰かが、助けに来てくれたの?」
京子が目を上げて、聞いた。
「接着剤から、強引に抜け出たんだ。この店の床は、所々に、接着剤が、塗られているんだ。瞬間接着剤アロンアルファみたいな、協力な接着剤だ。僕は制服のズボン、と、ワイシャツの腹の部分が、接着剤にくっついて、しまって、動けなくなってしまったんだ。だけど、幸い、手には、接着剤が、着いていなかったんだ。それで、力まかせに、ワイシャツを引き裂き、そして、スボンを、脱いだんだ。それで、自由になれたんだ。それで、僕は、ランニングシャツと、パンツ一枚で、この店から、出て、タクシーに乗って、家に帰ったんだ。それで、家で、制服を着て、ダンボールと、ジャージと、マニキュア除光液を持って、タクシーで、また、ここに、もどって来たんだ」
哲也は、そう説明した。
「なんで、ダンボールと、ジャージと、ハサミと、マニキュア除光液、を持ってきたの?」
京子が聞いた。
「ダンボールは、床に敷くためさ。床に敷いて、その上を歩けば、接着剤にくっかないだろ。マニキュア除光液は、君を助けるためさ。瞬間接着剤アロンアルファが、手にくっついて、しまった時、それを、剥す方法を、ネットで、調べたら、マニキュア除光液を、塗ると、剥がせる、って、書いてあったから、持ってきて、みたんだ」
そう言って、哲也は、京子の近くに、ダンボールを敷いた。
そして、その上を、歩いて、倒れている、京子の、横に座った。
「あーあ。京子ちゃん。は、手の指が、床にくっ着いちゃってるね」
京子は、手の指が、床の接着剤に、くっ着いて、しまっていた。
「これで、剥せるか、どうか、わからないけれど、試して、みるよ」
そう言って、哲也は、京子の、手の指に、マニキュア除光液を、塗ってみた。
そして、そーと、床から、剥そうとした。
すると、京子の指は、ヌルリと、床から、剥がれた。
「あっ。剥がれたわ」
京子は、喜んで、言った。
「よかったね。やっぱり、この接着剤は、アロンアルファみたいな、成分なんだ」
そう言って、哲也は、京子の腕で、床と、接着剤で、くっついている、部分を、一ヵ所づづ、塗っていって、一ヵ所づつ、剥していった。
「京子ちゃん。すまないけれど、セーラー服は、ハサミで、切っちゃって、いい?」
哲也が聞いた。
「いいわ」
京子が答えた。
「じゃあ、すまないけれど・・・」
そう言って、哲也は、京子のセーラー服と、スカートをジョキジョキ、と、切っていった。
「さあ。これで、もう、床から、離れられるはずだよ。立ってみて」
哲也が言った。
京子は、おそるおそる、立ち上がった。
ブラジャーと、パンティーと、ソックス、だけの格好で、京子は、立ち上がった。
「やったわ。床から、離れられたわ」
京子は、喜んだ。
哲也に、下着姿を、見られる恥ずかしさ、など、この非常事態では、気にしているゆとり、など、起こらなかった。
哲也に手を引かれて、京子は、ダンボールの上を、歩きながら、店の外に向かった。
とうとう京子は、店の外に出た。
「やったー」
京子は、飛び上がって、喜んだ。
「さあ。京子ちゃん。これを着て」
そう言って、哲也は、京子に、ジャージを、渡した。
「ありがとう」
と言って、京子は、ジャージを着た。
「京子ちゃん。どうする。家に帰る。それとも、学校に行く?」
哲也が聞いた。
「学校に行くわ。制服は、予備のが、一着、ロッカーに置いてあるから」
京子が言った。
「そう。それじゃあ、学校に、行こう」
二人は、野原から、出た。
わりと、近くに、道路があって、車が走っていた。
しばしすると、タクシーが来たので、二人は、手を挙げて、タクシーに乗った。
そして、学校へ向かった。

「ゴキブリ星人は、僕たちが、ゴキブリを殺さないように、世界に、働きかけて、ゴキブリを、殺さなくなったら、地球を攻撃しないでやるって、言ったね」
と、哲也は京子に、念を押すように言った。
「そうね。じゃあ、ゴキブリを、殺さないように、日本政府に、訴えましょう」
と、京子は言った。
「この秘密を知っているのは、僕と君だけだ。地球の運命は、僕たち二人にかかっているんだ。彼らは、早くしないと、地球を滅ぼすって、断言したんだ。でも、こんな、ことを、言っても、誰にも信じてもらえないだろうな」
哲也は、ボソッと呟いた。
「勇気を出しましょう。哲也君。地球の運命は、私たち二人にかかっているんですもの」
京子は、哲也の手を固く握りしめて力強く言った。
「そうだね。うかうかしていたら、地球が、ゴキブリ星人に、滅ぼされてしまうからね」
哲也も、地球を救う使命感に燃えていた。

学校に、着くと、京子は、ロッカーに行き、ジャージから、制服に着替えた。
ちょうど、その頃、生徒たちが、ゾロゾロと、教室に入ってきた。

「やあ。京子。おはよう。早いのね」
生徒たちが言った。
「ねえ。みんな。聞いて。聞いて」
京子は、教壇の上から、みなに向かって、大声で言った。
「なあに。京子?」
みなは、キョトンとした表情だった。
京子は、急いで、話し出した。
「あのね。みんなは、知らないけど、太陽系の外に、M76星雲というのがあるの。そこには、ゴキブリの惑星というのがあって、そこには、ゴキブリ星人というのが、住んでいるの。ゴキブリ星人は、地球人、以上の、科学力を持っているの。私達、人間が、ゴキブリを殺すと、ゴキブリ星人が、地球を滅ぼしに来るの。だから、これからは、ゴキブリは、殺さないで」
と訴えた。
しかし、みなは、「あはははは」、と、腹を抱えて、笑うだけだった。
「京子。あなた、また、変な夢を見たのね。あなたが、ゴキブリを、毛嫌いし過ぎるから、そんな変な夢をみるのよ」
と、全く、とりあわなかった。
「夢なんかじゃないの。本当なの。お願い。私を信じて」
と、京子は、訴えた。
しかし、みなは、ちょうど、大洪水を予告し、陸の上で箱舟を作っているノアを、あざ笑うように、全く、相手にしなかった。
京子と哲也の、二人は、昼休みに、教員室に行って、教師達に、同じ事を、必死で訴えた。
そして、「地球を救うためにゴキブリを殺さない会」という、部活を作りたい、と懇願した。
しかし、教師たちは、そんなバカげた部活、を、つくることは、認めない、と拒否した。
京子が必死で、いくら、訴えても、ダメだった。

それで、二人は、仕方なく、「地球を救うためにゴキブリを殺さない会」というサークルをつくった。さらに、NPO法人「地球を救うためにゴキブリを殺さない会」を立ち上げた。
そして、ネットや、街頭で、ゴキブリを殺してはならないことを、必死で訴えた。
総理大臣にも、「ゴキブリを殺すと、地球が滅びます」という内容の手紙を送り、大手新聞社、各社、そして、テレビ局、各局に、電話し、ファックスを、送りまくった。

しかし、世間は、当然、二人が頭が、おかしくなった、というだけで、相手にしなかった。
京子の家でも、母親、父親から、京子は、頭が、おかしくなったと、思われた。
「京子。しっかりして。おかしなことは、言わないで。おかあさんは、悲しいよ。娘が発狂してしまったなんて・・・」
と母親は、泣いて訴えた。
「お母さん。こそ、私の言うことを信じて」
と、京子は、ガンとして、訴えた。

ある日のこと。
母親は、京子を連れて、日本の精神医学界の最高権威者である、東京大学医学部精神科の浅野浩二最高名誉教授に、娘の精神を鑑定してもらうため、東京都文京区本郷七丁目にある、東京大学医学部付属病院に、連れて行った。
浅野浩二教授は、精神分析学の研究でノーベル医学賞を受賞して、ストックホルムから帰ってきた、ばかりだったが、快く診察を引き受けた。
浅野浩二教授は、母親の訴えを黙って聞いた後、厳かな口調で、
「彼女と二人きりで話させて、もらえませんか。正確な診断をするために」
と、母親に言った。
「はい。わかりました。よろしくお願いいたします」
と言って母親は、診察室を出た。
診察室には、浅野浩二教授と、京子の二人きりになった。
外で待つ、母親は、気が気でなかった。
だいたい三時間くらいして、浅野浩二教授が、診察室から、出てきた。
「どうでしょう。先生。娘は、やっぱり、統合失調症なんですか?」
母親が、おそるおそる聞いた。
浅野浩二教授は、にこやかな顔で手を振った。
「それは、違います。確かに、ゴキブリ星人など、いません。しかし、娘さんは、統合失調症では、決してありません。入院させる必要も、薬を飲ませる必要もありません。娘さんは、これからも、ゴキブリ星人の存在を、訴えを続けるでしょう。しかし、あと、三年、黙って待ってやって下さい。そうすれば、娘さんは、ゴキブリ星人の訴えをしなくなるでしょう。むしろ、自分が間違っていたことを認めるでしょう。それは、私が保証します」
浅野浩二教授は、キッパリと、そう言い切った。
「では。娘は、一体、どうして、あんな事を言うんですか?」
母親が聞いた。
「それは、今は、ちょっと、言えません。しかし、ちゃんとした、理由があるのです。いずれ、その理由を、お話しします。それまで私を信じて頂けないでしょうか?」
浅野浩二教授は、そう言った。
「そうですか。わかりました。では先生を信じます」
そう母親は言って、娘と家に帰っていった。

ある日のことである。
京子と、哲也は、体育館の倉庫の中で、しょんぼりしていた。
部活が、認めてもらえないため、二人のサークルの活動拠点は、体育館の倉庫だった。
いくら、ゴキブリ星人のことを、訴えても、キチガイ扱いされる、だけで、二人は、ヘトヘトに疲れてしまっていた。
「哲也君。誰も信じてくれないわね」
京子は、跳び箱に寄りかかりながら言った。
「そりゃー、無理もないよ」
「哲也君」
京子は、真剣な目で、哲也を見た。
「なあに?」
「私と結婚してくれない?」
京子が、突然、プロポーズした。
哲也は、京子の、突然のプロポーズに驚いた。
「どうして?君は、ドラフト一位指名候補の、小谷が好きで、小谷と、結婚する、つもりなんだろう?」
哲也が聞いた。
「え、ええ。でも、小谷君は、キチガイ女とは、絶対、結婚したくないって、言って、私、絶交されちゃったの。だから、相性が合う、哲也君と結婚したいの。ゴキブリ星人は、いつ、地球を征服してくるか、わからないわ。その時。ゴキブリ星人は、ゴキブリを救う会、の活動を、一生懸命していた、私たちだけは、殺さないでくれるかも、しれないわ」
京子が言った。
「そ、そうだね。確かに」
「じゃあ、哲也君。私と結婚して。そして、急いで、子供も産みましょう。そして、私たちの子供には、ちゃんと、ゴキブリを殺さないように、教育しましょう。それしか、人間が生き延びる道はないわ」
「そ、そうだね。確かに。でも、僕でもいいの?」
哲也は顔を赤くして聞いた。
「哲也君、以外に誰がいるの?」
京子は、断言するように言った。

こうして、京子と、哲也の、二人は、高校三年生の身分で、結婚した。
もちろん、キチガイの結婚式に出席する人などいない。
二人は、町の小さな教会で、二人だけで、結婚式を挙げた。

白髪の牧師が聖書を開いて、哲也に向かって、厳かに言った。
「山野哲也。汝、この女を妻として娶り、その健やかなる時も、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも 富めるときも、貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り真心を尽くすことを誓うか?」
牧師が言った。
「誓います」
哲也は、力強く言った。
次に、牧師は、京子の方へ視線を向けた。
「庄司京子。汝、この男を夫とし、その健やかなる時も、病めるときも、喜びのときも、悲しみのときも 富めるときも、貧しい時も、これを愛し、これを敬い、これを慰め、これを助け、その命ある限り真心を尽くすことを誓うか?」
牧師が言った。
「誓います」
京子は、厳かに言った。
二人は、エンゲージリングを交換し合った。
これで、二人は、正式に結婚した。
まだ、二人は、高校生なので、別居結婚ということになった。

そして、まもなく、京子は妊娠した。

学校の、野球部は、甲子園には、当然、出場したが、決勝戦で敗れた。

10月半ばになって、ドラフト会議が行われた。
プロ野球界は、チームでなく、当然、技術力のある、選手、個人を欲しがる。
小谷は、最速160km/hの、ストレートを、投げられるので、当然のごとく、全球団がドラフト一位で彼を指名をした。
くじびきで、小谷は、ドラフト一位で、日本ハム・ファイターズに入団が決まった。
哲也は、中学から野球を始めて、リリーフ投手として、それなりに実力があった。
しかし、小学一年生の時から、野球一筋に生きてきた、小谷には、勝てなかった。
二人の実力差は明らかだった。
しかし哲也も、奇跡的に、阪神タイガースが、ドラフト指名した。
そして、哲也は、阪神タイガースに入団が決まった。

冬になり、年が明け、京子たち、三年生は、卒業した。
小谷は、北海道に引っ越し、一方、哲也と京子は、大阪に、引っ越した。
そして、オープン戦が始まった。
小谷は、入団一年目から、一軍での先発として、レギュラーとなり、スターティング・メンバーに加えられて、活躍した。
一方、哲也は、イースタン・リーグでも、なかなか、勝率を上げられず、そして、防御率も下げられなかった。
しかし、阪神の二軍の、ピッチングコーチの、山口高志が、哲也のピッチング・フォームの欠点を指摘した。
「なあ。哲也。右足とちゃうか?」
山口高志は、哲也が、あまりに、投球モーションに、力み過ぎて、前足である左足を、遠くに出し過ぎて、右足が低くなり過ぎて、いるのが、いけないのでは、ないか、と考えたのである。
哲也は、藁にもすがる心境だったので、
「わかりました」
と、山口高志コーチのアドバイスを、実行してみることにした。
この、山口高志は、昔、阪急ブレーブス(現・オリックス・バファローズ)の剛速球投手であり、そのストレートは、160km/hを、はるかに超していた。王貞治も、長島茂雄も、その他、どんな強打者も、彼の剛速球を打てなかった。現役を引退した後は、ピッチング・コーチとして活躍し、多くの名投手を育てた。
哲也は、山口のアドバイスを信じた。
そして、ピッチング・フォームを改造して、一心に投げ込みの、練習をした。
その結果、その年の夏、哲也は、一気にブレークした。
哲也の球は、一秒間に45回転し、ホップするのである。
ボールは、一秒間の回転数が、多ければ、多いほど、揚力が出て、ホップするのである。
こうして、哲也は、阪神タイガースの、不動のエースとなった。

ある日のことである。
京子は、哲也と、和やかな食事をしていた。
生まれて間もない、女の赤ん坊を抱きながら。
「あなた。ゴキブリ星人は、なかなか地球に、やって来ないわね」
「そうだね。でも。もしかすると・・・」
「なあに?」
「ゴキブリ星人は、太陽系の外の、M76星雲から、太陽系の中に入って、地球にやって来れるほど、科学技術が発達しているだろう」
「ええ」
「だからだ。当然、核兵器も、地球の、核兵器より、ずっと、高性能の、核兵器を開発して、持っているのは、間違いないよ。一発で、一瞬にして、一つの国を滅ぼしてしまうほどの」
「そうね」
「ゴキブリ星人は、ゴギブリを殺さないと、地球を、滅ぼす、と言ったほどだから、相当、気性が荒いのかも、しれない」
「そうね」
「だから、もしかすると、ゴキブリ星人の、国の間で、戦争が起こって、ゴキブリ惑星の、ゴキブリ星人は、滅んでしまったのかも、しれないよ。その可能性は、あると思うよ」
「なるほど。そうね。確かに、その可能性は、あるわね。そう聞くと、何だか、安心してきたわ」

一方、小谷は、入団一年目の秋に、右肘の内側靭帯を完全断裂して、戦力外通告されていた。
小谷は、入団した、一年目から、日本ハム・ファイターズの、エースとして、活躍した。
ベテラン投手に、ひけをとらない、いや、それ以上の成績であった。
しかし、160km/hの直球を投げられるのは、オレだけだ、と、慢心してしまったため、練習では、ランニングもせずに、怠け、夜は、高級クラブで、豪遊していた。
そのため、腕に無理な力が、かかってしまい、右肘の内側靭帯を完全断裂してしまったのである。
これによって、小谷の野球選手生命は、終わってしまったのである。
小谷は、ヤケになり、大酒を飲んで、市内を、フルスピードで、一億円の契約金で勝った、マツダのアテンザを、時速160km/hで、飛ばし、対向車のダンプカーと、正面衝突して、即死してしまった。
その年の、シーズンが終わり、阪神は、優勝できなかったが、哲也は、最優秀新人賞を獲得した。

シーズンオフになった、ある初冬の日。
「あなた。やっぱり、小谷君とでなく、あなたと、結婚して、よかったわ」
と、京子は、赤ん坊を、抱きながら、哲也に言った。
赤ん坊は、スヤスヤと眠っていた。
「京子。実は、君に、言わなくちゃならない、ことがあるんだ」
哲也は、あらたまった口調で、言った。
「なあに?」
京子は、笑顔で聞き返した。
「実は、ゴキブリ星人のことなんだ」
「ああ。ゴキブリ星人ね。なかなか、地球を侵略してこないわね。ゴキブリ星人は、核戦争で自滅したのかもしれないわね」
「京子。オレを許してくれ」
そう言って、哲也は、突然、京子の前に身をドっと投げたして、土下座した。
「一体、どうしたの?」
妻は、キョトンとした顔で、夫を見た。
夫は、声を震わせて話し出した。
「実は。ゴキブリ星人、は、僕が、考え出したデタラメなんだ」
「ええっ。一体、どういうこと?」
京子は目を丸くして、聞き返した。
「本当は、ゴキブリ星人なんて、いないんだ。演劇部の部員に頼んで、大きな、ゴキブリの、ぬいぐるみを、作ってもらって、ゴキブリ星人を、演じてもらったんだ」
そう言って、哲也は、スマートフォンをピピピッと操作した。
「京子。ちょっと、これを見てくれ」
そう言って、哲也は、スマートフォンを京子に渡した。
それは、高校の時の、演劇部の部員たちの動画だった。
彼らは、「京子。ごめんねー。だましちゃって」、と言って、全員、頭を深く下げた。
そして、大きな、ゴキブリの、ぬいぐるみ、を、頭から、スッポリかぶって、「フォッ。フォッ。フォッ。我こそは、ゴギブリ星人なるぞ」と、ゴキブリ星人を演じた。そして、「バアー。うーそだよ」と言って、ゴキブリの、ぬいぐるみを、脱いだ。
京子は、目をパチクリさせて、驚いた。
「でも、どうして、そんなこと、したの?」
京子は、じっと、哲也を見つめた。
「僕は、どうしても、君と結婚したかったんだ。高校の時は、君は、小谷にメロメロだっただろ。だから、僕が、あんな、デタラメを思いついたんだ」
哲也は、そう言った。
「そうだったの。でも、いいわ。そんなにまで、私を愛してくれていたなんて。私。あなたが世界一、好きよ。告白してくれれば、よかったのに。女は、決して、金や将来性、なんかを、考えていないわ。女は、自分を一番、愛してくれる、男を好きになるものなのよ」
京子は、キッパリと言った。
「そうなのか。それを聞いて安心したよ」
哲也は、ホッと溜め息をついた。
「それと・・・」
と言って哲也は、言いためらった。
「それと、なあに?」
京子は、哲也が、咽喉元に出かかっている言葉を催促した。
「それと、小谷は、君の前では言わなかったけれど。ある時、僕が、小谷に、京子ちゃんのことを、どう想っているか、聞いてみたんだ。そしたら・・・」
と、言って、哲也は、また、黙ってしまった。
「そしたら、小谷君は、何て言ったの?」
京子は、哲也の腕を強く引っ張って、話の続きを催促した。
「そしたら、小谷は、・・・京子は、滑り止めだ。もし、オレが、プロ野球で、スターになったら、京子なんかより、もっと可愛い、絶世の、女子アナ、か、女優と結婚するつもりだ、・・・って言ったんだ。それで、君が、可哀想に思えてしまって・・・」
そう言って、哲也は、言葉を切った。
「そうだったの。そこまで、私のことを、想っていてくれたの。ありがとう。あなた」
そう言って、京子は、哲也の手を、ギュッと握った。
「ごめん。僕は、君との、つながり、を強めたいために、君をキチガイにまでしてしまったんだ」
哲也の言葉は、懺悔する宗教の信者のように、罪悪感だけが占めていた。
「いいの。気にしないで。あなた。だって、あなただって、私と一緒に、世間から、キチガイ扱いされたし、そもそも、最初から、あなたは、私達が、迫害されることを、覚悟していたんじゃない」
そう言って、京子は、哲也にガッシリと、しがみついた。
京子の目からは、涙が溢れ出した。



平成27年10月9日(金)擱筆



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ゴキブリ星人

2015-10-09 02:38:26 | Weblog
「ゴキブリ星人」

という小説を書きました。

ホームページにアップしましたので、よろしかったら、ご覧ください。

(原稿用紙換算64枚)

ブログにも、全文、入るので、ブログにも、入れておきます。

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ワンクリック詐欺

2015-10-08 06:20:04 | Weblog
ネットで、ワンクリック詐欺のホームページにひっかかってしまった。

詐欺師への電話番号があったから、ネットで、調べたら、住所、代表者名、まで、わかった。

そして、それを、消去する方法を教えるサイトがあって、一万円で、それを消去する方法を、教える、と、あった。

こんなのも、ワンクリック詐欺師、と、裏で、つながってるんじゃないかと、思う。可能性はあるだろう。

こんなサイトも、詐欺サイトみたいなものである。

ワンクリック詐欺に、ひっかかったら、パソコンのメーカーの、サポートセンターに、電話すれば、無料で、消去する方法を、教えてくれる。

そして、三分もかからず、パソコンを操作すれば、詐欺師の、しついこ請求画面を消去できる。

その方法。

ワンクリック詐欺に感染した時。

デスクトップの左下の、スタート→すべてのプログラム→アクセサリ→システムツール→システムの復元→他の復元ポイントを表示する→感染した時、以前の、日に設定する。これで終わりである。すると、しつこく出てくる請求画面を出なくできる。そして、パソコンは、復元ポイントの日付けの時の状態にもどる。

まあ、こんな、詐欺は、かわいいもので、いわば、チンピラ詐欺師であって、本当の国家公認の詐欺師は、霞が関の各省庁の官僚どもなんだけどね。

だって、住所、代表者名、まで、わかっている、こんな詐欺ネット商法を、堂々と認めているのは、消費者庁、警察庁なんだからね。

官僚の仕事=午後2時出勤、マンガを読む。午後5時、退社。そのあと、国民の血税で、ノーパンしゃぶしゃぶ店での遊行(今はノーパンしゃぶしゃぶ店、は無くなった)。特殊法人、天下り先の作成。予算の使い切り。のために、海外査察との名目で、何億という金を豪遊で使い切る。

縦割りなのは、当然である。

全ての省庁が、自分の省庁の予算の拡大が目的だからだ。

だから、各省庁は、敵対関係である。から、協力関係でないのは当然である。

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立派な上祐史浩氏

2015-10-07 17:32:32 | 考察文
以前、たかじんの、そこまで言って委員会で、上祐史浩が、17年目の告白、という本を出版した頃、たかじんの、そこまで言って委員会に出たことがあったが、評論家のヤツラは、全員、上祐は、絶対、本音をいっていない、とか、本の印税も、一部、被害者に、渡すだけで、金儲けのためだとか、クソミソに言っていた。あの評論家どもは、感情が、心の全てを支配してしまっている、ので、全員、目が曇っていて、偏見ばかり、である。

上祐史浩は、あの番組の時、「もし、あの当時、麻原に、人を殺せと言われたら、私は、人を殺していたかもしれない」と、まで、聞かれもしないのに、自発的に述べた。

司会者の辛坊治郎は、「これは、大スクープだ」なんて、笑っていた。ふざけている。あいつもバカだ。ここまで、自分にとって、極めて、不利な、世間から、大非難を受けるに決まっていることを、正直に、述べているのに、評論家のヤツラは、「本音など言っていない」の一点張りである。

上祐史浩は、オウムや麻原には、本当に神秘体験というものは、あるので、そういう新興宗教にだまされないで、欲しい、という、自分が体験し、失敗した、経験を社会に、知って欲しい、という純粋で誠実な思いからである。

神秘体験というのは、上祐史浩に言われるまでもなく、あるのである。

というのは、私か一番、尊敬する、心療内科医の、池見酉次郎先生は、催眠療法(催眠術と言われているもの)まで、研究し、科学的に解明し、解説しているからだ。集団催眠も科学的なものであれば、動物に催眠術をかけることも出来るのである。全て、科学的に証明できるものなのだ。

私も、大阪の豊中の、黒川順夫先生(池見酉次郎先生の弟子)のクリニックで、集団で行なわれた、自律訓練法で、幽体離脱の神秘体験を経験した。
こんな、不思議なことが、起こりうるものか、と、びっくりした。(このことは、2008年5月18日に、このブログで書いている)

だから、上祐氏の本の出版の意図は、神秘体験で、だます新興宗教に、だまされないで欲しい、という純粋な思いからである。
また、評論家のバカどもは、「いくら、償いとして、寄付するのか、知らないけど・・・」と、金儲けのための出版と決めつけていたが、上祐氏が寄付するのは、本の印税の全てであった。
上祐氏が、バカな評論家どもの質問に誠実に答えても、バカな評論家どもは、「まだ、お前は、ああ言えば上祐なんだよ」と、怒鳴りつけた。上祐氏は、答えられなくなって、「私は発言してもいいんでしょうか?」と困り果てていた。
要するに、バカな評論家どもが、上祐氏に求めているものは、最初から決まっていて、土下座して、国民と、視聴者に向かって、「私は人間のクズです」と言う発言なのである。
そもそも、サリンが撒かれた時に、上祐が麻原を守ろうとする発言をすると、徹底的に非難し、洗脳が解けて、麻原を、「彼」と呼ぶようになっても、非難した。右と言っても、非難し、左と言っても非難する。要するに、世間の人間が求めているものは、土下座して、世間に向かって、「私は人間のクズです」と言う発言なのである。
しかし、田原総一郎は、バカな評論家どもと、違って、上祐と論理的、知性的に、話し合っている。ここが、バカな評論家どもと、聡明な評論家の違いである。
ちなみに、私は、上祐氏は、サリンの遺族に、賠償金など、払う必要など、全くないと思っている。犯行の当事者でないのだから、当たり前である。そして、払う必要がないのに、サリンの遺族に、賠償金を払っている上祐氏を、すごく立派な人間だと思っている。




「各々が我こそは真理を専有すると主張してやまぬ流儀というものは、他のあらゆる流儀を否定する。このような流儀は、自派に都合のよい解釈をもって、他の流儀の美点を解剖してしまい、曲解した上で自派に取り込む。そして駄目にする」

(ブルース・リー)

このブルース・リーの、辛辣な、批判は、何も武道組織に限らず、人間、全てに言えることである。
自分の嫌いな人や、その人の考え、は、感情的に嫌ってしまうから、それを、本当に、よく理解しようとしないのだ。そして、嫌いなものは、その一部(嫌いな部分)だけを見て、その全てを理解した気になり、「あれは、ああいうものだ」と言って、勝手に、結論づけるのである。
だから、嫌いなものは、絶対に、理解ではなく、偏見にしか、ならないのである。

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丸川珠代

2015-10-07 00:32:15 | 政治
「丸川珠代氏ら8人が初入閣 内閣改造固まる。初入閣が固まったのは、丸川参議院厚生労働委員長・・・」

(テレビ朝日系(ANN) 10月6日(火)22時5分配信)

民主党議員たちよ。

堂々と、丸川珠代に、

「暴力装置である、自民党は・・・」

と、質疑できる。し、そういう口上で、丸川珠代に、質疑しなさい。

政治家って、ホント、人間のクズだね。


今、「売国奴」という言葉が、流行っている。というか、安易に使われている。他人を口汚く罵る時に、使う言葉として、使う人が、一番、気分が良いからだろう。

私は、その正反対で、「売国奴」という言葉が嫌いである。

「売国奴」というのは、意図的に、日本の国益を売りとばして、それで私利私欲を貪っている人間を、さして、言うべき言葉だ。

それが、言葉の定義が、変わってきて、自分の考えに、異を唱える人間を、「売国奴」と、言うようになってきいる。

つまり、安易に、「売国奴」なんて、言うヤツこそ、自己中心な、ワガママな、ファシスト、が多い。

しかし、「売国奴」と言われて、それに対して、言い返すために、「ファシスト」とか、「ワガママ」とか、「独裁者」、と言っても、言葉のパンチが軽いのである。

「売国奴」は、一瞬で、意味がわかる言葉だが、それに対し、「ファシスト」と、言い返しても、相手に、「何のファシスト?」、「どこがファシスト?」と、相手に、そらとぼけさせることが、出来てしまうのだ。

そのうち、小学生までも、単に、自分の嫌いな生徒を、「売国奴」と言って、罵るようになるんじゃないのか?

「売国奴」ではなく、「売魂奴(ばいこんど)」と、言うのが、いいと私は思う。国を売っているのではなく、自分の、魂を、自分の心の悪の誘惑に、売りわたした人間、という意味である。

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サル株式会社

2015-10-06 22:59:37 | 考察文
トレーニング・ルームで、トレッドミルで、走っていたら、前にあるテレビで、サルが、写っていて、サルは、かなりの事を出来ることに、驚いた。

バク転させることも、出来るし、箸を使って、物を食べることも出来る。

その他にも、色々なことが出来る。

なので、サルに、流れ作業の、(簡単な)仕事させることは、出来る。

しかし、そうすると、人間の仕事がなくなって、失業者も増え、GDPも、下がってしまう。

なので、それは、国家的プロジェクトとしては、やらずに、個人が、「サル株式会社」というのを、作って、流れ作業の簡単な仕事を、サルにやらせればいいのだ。

そうすれば、「サル株式会社」では、サルに、(最低)賃金を払う必要も、ないから(バナナ程度でいい)、人件費を極めて低くした、というか、人件費ゼロの、会社が出来る。

中小零細企業では、サル、を、労働力に使うべきだ。

これは、冗談ではない。

昔、自動車や耕運機ができるまでは、牛や馬に農耕をさせたり荷物を運ばせたりしていた。


また。野球は、両チーム、9人、合計、18人、そろわなくても、出来る。

フリスビーでも、わかるように、犬、は、走るのが速い。その上、飛んでる物を、ジャンピング・キャッチ出来る。

なので、レフト、センター、ライト、の外野の守備は、犬に仕込んで、球をとらせ、セカンドまで、咥えて、運ぶように、仕込めば、片チーム、6人、合計、12人で、野球の試合は、(ちょっと、ルールを少し変えれば)ちゃんと、出来る。

まず、盗塁は無しにする。ワイルドピッチによる走塁も無しにする。つまり、ランナーが、出た場合、野球は、生きているが、それを止めるのだ。それと、犠牲フライを無くす。こういうルールにすれば、犬が、外野手になっても、野球は出来る。

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私がブログを書く理由

2015-10-06 22:42:20 | 考察文
私が、ブログを書いている、本当の、一番の理由は。

ブログに、何か書くことによって、小説の、ヒントを、思いつくことがあるからである。

実際、私は、ブログに書いた、何気ないことが、ヒントになって、小説を思いついたことが、結構、ある。のである。

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TPP大筋合意

2015-10-06 22:25:52 | 政治
TPPが大筋合意した。

TPPを気にしていたのは、人間だけでは、決して、ない。

今回の、TPP大筋合意で、牛肉の関税が、39.5%→9%。豚肉。4.3%→0%。となった。

当然、日本の牛と豚は、TPPの、行方を他人事(他牛事)では、なく、心配しつづけてきたのである。

日本の全、牛と、豚は、今日、「モウー」、「ブウー」と、大泣きした。

それは、「やったー。これで、オレは、食べられなくなる。長生きできる」

と、喜んだのである。


そもそも、外交は、虚虚実実の、命がけの真剣勝負なのである。
甘利大臣が、白髪になったので、それは、わかるだろう。
資源を外国に頼っている、日本が、外国から、経済制裁されたら、日本は、滅びてしまう、日本の経済は、動かなくなってしまうのだ。国慶節でも、中国人が日本に観光にたくさん、やって来てくれるから、日本の、観光業、その他、が、動いてくれるのだ。

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