活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

有空(うくう)2

2017年03月31日 | 仏教

私たち衆生は「空」だから、一つひとつのものがそれで

終わっているのです。

 

ですから、次から次へとものを考えても、あるいはものを見ても

心に留まっているとか、眼に留まっているということは、何一つ

ありません。

 

「過去」のものが積み重なっていくということは、何にもありません。

 

これは「空」だからそうなのです。

ですから、思えば思っただけのもの、考えれば考えただけのもので、

全部始末がついているのです。

 

それが、「差別(しゃべつ)のまま、空(平等)である」ということです。

 

「遺教経」にも「波羅提木叉(はらだいもくしゃ)を尊重(そんぢゅう)し、

珍敬(ちんぎょう)すべし  闇(あん)に明(みょう)に遇い、

貧人(びんにん)の宝を得(う)るが如し」と、示されています。

 

もともと執すべき何物もないということを、或る覚者は

「初説有空人盡執(はじめにくうをとくに ひとことごとく しゅうす)」

と、お示しになって居られます。

 

※波羅提木叉については旧稿を参照していただければ幸いです

2015/9/29 波羅提木叉