活かして生きる ~放禅寺の寺便り~

娑婆世界を生きる智慧/おシャカ様・禅・坐禅・法理・道のこと

丸呑みに

2015年04月16日 | 語録
「他人の学説を丸呑みにする」という言葉が在ります。

ある有名な「覚者」は、「つまるところ、道とはどういうことですか」という質問に対して「ただ、あるべきように」と答えました。

それを聞いた修行者が「“ただ、あるべきように” が道の究極だ」と、理解(認める) したならば大変な間違いになります。

何故ならば、「ただ、あるべきように」との言葉は、「覚者(結果に至った人)」の言葉です。

未だ結果に至らない修行者が、そういう言葉を【知って】自分をその言葉に沿わせて修行していたとしたら間違いだということに気付かなければなりません。



もう一例申し上げます。

「別な事をしても、何の利益にもなりません」と覚者が示されました。

それを聞いた修行者が正直に受け取ってしまい「皆が休むから、一緒に休もう」と理解してしまいました。


しかし、示された御方は三年間横にもならず修行をされた御方です。

その御方が、その結果を踏まえて「特別な事をしても何の利益にもなりません」とお示しになったのです。


ですから、「結果」から言えば「特別な事をしても何の利益にもなりません」と言う事になる訳ですけれど、それまでに【成る】には大変な努力をなさって修行されたという事なのです。


こういう事はよく承知しておいていただきたく思います。







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