函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

函館子ども歌舞伎を見た

2007年10月08日 17時33分02秒 | えいこう語る
「子ども歌舞伎って、どうせ学芸会だと思っているんでしょう」と、その事務局をしている知り合いに誘われ、函館の高龍寺というお寺の祭りで演じる、子ども歌舞伎を拝見した。
このお寺の造作は実にみごとで、建立時の寄進の莫大さが偲ばれる。
函館は北前船の寄港地であり、そこで財をなした人たちの浄財によるものらしい。
境内には。屋台も立ち並び大勢の人が集まっている。次の日は、年配の方には懐かしい、大津美子ショーも無料で開催されると言う。まさしく「ここに幸あれ」の大判振る舞いだ。!
演目は、ご存知白波五人男。
「しらざ~言って聞かせやしょー」いょ!名台詞。
何と幼稚園児だ。力強く見得を切り、境内は拍手に包まれる。
次の演目は、「東大寺二月堂」。
小学と中学までの先輩達が、涙を誘う熱演を繰り返す。本物の住職も大勢参加して、涙と笑と拍手が、本堂の前で入りまじった。
今年の夏休みには、新宿コマ劇場でも、3日間の舞台を張ったそうだ。
関係者は言う。先輩達の演ずる姿を見て、ちびっこ達も、どんどん上達していくそうである。
それにつけても経済が厳しくなると、企業からの寄附も少なくなっているそうだ。
函館の街は、何度もの大火に遭遇し、そこから復興してきた街だ。
そのたびに、篤志家達が多額の寄付をし、歴史と文化の街といわれる、函館の素敵な風景を作り上げた。
その中の1人、故相馬鉄平氏の言った言葉が、心に残る。
「私は、函館に来て、函館の街で、財をなさせてもらった。だから恩返しをしなければならない」
函館も小さな企業が多い。その社長さん達が、芸術や文化に、喜んで支援できるような環境を、一日も早く取り戻して欲しい。
「文化を大切にするマチは生き残ると言う」
子ども歌舞伎は、私たち大人にそのことを伝え、叱咤激励しているようにも思えた。