函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

鹿の話しから叱られた

2007年06月21日 13時08分35秒 | えいこう語る
奈良の銘酒「春鹿」の蔵元今西家は、代々、春日大社の神官として、神に供える酒を造っていたが、明治の神仏分離令で、辞職して、今の会社を創ったという。
「春鹿」が春の若鹿だと思っていたが、春日の神々が鹿に乗ってきたと言う伝説から「春日神鹿(かすがしんろく)」と名付けられ後に「春鹿」になったという。・・・背筋を伸ばしていただかなければならない酒だ。
ただ量だけ飲んでいればいいというものでない。物事を良く知らないというのは、酒の美味さにも影響するのだと言うのを知らされた。
この利き酒の会は、単に「日本酒の会」というが、次からの参加は「日本酒学会」に出席すると妻に話そうと思っている?
自衛隊が民間人の行動調査をしていることが露見され、なんともいやな時代がせまっているのかと思っていたら、鹿の駆除に自衛隊を頼みたいと言う、たぶん北海道の自治体だと思うが、報道されて驚いている。
世界遺産に登録された知床に、えぞ鹿が増え、生態系が壊されているとの調査報告会に参加したことがある。観光客にとって、鹿をあちこちこちで見る事が出来るのは、さすが世界遺産だと感動するが、実害も大きすぎる。
駆除するハンターが高齢化して、少なくなっているのも理由の大きな一つである。自衛隊なら無料で駆除してくれ、射撃訓練にもなるからというのは、国から交付税が減額され、財政難に陥る自治体としてのアイデアとしては、なかなかのものだと思いたいが、絶対反対である。
群れなしながら俊敏に山林や野原を駆け抜ける鹿を、襲撃させる技術を身につけさせたら、北海道の部隊が世界最強の特殊部隊に編成されかねない。それを米軍と共同でおこなったらと思うと、自治体の発言も、もう少し慎重であって欲しい。
骨太の改革、三位一体は、単なる交付税を減らす兵糧攻めである。財政の苦しい北海道が、米軍の新しい基地化する恐れは充分にある。きっかけは自然環境を守るための鹿の駆除であったり、洞爺湖サミットであったりする。
財政が窮地陥ると、国からお金を引き出すことに知恵を絞るのが公務員と議員である。夕張の破綻の根本的な原因もそこにある。他の多くの自治体の議員や職員は、すでに「夕張の教訓」を忘れ去っているはずだ。自分の足元さえ揺らがなければいいのである。
次から次へと事件が起きて、「教訓の積み重ね」もなく、ただ忘れ去る今の日本はかなり危ない状態にあると思う。
今一番大切なことは、立ち止まる日本の姿だ。反省する心が必要だと真剣に考えてしまう。
今年もすでに半分が過ぎようとしている。先日妻と話しあったが、今年もとんでもない事件が起きたはずだが、何時のことなのか、どんなのがあったのかも、ほとんど覚えていない。
私たちもボケているが、いまの時代も悪くなっているのではと、時代に怒りを覚えていたら、昨年亡くなった詩人の茨木のり子さんの詩集に、こんな詩があった。

初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった

駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄

自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ

鹿の話しから始まったが、茨木さんに、叱られてしまった。