函館市とどほっけ村

法華宗の日持上人にまつわる伝説のムラ・椴法華。
目の前の太平洋からのメッセージです。

このごろ大阪弁が気に入っている

2007年06月24日 16時04分38秒 | えいこう語る
週1回参加している文科系のサークルに、大阪から2年前に函館に来たと言うSさんが、春から来ている。痩身で身長が高くもの静かだ。
50半ばを過ぎたあたりから、女性の年齢が何歳なのか皆目見当がつかなくなっている。胸をときめかすような清楚な美女が、少なくなってきているも原因の一つだと思うが、単に自分が年をとって、感度が鈍くなったと言うのが正解だ。
Sさんの年齢も見当がつかないが、それは現時点では、まったく問題ではない。新人だけに恥ずかしそうにぼそぼそと話すSさんの、大阪弁がとても心地よいのである。
津軽便が変化した函館弁の中では、中国の胡弓かハープの演奏を聴いている様で、心が和む。でも、いつもほんの数秒で発言を控えてしまう。
講義終了後僕は我慢が出来なくなり「もっと長く話してください。大阪弁が聞きたいのです」と、言ったら、Sさんは俯いてしまった。何の脈絡もない会話をされて、驚いたに違いない。
日頃大阪弁と言うと、やくざのドスの効いた言葉や、こてこてのおばちゃんたちのあつかましい様子が浮かんでくるが、おばちゃんたちにド突かれ、やくざもんに脅迫されて、悲鳴をあげているようなSさんのか細い大阪弁が、大好きである。いつかどこかに、何か大切なものを忘れてきた事を思いにさせるような、優しさと哀愁が漂う。
韓国出身で歌手のケイ・ウンスクを始めてテレビで見た時の衝撃を思い出した。
デビュー当時すでに若くはなかったが、ハスキーボイスと大阪弁があまりにも溶け合って、僕の魂がしびれた。「・・・だまされた私があほやネン」たしか『大阪暮色』という曲であった。すぐレコード店に駆け込んだ。
初めて聴いた曲をすぐに購入するなんて、人生に何度もない事である。
そんなわけで、Sさんの大阪弁とケイ・ウンスクさんの歌につながっているものを、僕は勝手に嗅ぎ分けてしまった。さらにもっと勝ってな想像だけど、サークルでの飲み会で、Sさんに『大阪暮色』をリクエストしたいと思っている。でもSさんはカラオケなんか絶対歌う人ではないようだ。しかし、この曲は大阪人なら誰もが知ってると思うから、しつこくしないようにしつこく迫って、なんとか歌わせてみたいと考えている。「・・・だまされた私があほやネン」なんてSさんのはにかんで消え入るような声を聴いたらと、考えただけで嬉しくなる。
妄想が過ぎてはいけないが、講義が午後9時頃終わって、家まで帰るのに車で1時間もかかり、時々ずる休みもしたくなる。思いがかなわないまでも、妄想を膨らませ続けるのも、サークル活動を続けていく一の方法だと思っている。
人生は妄想の連続だ。人類は大きな妄想を抱いて、今日まで希望をもって生存して来た。・・・それを『古代妄想』という?!
こんなブログ妻に見られたら「♪やっぱりあんたわ♪あほやネン」と鼻歌にされそうだ。