カメラといっしょ★

地元福岡~イタリア留学からワーキングビザ取得しての海外生活を写真で綴るつれづれ日記

雨明香港

2010-06-26 23:12:06 | └・海外旅行
徹夜で荷物をまとめ、ようやくで
まだ夜の明けきらない早朝のフィレンツェを発ち
電車に乗ってローマに向かった。

ここ数日、とにかく忙しくてほとんど寝ていない。
眠たいはずなのに、目を閉じる事なく
車窓を流れるイタリアの町の景色を目で追い続けている。
オレンジ色の朝日を浴び、全てが輝き始めた。
美しいその光をただぼんやりと眺めている。
住み慣れた日本に帰る安堵感はなく
どっぷり疲れた体は、まだ旅の途中にあるようにこわばっている。
そうだ、帰る場所なんかないんだ
まだどこにもたどり着かない私はずっと旅の途中。

ローマから飛行機に乗る。
空港までのチケットを買おうと券売機に向かったら
次々と券売機が「販売中止」になっていく。
???
なんとなく嫌な予感がして構内アナウンスに聞き耳をたてたら
10時からストライキにはいるって!?
マジ!?やってくれるな、イタリア国鉄。
いや、空港線はやってるかもしれない、
祈るような気持ちで有人の発券所へ。
よかった、空港線はちゃんと走るらしい
おじさんが手書きのチケットを切ってくれた。
ふぅぅぅ~。

思えば10ヶ月前、イタリア語も何も知らない私が
この巨大なローマにたどり着いて
よく無事にフィレンツェまですんなり行けたもんだ。
その時は天使が守ってくれたのかも~なんてのんきに思っていたが
今、その復路をたどってみて
やっぱりそれは奇跡だったんじゃないかと思えた。

どうにかこうにか空港に着き、無事飛行機に乗り込んだ。
  
長い飛行機の旅、他人に挟まれた狭い席で休もうとすると
上手く眠れずに逆に疲れてしまうので、寝ないと決め込み、
ビデオ鑑賞と運ばれてくるご飯を楽しみに過ごすことにしている。
今回のご飯は白飯に野菜炒め。
リゾットではない炊いた白飯があるだけで
パスタに飽きた私にはそれだけでうっま~って感じられる。
気圧の低い上空でお酒の周り具合もちょうど良く
ちょっといい気分でビデオの続きを見る。

映画を3本、アメリカのテレビドラマを4話見終わった所で
ようやく経由地の香港に到着。
ここで6時間の待ち時間があるのをいい事に
香港島まで行ってみた。

傘をさす事なんて不可能なんじゃないかと思える程の大雨。
雨明りに街は白く浮かび上がっている。

傘を持たない私は、ショッピングモールを見て回る事に。
といってもまだ早朝、お店はほとんど閉まっている。
と、マクドナルドを発見。
さすが世界のマクドナルド、ここぞと言う所に開いてるね~。
さっき機内で朝食を食べた事も忘れて
「世界のマック食べ歩き」をして遊ぶ事に。

じゃーん!
これ、香港の朝マック「ベジタブルスープ麺」
麺はショートパスタみたいなのが軽く入っている。
ベジタブルってったって冷凍野菜ミックスだけど
でも、味もファーストフードの印象ほど濃すぎず、
さっぱり塩味でどことなくヘルシーな気がする。

そのままマックで外に降る白い雨をうつろに眺めていた。
この街にどれだけたくさんの人の人生があるんだろう。
それは巨大な渦となって立ち上がり
こんな立派なビルを建ててしまった。
そびえ立つ摩天楼を前にすると
たくさんの人の人生も私の人生も
米粒みたいに小さく思える。

ちらほらとお店が開き始めたので
ショッピングモールを見て回った。
館内はとても広くきれいで過ごしやすい。
入っているお店も日本のものとかわらず
世界中で人気のショップが並んでいる。
ずっと古い石の街フィレンツェに閉ざされていたから
なんだかとっても新鮮。
経由地だし買い物なんてする気なかったけど
つい、セールになってたワンピースを買ってしまった。
イタリアで「必要な物を必要な分だけ」の
シンプルライフを身につけたと思ったのに
物欲社会に戻れば、元の木阿弥。

長時間のフライトで一体自分が何ご飯を何回食べたか分からなくなって
お腹が空いたかどうかもよく分からないが
せっかく香港に来たからには食べなきゃ損な気がして
小龍包を食べてから空港に戻る事に。
 
小龍包と思ったけど、担々麺も食べたくなった。
確か前回香港に寄った時、担々麺のスープがすっごく胡麻味濃厚でおいしかった。
欲張って両方注文。

担々麺は、前に食べたとろりと濃厚胡麻味ではなく
どちらかというと香ばしい胡麻味。
ピリ辛加減とおいしい麺が食を進める。

小龍包はスープたっぷり。
具のミンチ具合がちょっと大きめごろりとし
豚肉脂のほんのりとした甘みを感じる。
お肉が苦手な私にはちょっと厳しかったけど
でも、日本では味わえない力強さがあってよいかも。

香港をお腹に納めて、また空港へと戻った。

思えば10キロ超はあろうかというバックパックを担いで
よく香港も観光しようなんて思ったものだ。
踊る赤い靴を履いた少女が踊り続けたように
私の体は旅を続ける。

疲れはてた体をぐったりとシートに納めて
飛行機は一路福岡へと向かったのでした。

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