雪のフィレンツェ

昨夜からちらほらと舞いはじめた雪は
今朝、街を白銀の世界にかえていた。

もし雪が積もったら早起きして写真を撮りに行くという私に同居人は
すべって転んでもう片方の手も骨折したら危ないから止めろと言った。
そりゃごもっとも、少しの雨でも石畳のこの街は滑って危険なのに
雪で出歩くなんてとんでもない。
でもね、たとえもう片方の腕を折ったって
この悠久の街の雪景色を撮りたいのが写真家魂。
必然で早朝に目覚め窓の外を見れば
ぼんやりと白く明るい夢の続きのような世界。
同居人に気付かれないようにそっと支度をして
コンパクトカメラを手に出かけた。



フィレンツェでこんなに雪が積もるのは何年ぶりという珍しさらしく
街の人達もちらほらとカメラを持って写真を撮りに出て来ていた。

　
　



静かに凍りつく土曜日の朝
悠久の街は白妙の衣をまとい更に美しく輝いているのでした。