夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

採点作業中…

2015-03-12 22:09:58 | 日記
一昨日、学年末考査が終わったばかりだが、昨日から春季補習が始まり、その授業の準備に追われてなかなか採点が進まない。
補習期間は、学期中とは異なり、毎日同じクラスに教えに行く必要があるため、授業の予習や教材の作成も毎日しなければならず(しかも2種類)、むしろ学期中より忙しいくらいなのだ。
年度末業務もあるし、採点すべき答案は山になっているしで、悲鳴を上げたい(が、もちろんしない)。

ただ、採点していると、生徒が思いがけずよい解答をしていたり、授業をしてよかったと思うような感想が書いてあったりで、楽しいこともないわけではない。

感想は、今学期に行った近代俳句の作者や作品についてのものが多かったが、中でも、加藤楸邨の「鰯雲人に告ぐべきことならず」の句について書かれた次のものが、私にはとても印象深かった。

言葉にできない微妙な感情があり、それを言葉にするのは難しいということが伝わってきて、いいと思いました。
人には伝えられない思いは誰しもが持っているはずなので、「人に告ぐべきことならず」という気持ちがわからない人はいないと思います。ただ、私がすごいと思ったのは、無駄な言葉は使わず、簡潔な言葉で思いが伝わってきて、なおかつ情景も浮かぶところです。人に伝わらない思いを直接表現するわけではなく、心に浮かぶ風景から感情が伝わるのがすごいと思いました。

明日も補習と採点、明後日は模試実施で、なかなか気の抜けない日々が続くが、こういう答案があると心が和む。