夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

時雨空

2015-11-14 17:26:23 | 短歌
時雨は晩秋初冬の景物だというが、確かに一昨日の立冬を挟んで、先週から今週にかけ、冷たい雨が降ったりやんだりである。
このところ急に寒くなり、空を暗くして降る雨に、気分が滅入りそうになるが、「時雨」という言葉を思い出すと、その響きになぜか、この時期にしか与えられない素敵なもののような気がしてしまう。


今日の午前中は、来年度からの文化講座についての打ち合わせのため、市内に出ており、その後買い物を済ませて職場に戻って来る途中で、久しぶりに弓ヶ浜に寄ってみた。
秋の頃とは違って、やはり波が高く荒くなったように感じられる。

  時雨する弓ヶ浜より荒れ初めし波路に遠く美保の関見ゆ


空は曇っているが、今日は空気が澄んでいるからか、視界が遠くまで開け、大山の山肌まではっきりと見えた。

  初冬の空かきくれて雲おほふ大山の峰に時雨降るらし