夢かよふ

古典文学大好きな国語教師が、日々の悪戦苦闘ぶりと雑感を紹介しています。

ここで一句

2015-11-02 18:43:05 | 日記
先日、校外研修で石見銀山に行ったとき、副引率していたクラスの学生たちから、
「先生、短歌詠んで。」
と言われていたので、後日の授業で、

  色気より食ひ気のまさる乙女らが団子食べ食べ銀山路を行く

という歌を披露したら、笑いと共に拍手が起こった。

それ以来、学生たちが、何かあるとすぐ歌を詠めと言ってくる。しかし、私にとって短歌は辛苦して詠むものであり、すぐに出てくるものではないので、断るか、咄嗟に思い浮かんだ言葉を川柳の形にしてその場を切り抜けることにしている。

一昨日、学園祭で、校内で行われているクラスや部活動の企画を見て回った。
普段授業に行っているクラスのうち、教室で焼きドーナツを作っているところがあった。
白を基調とした内装は、彼らが何日もかかって製作したものである。


彼らの努力を称えながら、注文したドーナツが出来上がるのを待っていると、Yさんが来た。
私に気づき、嬉しそうに近づいてくる彼女に、思わず身構えてしまったのを、他の学生に見とがめられ、実はかくかくしかじかと説明したところ、
「ここで一句!」
と言われ、ただ思いつくままに、

  笑いつつ間合いを詰める○○○(Yさんの本名)さん

と答えると、
「なるほど、それは怖い。」
「怖ーい。」
と彼らが笑っていた。