LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

ご挨拶

2007-12-31 | ABOUT MY BLOG
2007年も終わりを告げようとしています。
本当にあっという間の1年でしたが、
このブログを始めてから3回目の年末を迎えることとなりました。

今年もドロンさんのエネルギッシュな活躍ぶりに
私たちファンにとっては素晴らしい1年になりました。
年明け早々から始まった『マディソン郡の橋』の舞台公演、
カンヌ映画祭授賞式プレゼンターとしての華やかな登場、
秋には『SMAPXSMAP』出演のための電撃的な来日とその見事な番組内容、
そして年末には『刑事フランク・リーヴァ』の日本初放映と、
正にデビュー50周年にふさわしい1年であったと思います。

私のブログの方も記事数はかなり減りましたが、
ドロンさんのご活躍を追いかけるようにあわただしい展開の話題の連続で、
内容的には今まで以上に充実したものになったような実感があります。
2月に1カ月がかりで書き上げたドロンさんご本人との遭遇記録などは
手前味噌ですが私自身何回も読み返しては感動を呼び起こさせられたりしています。

それ以外の記事もできるだけ画像掲載だけで“逃げる”ことは少なめにして、
あくまでも「言葉」でもってドロンさんのエッセンスを表現しようと試みたつもりです。
そのための資料の購入から準備に至るまでの作業は大変面白く、
手元には(まだアップできていないのも含めて)
たくさんのブログ掲載用の翻訳原稿や膨大なチャプター画像があるのですが、
何分フランス語をひとつひとつ翻訳していくとなると私の語学力では
時間と労力が必要以上にかかってしまうという悲しい現実もあります。

このようなマイペースのブログ運営にもかかわらず
おかげさまで毎日訪問くださる方々も平均200名余りになりました。
いつもご覧下さっている皆様、誠にありがとうございます。
さらに10月に開催した『アラン・ドロン・ファンの集い2007』
にお越しいただいた皆様にもこの場を借りて御礼申し上げます。

また開設当初よりリンクを貼ってくださっているはるまき様、Tomo様には、
お二人のサイトからリンクを辿って訪問くださる方が
今もって一番多いこともここでお伝えしておかなければいけません。
このブログが存続できていることは、
ひとえにお二人のおかげであるということを今も身にしみて感じている次第です。

というわけで来年も今年以上に中身の濃いブログを展開してまいりたいと思っておりますので
皆様どうぞよろしくお願い申し上げます。

来年も皆様にとって、そしてドロンさんにとって
素晴らしい1年になることを祈念しまして
年末のご挨拶とさせていただきます。

ありがとうございました。
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『PAROLE DE FLIC』(2)

2007-12-30 | THE SOUNDTRACKS
『PAROLE DE FLIC』の記事でご紹介したエンド・タイトル曲
"I DON'T KNOW"が収録されているフィリス・ネルソンのベスト・アルバム
"I LIKE YOU"をご紹介します。

このアルバムに収録されている"I DON'T KNOW"は前半部分が一部カットされた
ショート・バージョンになっています。

1999年に発売されたこのアルバムには、同じく『復讐のビッグ・ガン』から
主人公が復讐に乗り込むディスコの中で流れている曲
"MOVE CLOSER"も収録されています。
このミディアム・スロー・ナンバーはいかにも80年代というアレンジですが、
メロディはとても美しいなかなかの名曲です。
パティ・ラベルのようにも聞こえるフィリス・ネルソンの歌声も魅力的です。

この映画では他にも(オリジナルか既成かは不明ですが)
異なるジャンルからの音楽が多数使用されており、
エンド・クレジットに書かれたそれらの曲を以下に記します。

①ABELE DANCE   Manu Dibango
②BIEN DANS LA VILLE  G.P.S.
③SHINE ON DANCE  Carrara
Carrara - Shine On Dance(Live Festivalbar 1984) @1st YouTube Video
④LET THE NIGHT TAKE THE BLAME  Lartaine Mac Kane
⑤TRISTAN et ISEULT  Richard Wagner
⑥UNA VITA SENZA LACRIME  Nino de Angelo

⑤は主人公がカー・チェイスの末に川に車ごと飛び込むシーンに
バックに流れていたクラシック曲ですが、
ちょっと気取りすぎの演出のように感じました。
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D'URBAN (21)

2007-12-24 | CM FILMS
このカテゴリーの更新は、気がついてみるとちょうど昨年の今日が最後となっていました。
その昨年のと同じフィルムからのスティール写真です。

ドロンさんも子供たちと一緒にどこかでクリスマスを過ごされているかもしれないですね。
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FROM MY NEW SCRAP BOOK (45)

2007-12-24 | THE BRILLIANT PHOTOS
インタビューの中でドロンさんの口から出た「1回目のセザール」、
『真夜中のミラージュ』のスティール写真です。

アシェット・コレクションズより。
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Delon dans Asterix

2007-12-23 | INTERVIEW
ドロンさんの最新インタビューが以下のサイトに掲載されています。 
      ↓
http://www.tvmag.com/jsp/magazine/article.jspx?arId=35040

今回はそのさわりの部分だけご紹介します。

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Q:今回は2回目のセザール(シーザー)ですね?

AD:そうだよ。1回目は1985年ベルトラン・ブリエ監督の
『真夜中のミラージュ』で(セザール賞を受賞した)。
だから今回は2度目のセザール役だよ(笑)。

Q:「今や死なんとする老紳士」(=恐らく以前ドロンさんが語った言葉なのだと思います。)
である「映画」にまたあなたが出演したのは何故ですか?

AD:脚本を読ませてもらってセザールの役が面白いと思っただけなんだ。
人々が知らない私自身の性格がこの役には含まれていたし、
もし私がこれを演じるとなったら皆信じられないと言うだろう思ったんだ。
だからこの役を引き受けることにしたんだ。
予告編の映像は本当に素晴らしい。
観客は腹を抱えて笑い転げるか、あるいは罵りの口笛を吹くかどっちかだろうが、
いずれにしても映画史に残る作品になると私は思っているよ。
私自身のキャリアを総括したときこの作品の存在自体について
人々は取るに足らないものと思うだろうし。(←この訳文自信ないです。)

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FROM MY NEW SCRAP BOOK (44)

2007-12-23 | THE BRILLIANT PHOTOS
『太陽が知っている』のスティール写真です。
アシェット・コレクションズより。
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FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (6)

2007-12-21 | THE 00'S CINEMA
計6回に亘って放映されたこのドラマもとうとう最終回となりました。
この第6話はドロンさんの過去の出演映画を想起させるシーンが満載で、
シリーズ最終作にふさわしい正にドロンさんのためのエピソードとなりました。

宿敵マキシムがパリを去ったことでリーヴァ警視はバハマに帰る決意をし、
恋人のリディ署長に「一緒に島に帰ろう。」と誘いますが、
この辺は『復讐のビッグ・ガン』で主人公と恋人の女性刑事が
唐突に島に帰っているシーンが出てくるのに比べると丁寧な描写になっています。

部下の刑事たちに連れられて無実の罪を着せられて警察に出頭するシーンでは、
出迎えたリディに対して一瞬目線を合わせた後すぐにうつむいて目の前を去りますが、
これなどは『暗黒街のふたり』の中で、殺人を犯した主人公ジーノが、
保護司のジャン・ギャバンに警察内部で面会するシーンを思い起こさせます。

その後警察署内で長官や監察官たちから尋問を受けるシーンも
同じく『暗黒街のふたり』や『ブーメランのように』での
主人公が警察内で執拗に尋問を受けるシーンを思い起こさせます。

そして監察官らに連行される途中で銃を手渡されて脱走を試みる場面で
足でドアを閉めながら車に乗り込み、銃で刑事たちを威嚇するドロンさんの演技は、
『ル・ジタン』の主人公が復活したかのようでした。

脱出に成功したリーヴァは『サムライ』の主人公よろしく地下鉄でもって逃亡を開始します。

行き着いた先はいつものレストランのベルモンドに似た主人。
彼は全く躊躇せずリーヴァに隠れ家といくらかのお金、そして携帯電話を提供します。
これは『仁義』でドロンさんが逃亡犯のジャン・マリア・ボロンテを助け隠れ家を提供するという、
他人の痛みが分かる犯罪者同士の心のふれあいを再現しているように感じます。

その後真犯人を探すためにリーヴァ刑事が協力を依頼しに出向いた先は、
かつて自分が密告したために逮捕された経歴を持つ男が経営するビリヤード場。
このビリヤード場という場面設定も『仁義』の印象深いシーンを思い出させますし、
何よりもリーヴァを出迎えるこの主人がどこかチャールズ・ブロンスンに似ていて、
自分の拳銃をリーヴァに提供する場面などは『さらば友よ』を連想させます。

そしてラスト・シーンでの真犯人との正面からの一対一の対決場面は
『ジェフ』、『リスボン特急』、そして『チェイサー』などで目にしてきました。

思いつくままに私が過去のドロンさんの作品とダブっているように感じた場面を書きましたが、
どこまで製作者たちがこれらを意識していたかは定かではありません。
ですのであくまで私の主観的なものに過ぎないのですが、
こんな形でこの作品を楽しむことができたのは、
やはりドロンさんのこれまでのキャリアがあってのことであり、
他の俳優では成立し得ないものなのだと改めて感じ入った作品でした。
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FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (5)

2007-12-16 | THE 00'S CINEMA
『アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ』放映もいよいよ第5話まで終わりました。
あと残すところは最終回のみとなってしまいましたが、
今回の第5話は非常に完成度の高いドラマであったと思います。

この第2シリーズは主人公のリーヴァ一人ではなく
彼の周りの登場人物の描写にもそれぞれ時間を割いているせいで、
物語の焦点が絞りにくくなっているのが欠点と前回書きましたが、
この第5話ではそういうことはなく、各俳優それぞれの熱演のせいもあって、
あっという間に時間が過ぎてしまいました。

登場人物一人ひとりの行動が決して場当たり的ではなく、
いわゆる偶然の出会いで物語が進行することは皆無で、
必然の行動結果の積み重ねでドラマを盛り上げていく脚本のうまさが光ります。

また「ニーナの子供を守る」という一つの目標を共有することによって
刑事仲間の中で新たな連帯感が生まれてきていることが
観ている者にとって大変心地よいものになってきました。

さらにリーヴァは彼らの中で理想的なリーダー像となっており、
人間的にも尊敬されている事が現実のドロンさんとダブって見えてきます。
今回は受身の演技が多いドロンさん扮するリーヴァの表情も
劇中でミレイユ・ダルク演じるカトリーヌから指摘されたように
とてもいい顔つきになっています。

脇役の俳優陣の中ではエズペランザ刑事を演じる
エリック・デュフォッセの演技には眼を見張るものがあります。
ドロンさん関連の作品では『ハーフ・ア・チャンス』『刑事物語』に続く出演ですが、
今回の南米からやってきた刑事の役はやや年齢も高めに設定されているようで
声色も完全に変えての熱演は非常に魅力的であり、
この第2シリーズでは彼の存在抜きには考えられません。

ニーナの生んだ子供の名前が「アントワーヌ」というのは
ドロンさんの現実の世界を彷彿とさせるものですが、
さらにキャフェの傍らで泣く赤ん坊を抱きかかえる見ず知らずの母親の姿を見たミレイユさんが
「昔のことを思い出すわね・・」とドロンさんに語りかけるシーンは
往年のファンには感慨深いものとなりました。

いよいよ来週は最終回です。
次回はドロンさんのフィルム・ノワール時代を思い出させるシーンが満載で、
久々のガン・プレイも見られます。
どうぞお楽しみに。
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FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (4)

2007-12-07 | THE 00'S CINEMA
昨日放映された『アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ』第4話ですが、
もともとフランス本国では前回の第3話までが第1シリーズとして2003年に放映され、
この第4話から6話までは第2シリーズとして翌年の2004年に放映されました。

当初このドラマは12話までの制作が予定されていたようですが、
残念ながら第2シリーズの視聴率低下により打ち切りとなりました。
従いまして第6話のラストはドラマチックではありますが、
まだ次回に続いていくようなあっさりとしたエンディングとなっています。

今回の第4話を観終わって感じたことは
第1シリーズとのいろいろな面での相違点でした。
前回までの主人公フランク・リーヴァは、その過去が謎に包まれた人物として画面に登場し、
その秘密が一つずつ明らかになっていく過程を丁寧に描くことで
一種のミステリーの謎解きの要素が強かったドラマでした。

今回からはその謎が明らかになった後の出来事を描いていくことになるため
前回までのドラマとは基本的に組み立て方が違ってくるのは仕方の無いところです。

ドロンさん演じる主人公ですが、
彼のミステリアスな雰囲気は今回も継承されてはいるものの、
娘と孫をマフィアから「守る」立場になったことは大きな違いです。
それゆえ敵のマフィアやその一味に向けるフランク・リーヴァの視線も
より険しくかつ敵意を抱いたものになっています。
この辺りの演技の使い分けですが、先日スマスマで仰っていたように
正に「役を生きる」ドロンさんの真骨頂であるといえます。

その他のキャストは前回と全く同じメンバーが再集結しており、
それぞれがいいお芝居を魅せてくれています。
主要なメンバーの他にも印象に残るのは、いつもリーヴァが出入りするカフェの主人です。
この俳優さんは誰なのか知りませんが、ベルモンドによく似ていて
二人のやり取りを観ているのが楽しくなります。
その他にも犯人の情報を得るために無理やり押しかけるカフェで
第1シリーズのときのようにコーヒーをテーブルにわざとこぼすかどうかの
ドロンさんとセドリック・シュバルムの演技もユーモアに溢れたものになっています。

ただドロンさんがほとんど出ずっぱりだった第1シリーズに比べると
それぞれの登場人物にも独自の見せ場を与えているため、
ドラマの焦点がぶれている結果にもなっているようにも思えます。
妻に離婚を言い渡されて泣きながら同僚の女刑事のアパートに泊まる
若手刑事のエピソードなどはどうも首を傾げてしまいます。

ドロンさんの演技はそんななかでもやはりスターの存在感で見せきりますが
特に先にも述べた演技を超えた「眼」の力は、他の俳優たちとは比べようも無いものです。
この第4話も改めてドロンさんの素晴らしい演技に堪能させられたドラマでした。
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Borsalino

2007-12-04 | INTERVIEW
本日フランスで『ボルサリーノ』が15年ぶりにテレビ放映されるようです。
下のサイトにドロンさんのインタビューと予告編が観れます。
なんとクロード・ボランの音楽付きです。

http://www.tvmag.com/article/Film/34746/Alain_Delon_TF1_n_a_pas_ete_tres_fairplay.html

まだくわしく読めていませんが、ドロンさんの言によれば
「ジャック・ドレー監督の遺産相続の問題で永らくDVD化されていなかった」
と仰っているようです。

この問題がクリアーしたから放映されるのであれば
DVD化も近いのではないでしょうか。

<追記>
以下に今回のドロンさんのインタビューの翻訳をしてみました。
ちょっと自信の無い部分もあるのですが、恥を忍んで記載します。

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アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドが
初めて一枚のポスターに一緒に写ったこの映画は15年以上も放映されることはなかった。
フランス3チャンネルは今夜この「過ち」を修復する。
このことはドロンを最高に満足させることになるであろう。

Q;この出来事にリスクがあるとすればTF1が対抗番組として
「ハーフ・ア・チャンス」を同時間帯に放映することで、
そのことにあなたは怒っていますね。

ドロンさん(以下AD);運がよくなかったということだろう。市場の法則なのさ。
そのことは理解はするけれども、TF1の行為はやはりフェアー・プレイの精神に反するんじゃないか。
故ジャック・ドレー監督作のこの映画が放映されるのはひとつのイベントなんだから
これに対してしっぺ返しをする行為というのはあまりいい感じではないよ。

Q;この映画の放映権を獲得するのはたやすいものではなかったです。
監督の未亡人であるアニエス・ヴァンサン・ドレーが権利関係を打破するのに戦ってくれました。

AD;正当な権利所有者(相続人たち)によって永年ブロックされてきたのさ。
こういう放映禁止の状態と言うのは非常に愚かなことだよ。
結局誰も得るものがないんだから。
このせいでこの作品は未だにDVDも出ていないんだよ!
私はボルサリーノ1と2のボックスセットが発売されればいいなと思っているよ。

Q;あなたはプロデューサーとしてこの映画に多額の出資をしていますね。

AD;『ボルサリーノ』は私のプロデューサーとしての元帥杖(勲章)だ。
なぜなら1964年に『さすらいの狼』でプロデューサーとしてのキャリアをスタートしてから
1969年のこの『ボルサリーノ』での成功は決定的なものになった。
この作品以来40年間ベルモンドと私は成功の道を歩んできたのさ。
『ボルサリーノ』で二人は初めて出会い、未だに誰もこの水準には達してはいないと思う。
この作品は1930年代を丁寧に再現して見せた大規模な予算での規格外のフィルムだ。

Q;フランス3チャンネルに高い視聴率を期待しますか?

AD;はっきりと言っておきたいのは、このフィルムは50歳から70歳の人々にとっては
伝説の映画であり、彼らから崇拝されているということだ。
ただ若い人たちにとってドロンとベルモンドというのがどれだけのものかは私にはわからない。

Q;もしあなたの名前がもはや意味の無いものなら来年1月30日に公開される
映画«Astérix aux Jeux Olympiques»のポスターに
ジュリアス・シーザー役のあなたの顔が載るでしょうか?

AD;それはそうだな。
だが確かなことは『ボルサリーノ』の今夜の放映は、
少なくとも40歳以上の人たちにとっては大きな喜びとなるはずさ。

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以下にこの作品に関する記事をリンクいたします。

BORSALINO ボルサリーノ (1)
BORSALINO ボルサリーノ (2)
BORSALINO ボルサリーノ (3)
BORSALINO ボルサリーノ (4)
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FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (3)-4

2007-12-01 | THE 00'S CINEMA
先日放映された第3話については以前に以下の記事を書いてきましたが、

FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (3)-1
FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (3)-2
FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (3)-3

今回日本語訳を初めて観て理解できた後の今の感想を書き連ねていきます。

まずは3話通して一番感じるのは『復讐のビッグ・ガン』との関連性でした。
そこで改めて85年のこの作品を見返してみると
初見当時は感じなかった『復讐~』のシナリオの粗雑さが浮き彫りになってきます。
確かにいくつかのシーンはよくできていますし、
ラストのドロンさんとジャック・ペランとのやりとりは
大変いいムードがかもし出されてはいます。
しかし全体的には暴力的でやや下品な空気が流れており、
今回の『フランク・リーヴァ』の上質さとは比べ物になりません。

恐らく両作品の執筆者であるフィリップ・セボンPhilippe Setbonは『復讐~』のシナリオの弱点を強く認識しており、
今回新たな物語においてそのエッセンスを再構築しようとしたのではないかと個人的には感じました。
ご本人のインタビューの中では具体的に言及されてはいませんが、
例え無意識でもそのような心理が働いたとしても不思議ではありません。
約20年経って人生経験も重ねた脚本家が同じ主演スターをイメージして
よりドラマ性に膨らみを持たせたシナリオを執筆する作業と言うのは
恐らく非常に充実した仕事になったのではないかと推察します。

公式サイトの彼のインタビューに印象深い言葉があります。
Frank Riva - Le site de la serie : photos, videos, personnages, acteurs et episodes France 2
“アラン・ドロンというスターを主演にしたシナリオを書くとき
彼の過去を無視するようなことをしてはいけない。
そんなことをしてしまうと、ドロンの過去の映画を観て抱いている
観客のイメージや感情を奪い取ってしまうことになってしまうからだ。”
『フランク・リーヴァ』は正に彼のこの信念に基づいて執筆された
(『シネマ』に匹敵するような)オリジナル長編物語の力作であると言えます。


第1シリーズのキー・パーソンであるグザヴィエ警視の妻役の
ニコール・カルファンの公式サイトでのインタビューを最後にお届けします。

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“アラン・ドロンは私にとって映画界でのゴッド・ファーザーと言ってもいい人です。
1969年、私は『ボルサリーノ』のカメラ・テストに合格しました。
私の目の前にいたのはジャック・ドレー監督、ジャン・ポール・ベルモンド、
そしてアラン・ドロンでした。
皆様そのときの私の気持ちがどんなだったか想像できますか?
彼らは私にチャンスを与えてくれたのです。
次の年、私はジャン・ポールと一緒にヴェルヌイユ監督の『華麗なる大泥棒』LE CASSEに出演しました。
そして1977年に今度はジャック・ドレー監督とドロンとともに『友よ静かに死ね』に出演しました。
これは素晴らしい作品でした。

その後アランと私は一緒に仕事する機会はなかったのですが
私が舞台に出演したとき彼はよく観に来てくださいました。
彼は私にとってとても信頼できる友人です。

『フランク・リーヴァ』出演については、彼が私にこう言ってくれたのです。
“もっと主要な役柄を君にオファーできたらよかったんだけれども、
それでも君がこの役を演じてくれたら僕は嬉しいんだ。”
私は全く躊躇しませんでした。
監督のPatrick Jamainとは以前にテレビ・シリーズの
"Navarro" (1989) で一緒に仕事をしていますし、
共演のジャック・ペランも私の尊敬する俳優でしたから。

アランと一緒にお芝居をするといつも感銘を受けます。
なぜなら彼は役の上での人間関係がどんなものであろうと
深みを持たせてくれますし、さらに感動を与えてくれるのです。
なぜなら役を離れた私たち自身が深く信頼しあっていますので
心からの言葉を発することができるからなのです。

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なおこの作品のサントラについてはこちらをご覧下さい。
『FRANK RIVA』
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