LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

AVEC ROMY (2)

2007-05-29 | AVEC ROMY
今日は故ロミー・シュナイダーさんの25回目の命日でした。

昨日のカンヌ映画祭の授賞式。
世界中のテレビカメラが見守る中、
ドロンさんは彼女に25秒間の喝采を捧げました。
会場全体を見渡しながら、
ロミーさんに「聞こえているかい?」
と問いかけるように無言で天井を見上げるドロンさん。
終わった後もさりげなく天井に向かって顔を上げて
ロミーさんの愛称を呼びかけていたドロンさん。
何度見ても感動させられます。

「二度とカンヌのレッド・カーペットの上を歩かない。」
と頑なに拒絶していたにもかかわらず
ドロンさんが今年のカンヌ映画祭に出席したのは
このロミーさんへのオマージュを捧げることが
真の目的だったのではないかと私は今感じています。

昨日コメントくださったtakagi様のブログにドロンさんの
インタビュー記事の翻訳文がアップされました。
皆様どうぞご覧下さい。
    ↓
Virginie Ledoyen et le cinema francais - ドロンが語る「マディソン郡の橋」
Virginie Ledoyen et le cinema francais - ドロンが語る「マディソン郡の橋」その2
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CANNES 2007 (3)

2007-05-28 | THE INFORMATIONS
昨夜にテレビ中継されていましたが、
昨日カンヌ映画祭の授賞式のプレゼンターとして
ドロンさんが登場されました。

主演女優賞のプレゼンターとして壇上に現れたドロンさんは
スピーチの冒頭、ホール内の列席者全員に対し、
25年前に亡くなったロミー・シュナイダーに捧げて
25秒間の拍手を依頼し、会場全体が拍手に包まれました。

会場前のレッド・カーペットでは娘のアヌーシュカ様とともに
終始ご満悦のドロンさんの姿も観られます。
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L'OURS EN PELUCHE (2)

2007-05-27 | THE 90'S CINEMA
昨日以下のサイトをブックマークに追加しました。
フランス映画全般についての幅広い情報が楽しめるブログです。
Virginie Ledoyen et le cinema francais

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アシェット・コレクションズDVDのライナー・ノーツには
この作品の舞台裏がジャック・ドレー監督の手記を下に綴られています。
今回と次回はその中からの抜粋を意訳も含みますがご紹介します。

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ジョルジュ・シムノン原作の『テディ・ベア』は1960年に発刊された。
そして1982年に一度テレビ・ドラマ化されている。
ジャック・ドレー監督は当初このプロジェクトに参加していなかったが、
アラン・ドロンが急遽彼を呼び寄せた。

ドレー「もともとこの企画はアラン・ドロンの発案であり、
彼がフランスの製作者アラン・サルドに話を持ちかけ、
さらにイタリアのプロデューサー、Pino Auriemmiが加わった。
当初はピエール・グラニエ・ドフェールが監督をする予定であったが、
彼にはそのときすでに撮影中の映画があり、
どうしても時間の調整が付かないということで、
私が途中から参加することになったのだ。

そもそも私は昔からシムノンの小説の大ファンだったので、
この企画には大いに興味を持った。
主人公の教授の内面に起こる心の葛藤が
映画に大きな可能性をもたらすであろうと信じたのだ。
そして原作のままではやや時代遅れな箇所があるので、
現代の物語に脚色しなおす必要もあった。
私は都会を愛する人間として、シムノンに敬意を表し、
彼の出身国ベルギーの首都ブリュッセルを舞台に選んだのだ。」
(フィガロ誌1994/8/8号より)

一方アラン・ドロンはと言えば
すでにバレリオ・ズルリーニ監督の『高校教師』において
教授役を演じ観客を魅了していた。

ドレー「映画の全ては主人公の心の奥の変遷に基づいて進行する。
彼はいつも“仮面”をかぶっており、真の素顔を見せることはない。
やがて彼は自分に対する脅迫によって自分自身と向き合い、
真の自分を発見することになる。」(フィガロ誌1994/8/8号より)

アラン・ドロンにとってシムノン原作の映画は1971年の
ピエール・グラニエ・ドフェール監督『帰らざる夜明け』以来2度目であり、
またジャック・ドレー監督とのコンビは
この作品が9作目であり最後の顔合わせとなった。

しかしながらこの撮影の準備期間には苦労が絶えることはなかった。
ドレー監督は当初書かれていた脚本の出来が非常に悪いと感じたのだ。

ドレー「当初のシナリオには説得力がなかった。
さらに困ったことに書き直しを依頼した新しい脚本家Jean Curtelinに対して、
たった2ヶ月間の猶予しか与えられなかったのだ。
製作者側にもっと時間を与えてほしいと頼んだが受け入れられなかった。」
("Jacques Deray,J'ai connu une belle epoque"2003より。)

もうひとつの問題は共演女優のFrancesca Delleraの態度だった。
彼女はイタリアの製作者が推薦してきた女優で、
彼女の起用がこの作品への資金提供の条件でもあったのだ。
彼女は1991年マルコ・フェレーリ監督作"La Chair"のヒットにより
当時のイタリア本国でスターとなり、
それにより彼女の気まぐれな性格は増幅していたのだった。

パリのHotel Royal Monceauで彼女とドロン、ドレー監督3人の初めての顔合わせの日、
何と彼女は何時間も遅刻してやってきた。
彼女が到着する前にドロンが怒って帰ってしまったことにも
彼女は驚くばかりだったと言う浅はかさだ。

彼女の疑うような行動に悩まされたばかりでなく、
ドレー監督が後にもう手遅れになってから気づくのだが、
この女優との契約は大きな誤解に基づいてなされていたのだった。
何と彼女は自分が主演女優扱いとしてこの作品に出演するものと考えて
すかさず契約書にサインをしていたのだ。

イタリアの製作者は彼女が単に脇役の一人に過ぎないと言う正確な情報を伝えようとぜす、
そのため脚本家はシナリオにおけるアンバランスさが増すことをわかっていながら
ドロンとの絡みのシーンを過剰に増やす必要性に迫られたのだ。

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L'OURS EN PELUCHE (1)

2007-05-23 | THE 90'S CINEMA
今日はドロンさんが1994年に主演した日本未公開作
L'ours en peluche(1994)をご紹介します。

ジャック・ドレー監督と前作"UN CRIME"に続いてコンビを組んだこの作品は
近年ようやくフランスでDVDで発売され観ることができるようになりましたが、
最初に観た時は、覇気のないドロンさんの演技やストーリーのいいかげんさに、
ほとんどお蔵入り状態だったのもやむなしの作品と感じたものでした。

しばらく観ることはなかったのですが、GWに久しぶりに棚から一掴みで観て見ると
いろいろと過去の作品とリンクするようなシーンが多々あり、
けっこう楽しんでみることができました。

字幕なしのフランス語オンリーでも、
ストーリーはいたって単純明快でわかりやすいです。

地位も名誉も十分にある産婦人科医院の院長として患者の対応に日々追われ、
また大学病院で自分の授業も受け持つドロンさん演じる有能な医師ジャンが主人公です。
美しい妻や音楽学校に通いプロのピアニストを目指す優秀な娘を持つ家族の前での顔とは別に
この男には夜のクラブでダンサーを勤めている愛人の家に通いつめては
欲情におぼれるという俗物的な側面も同時に併せ持っています。

こういう表と裏の二つの顔を持ち、いつも忙しく動き回っている男というのは
昔からドロンさんのもっとも得意とする役どころです。

ある日から毎晩のようにかかってくる脅迫電話に悩まされる主人公は
自らその原因究明に乗り出しますが、
その過程の中でかつて関係を持った自分の教え子の存在が浮かんできます。

教授と教え子との悲恋という設定はかつての『高校教師』とよく似ていますし、
その教え子の住むアパートを探し当てドアを蹴破って中に入るシーンなども
『個人生活』での主人公を思い出させてくれます。

ベルギーの首都ブリュッセルでロケ撮影された風景もフランスのそれとは少し趣を異にしており、
その街中を謎の解明のため歩き続けるドロンさんの『歩く演技』も、
地味ではありますがファンには十分に楽しめる作品です。
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CANNES 2007 (2)

2007-05-22 | TV APPEARANCES
5月21日にドロンさんが出演したカンヌのテレビ番組がアップされました。
          ↓
http://static.canalplus.fr/cannes2007/le-grand-journal-canal-plus-cannes-2007.html

4EME PARTIEをクリックすると観れます。

20日のカンヌ入りの時の映像から
映画最新作でのジュリアス・シーザーの姿まで
短時間ですが充実した内容です。
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LES AVENTURIERS

2007-05-22 | THE INFORMATIONS
以前このブログでご紹介しました
『冒険者たち』公開40周年記念盤DVDですが、
予約した商品がようやく本日到着しました。

早速少し観てみましたが、
これまでのDVDと比べて画質が素晴らしく向上しており
今まで感じられなかった俳優の表情が細部まで捉えられています。

この作品はレーザー・ディスク時代からソフトを買い続けてきましたが
今回のDVDが疑いもなく最高品質であると言えます。
日本盤も近々発売されるようです。
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CANNES 2007

2007-05-21 | THE INFORMATIONS
昨日20日、カンヌ映画祭にドロンさんが登場されました。

その時の画像がそこかしこのサイトでアップされ始めています。

http://assets.madame.lefigaro.fr/pole_feminin/festival-de-cannes/

http://www.wireimage.com/SearchResults.aspx?igi=274775&s=DELON&cbi=51&sfld=C&vwmd=e

http://legacyeditorial.gettyimages.com/source/search/FrameSet.aspx?s=ImagesSearchState%7c0%7c0%7c-1%7c28%7c0%7c0%7c0%7c1%7c%7c%7c0%7c0%7c0%7c0%7c4158452%7c0%7c0%7c0%7c3%7c%7cDELON%7c15744190666232823%7c0%7c0%7c0%7c0&p=&tag=7

http://static.canalplus.fr/cannes2007/album-photo-people-cannes-2007.html

動画はこちらです
タイトル Cannes a fêté son 60e anniversaire ( - 20/05/2007 )
      ↓
http://festival-cannes.france2.fr/cannesenvideos/

顔色もよくとてもお元気そうで安心しました。


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Le retour d'Alain Delon

2007-05-14 | THE INFORMATIONS
http://www.radio-canada.ca/arts-spectacles/cinema/2007/05/14/001-cannes-avant.asp?ref=rss

http://www.canoe.com/divertissement/cinema/nouvelles/2007/05/14/4179044-ap.html

http://www.avmaroc.com/dossiers/alain-delon-a4210.html

今年のカンヌ映画祭にドロンさんが公式に招待され、
本人もそれに了承したとのニュースが大々的に報じられています。

昨年までは「二度とカンヌのレッド・カーペットの上は歩かない。」と公言されていたので、
何か心境の変化があったのかもしれません。

「親友のベルモンドと一緒じゃないのが一番の心残りだ。」
とコメントされています。

写真は91年新作の『ヌーヴェルヴァーグ』を引っさげてカンヌ入りした
ドロンさんを取材した"STUDIO"誌の記事からのものです。
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PARIS MATCH (30)

2007-05-05 | THE MAGAZINES
1981年のパリマッチ誌より。

ロミー・シュナイダーとドロンさんとの記事が掲載されています。

このあと二人は新作で共演するはずだったのですが、
惜しくもこの翌年ロミーさんは永遠の眠りにつくことになります。
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FROM MY NEW SCRAP BOOK (34)

2007-05-02 | THE BRILLIANT PHOTOS
1981年のパリマッチ誌より、
当時発売されたドロンさんの香水の広告がありました。

いただきものですが、このボトルが我が家にもあります。
香水に興味があるわけでは全くありませんので、
なんとも表現の仕方に困るのですが、
これは柑橘系の香りがさわやかで、
夏にはぴったりの香水かなと思っています。
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Les Meilleurs Bandes Originales Des Films De AD

2007-05-01 | THE SOUNDTRACKS
やたらと長ったらしいタイトルですが、
これはドロンさん主演映画のサウンドトラックのベストの決定版として
1983年に発売されたフランス盤LP3枚組みです。

このアルバム、学生時代に買いそびれてしまい
私にとってトラウマになっていたのですが、
昨年ようやく入手することができました。

詳しい曲目は以下のサイトに出ておりますので
こちらをご覧下さい。
Les Meilleurs Bandes Originales Des Films D'Alain Delon

今回はこれらの楽曲の中からこれまでCD化されていない曲について
私が初めて聞いたナンバーも含めてご紹介します。

①まず何といっても驚きは
私の大嫌いな作品(お好きな方、すみません)『LE TOUBIB』のテーマ曲です。
音楽はフィリップ・サルドが担当していますが、
前半の物悲しいアコーディオンの演奏から始まり
叙情的なオーケストラに引き継がれていく展開が誠に美しく、
これほどまでにいい音楽だったのかと私にとっては嬉しい発見でした。

②次に『ポーカー・フェイス』から4曲。
これまでメイン・タイトルのみCD化されていましたが、
その他は未だCD化されていません。
その中でも映画の終幕近く主人公が恋人を迎えに来た場面で流れる"BEA"は
まるでハリウッド映画のようなオーケストラの旋律が大変美しい名曲です。

また主人公の身代わりにドア越しで撃たれた友人の仇を討つ為に
部屋から飛び出すシーンに流れる"POURSUITES VOITURES"は
ストリングスの演奏だけで、打楽器を全く使わずに
主人公の怒りを表現するアクションスコアとして非常に個性的な曲です。

③さらに珍しい音楽が『暗黒街のふたり』から"RETOUR A LA VIE"です。
これは妻を交通事故で失い、独身となってしまった主人公が
休日に自宅で流すラジオから流れてくる音楽として使われています。
トランペットとサックスのツー・ホーンズがソロをとり、
後の『チェイサー』でゲッツのバンドが演奏する曲にも通じる
粋なモダンジャズ・ナンバーです。

④最後に『プレステージ』から"GÉNERIQUE"です。
これは日本で発売されたEP盤のサントラにも収められていなかったナンバーで、
映画のどの部分に使用されたか定かではありませんが、
オーケストラの演奏がこの物語の結末を暗示する役目を大いに果たしている
ドラマチックなナンバーです。

同時に発売されたベルモンドのベスト盤の紹介記事はこちらです。
Les Meilleurs Bandes Originales Des Films De JB
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