LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

UN FLIC (2)

2009-02-28 | Dossiers de Presse
『リスボン特急』パンフレットの続きです。

映画の解説文は以下の通りです。

「J.P.メルビルと『リスボン特急』」 田山力哉
「ドロン ドヌーヴそして第三の男クレンナに酔いました」 林冬子
「『リスボン特急』の見どころ」 双葉十三郎
「J.P.メルビルの暗黒街の女たち」 山田宏一

こうやって見るとなかなか豪華な布陣です。

なかでも私の愛読書「ぼくの採点表Ⅰ~Ⅴ」の著者である双葉十三郎氏の解説文は
冒頭の銀行強盗の場面をメルビル監督の「ムード作戦」と形容したり、
またドロンさんの警察官ぶりについて、
当時流行していた刑事映画のハード化の傾向に応じて役作りに工夫を凝らしており、
非常にクールで苛酷で、本心を覗かせない、
そのくせ瞬間的に「情」を匂わせる、そこが見どころである、と指摘しています。

また映画中盤の見せ場である列車を舞台にしたサスペンス場面については、
往年の名作「上海特急」やヒッチコックの名作「三十九夜」、「レディ消失」、「疑惑の影」、
「見知らぬ乗客」、「北北西に進路を取れ」、
さらには「007ロシアより愛をこめて」などの列車内での場面を例に挙げながら、
今回の「リスボン特急」はメルビル監督の十八番の丹念なじっくりとした描写が価値を生み出している、
と指摘しています。

もう何十回と観ているこの作品をまたじっくりと観たくなってきました。
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UN FLIC (1)

2009-02-27 | Dossiers de Presse
今回ご紹介するのは『リスボン特急』のパンフレットです。

当時のドロンさんの人気を反映してか、
これは数多くあるアラン・ドロンさんの主演映画のパンフレットの中でも
デザイン性、記事の内容、紙の質、などの面でトップクラスのものです。
映画の基調にあるメルヴィル・ブルーに合わせたページのデザインが美しく、
スチール写真の配置もよくできていて勉強になります。
ただし原題"UN FLIC"の文字のデザインがまるでアメリカのアクション映画風に
アレンジされていることに少々違和感を覚えます。

実際の映画の中では二人の共演場面も思ったほど多くないにも関わらず
このパンフではドロンさんとカトリーヌ・ドヌーヴの初共演ということを
全面的にアピールした構成となっています。
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AVEC MIREILLE (4)

2009-02-24 | THE BRILLIANT PHOTOS
前回と同じく仏"CINE REVUE"誌より、
『栗色のマッドレー』でのアラン・ドロンさんとミレイユ・ダルクのスチールです。

パンフレットのものも含めて一連のこの作品でのミレイユの写真の表情には
他の作品では決して見せたことのない快活さが出ています。

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AVEC MIREILLE (3)

2009-02-23 | THE BRILLIANT PHOTOS
『栗色のマッドレー』のファーストシーン(と思われます。)での
アラン・ドロンさんとミレイユ・ダルクのスチール写真です。

映画の一場面というよりは正に私生活を垣間見せているかのように
自然に戯れている二人です。

仏"CINE REVUE"誌より。
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MADLY (2)

2009-02-22 | Dossiers de Presse
アラン・ドロンさんの幻の作品『栗色のマッドレー』パンフレットの続きです。

今回はカラーのスチール写真のページばかりを集めてみましたが、
こうやって見ますとベージュ色を基調とした渋くて淡い色調の映像が
全編に亘って展開されていたのだということがよくわかります。

パンフレットに書かれている掲載文の中からその要約を以下に記します。

---------------------------------------------------------------

■ミレイユ・ダルクの言葉
「愛が義務的になった時、これほど危険なことはありません。
男を愛する、それは彼が自由で、独創的で、素朴な状況を保つ、
つまり保たせてあげるということなのだと思います。
もし彼を独占し束縛するようなことがあれば、
そこには倦怠と苦痛しかないのです。
私はアラン・ドロンとの生活をここでほんの少し表現したかったのです。」

■ジェーン・ダベンポートについて
70年の春、たまたま”マッドレー”役の女優を探すために
ニューヨークに来ていたアラン・ドロンが、
彼女の載った「エセンス」という雑誌を見て、即座に会見を求めてきた。
もともと映画スターに興味のない彼女はこれを拒み続けたが、
ドロンの強い要求と脚本を読んでやっとOKとなった。
だが残念なことに彼女はこれっきり映画出演はしないという。
本職はモデルだからという理由で。

■映画の主な舞台となる豪華な城は、ナンツィエ城(1521年建造)という立派なお城で、
撮影のために高さの違う続きベッド、バスルーム、居間などが模様替えされた。
本当の持ち主はマダム・ギュイペという未亡人で、
アラン・ドロンの大ファンとのこと。

■映画に見られるすべての美術品、絵画などはすべてアラン・ドロンのコレクションで、
とくに彼が厳選して持ち寄ったものばかり。
ドロンはフランス映画界では美術品のコレクターとしてよく知られている。
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MADLY (1)

2009-02-21 | Dossiers de Presse
恐らく世界中のアラン・ドロンさんのファンがDVD化を熱望しているにも関わらず、
今もって一切の映像が封印されている問題の作品『栗色のマッドレー』のパンフレットです。

私自身この作品を観たことはありません。
1977年1月19日に日本テレビで放映されていましたが、
なぜか観ておらず今に至っています。

この作品が現代まで封印されてきている主な原因としては、
有名なエピソードですが、音楽を担当したフランシス・レイが、
アメリカ映画「ある愛の詩」のために作曲したテーマ曲が盗作である、
とイタリアの作曲家ステルピオ・チプリアーニに訴えられ、
その損害賠償の条件として、「マッドレー」の音楽の版権を譲り渡したことではないかと推測されます。

自身のプロデュース作品で、
しかも当時の人生のパートナーであったミレイユ・ダルクとの大事な共演作品の音楽が、
一人の作曲家の不始末によりこのような形で封印されてしまったということは、
ドロンさんにとって怒り心頭の出来事であったことは間違いないでしょう。
その後彼がレイやチプリアーニと共に仕事をすることは一切ありません。


さてそういった状況の中で、
このパンフレットはある方からありがたく頂戴したもので、
今となってはこのパンフレットのみが作品の雰囲気を感じることができる唯一のツールとなってしまいました。

パンフレットの中の「解説」の項に書かれてる内容を要約して以下に記載します。

①映画の原作はミレーーユ・ダルク、クレジットではミレーユ・エグローズというペンネームを使っている。
②タイトル・ロールのマッドレー役にはニューヨークでファッション・モデルをしているのを
ドロンさんが発見した新人ジェーン・ダベンポート
③他の共演者には中堅のパスカル・ド・ボワッソン、名女優バレンチナ・コルテーゼ
④製作にはドロンさんの友人ピエール・カロが協力している。
⑤ドロンさんは新人監督を使うことに決め、
アデル・プロの3作目『非常口』(Sortie de Secours)で鋭い演出を見せたロジェ・カーヌを起用した。
⑥脚本もロジェ・カーヌで共同で執筆しているのがパスカル・ジャルダン
⑦衣装はクリスチャン・ディオールとピエール・ランバンがデザイン
⑧撮影は『ベラクルスの男』の名手ジョルジュ・バルスキー
⑨ドロンさんの弟、ジャン・フランソワ・ドロンと
ルネ・クレマン監督の弟クロード・クレマンが助監督として参加協力している。

パンフレットには具体的に書かれていませんが、
原題の"Madly"の字はドロンさんご本人の筆によるものではないかと思います。
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SUR LA ROUTE DE MADISON

2009-02-15 | Dossiers de Presse
2007年にアラン・ドロンさんとミレイユ・ダルクが共演した舞台『マディソン郡の橋』のパンフレットです。

前回の"LOVE LETTERS"のそれと比べてサイズも大きくページ数も多いですが、
半分は広告となっていますので、内容的にはほぼ同じボリュームです。

表紙はポスターと同じデザインですが、
ドロンさんの髪の毛の分け目がなぜか左右反対になっています。
(90年代までの髪の分け目と同じになっています。)

基本的なカラー・イメージはモノトーンとエンジ色で、
このエンジ色はドロンさん演じる主人公ロバート・キンケイドが
劇の前半に首に巻いていたスカーフの色と同じです。
ちなみにこのスカーフは娘のアヌーシュカと共演したテレビドラマ"LE LION"でも
主人公が劇中で首にまいていたものと恐らく同じです。

主演のドロンさんはじめ出演者、作者、スタッフの紹介文のほかに
パスカル・ジャルダン、ジャン・コーなど、
ドロンさんにゆかりのある映画人たちから短いコメントも寄せられています。

全体的にすっきりとしたデザインのはずなのですが、
雑多なデザインの広告群がパンフレットの統一感を欠いているのがやや残念です。

尚、既にアップされているこのパンフレットの他の画像は以下の記事をご覧ください。
FROM MY NEW SCRAP BOOK (31)
SUR LA ROUTE DE MADISON (4)

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LOVE LETTERS

2009-02-14 | Dossiers de Presse
アラン・ドロンさんがご出演された映画や舞台のパンフレットをご紹介する
新しいカテゴリーを作りました。
ここではその作品についてではなく、パンフレットという媒体そのものの
デザインや構成についてのコメントを中心に書いていければと思っています。

第1回目は昨年ドロンさんがご出演された舞台"LOVE LETTERS"のパンフレットです。
私は残念ながら観に行けませんでしたので、これはおばさん2号様からおみやげで頂戴したものです。
おばさん2号様、ありがとうございました。

このパンフレットの表紙はポスターと同じデザインで、薄いブルーの色がとても印象的です。
(スキャナーしますと色調が紫色っぽく変わってしまっています。)

表紙のドロンさんの写真はTomo様からの情報によりますと「フランク・リーヴァ」のころの写真のようです。
(以前私はコメントで「刑事物語」の頃かも、と書きましたが間違いでした。
失礼いたしました、Tomo様。)

中身はこのブルーを使った文字とモノトーンで統一されており、
カラー写真はドロンさんのゼニヤのいつもの広告Zegna以外は一切使われていません。
また大小の写真と文字がほどよく配置されており、
これらを眺めているだけで舞台の台詞が聞こえてくるようです。
二人だけの朗読劇というシンプルな舞台に合わせるかのように
パンフレットのサイズもA5サイズという通常のサイズよりも小ぶりです。

隅々にまで品の良さが伝わってくる素敵なパンフレットです。
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JOURS DE FRANCE NO,1783 MARS 1989 (2)

2009-02-08 | THE MAGAZINES
1989年の"JOURS DE FRANCE"誌に掲載されたドロンさんの写真です。

裏焼きで掲載されていましたので元通りに直してお届けします。
いつも思いますがフランスの出版物には裏焼きで掲載されているものが多いです。
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L'HEBDO CINEMA vendredi 30 janvier 2009

2009-02-05 | TV APPEARANCES
先日1月30日にフランスのテレビ番組にご出演されたアラン・ドロンさんの映像がアップされています。
もうご覧になった方もたくさんいらっしゃるかと思いますが、
最新のドロンさんの雄姿を改めてご紹介します。
Delon en exclu l'Hebdo Cinema - CANALPLUS.FR

Alain Delon : il adore Daphn Roulier... un interview choc !
この番組の内容について書かれた上の記事によりますと、
ドロンさんは何と来年の春に新作映画の撮影に入る予定であると語っています。
番組の司会者にストーリーを尋ねられ、
妻と娘を殺されて孤独になった殺し屋の物語だ、と答えています。

またその後にオリヴィエ・マルシャル監督(『あるいは裏切りという名の犬』)との
新作のプロジェクトも控えていると仰っています。
どこまでこれらの新作が具体的に進んで実現するかはわかりませんが、
ファンとして生きる希望の持てる話題です。(←少し大袈裟ですが)

ベルモンドの今の現実の姿がまざまざとらえられている新作の映像には
あえて目をつぶり、目に涙を浮かべるドロンさんの複雑な心情吐露も
この番組のハイライトです。
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