LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

『LE CHOC』(2)

2008-01-31 | THE SOUNDTRACKS
映画音楽の作曲家の中には以前自分がある作品の為に作った曲を
別の映画でも使いまわしをするケースというのがたまに見受けられます。
例を挙げていいますと、クインシー・ジョーンズが以前『マッケンナの黄金』の為に書いた
テーマ曲のさわりの部分をミュージカル『ウィズ』でそのまま使用したケースなどがあります。

フィリップ・サルドも“こういうこと”をよくする作曲家で、
古くはドヌーヴ主演『ひきしお』の音楽をアレンジはあまり変えず
サビのメロディのみ若干変えて『個人生活』で使っています。
またイヴ・モンタン主演クロード・ソーテ監督の『ギャルソン!』の音楽も、
2004年作品"Les soeurs fachées"でほぼ同じメロディとアレンジで録音し直されています。

前置きが長くなりましたが、ドロンさんとドヌーヴが共演した『最後の標的』も
1986年のアメリカ映画The Manhattan Project (1986)の中で
原曲と全く同じメロディで、アレンジを変えて使われています。
そしてこの音楽がアメリカでCD化されており、今回ここにご紹介します。

このアルバムにはサルドがアメリカで仕事をしていた頃の3作品の音楽が収録されており、
上記の作品からも6曲が聴けます。
この6曲の基調にあるメロディは、『最後の標的』でのラブ・テーマとして
映画の中で繰り返し使用されていた曲からのもので、
『最後の標的』が未だCD化されていない今日では、
このアルバムをその代替品として楽しんで聴いております。
元のアメリカ映画の方は恐らく今後も一生観ることはないと思いますが。
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STUDIO (7)

2008-01-30 | THE MAGAZINES
現在発売されている"STUDIO"今月号より。

新作'Asterix aux Jeux Olympiques'セットでの
監督と、その後方にいるドロンさんのスティール写真です。

"STUDIO"誌でドロンさんの新作記事を観ることができるのは
ほとんど10年ぶりですので感慨ひとしおです。

ドロンさん背後のワシのオブジェ、ショッカーみたいです。
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PARIS MATCH (42)

2008-01-29 | THE MAGAZINES
1月13日、'Asterix aux Jeux Olympiques'のパリでのプレミア上映会に
娘のアヌーシュカ様と出席したドロンさんの写真が
今週日本で発売されているパリマッチ誌に掲載されています。

最近のドロンさんは公の場ではこのスーツとシャツの組み合わせで
貫いていらっしゃいます。
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27 JANVIER 2008

2008-01-28 | TV APPEARANCES
昨日映画の新作のプロモーションのために
フランスのテレビにご出演されたドロンさんと
ジェラール・ドパルデューの映像が下のサイトで観れます。

http://tf1.lci.fr/infos/media/jt/0,,3696447,00-asterix-aux-jeux-olympiques-mercredi-sur-ecrans-.html

http://tf1.lci.fr/infos/media/jt/0,,3696451,00-gerard-depardieu-alain-delon-repondent-aux-questions-claire-.html

二人の共演は『暗黒街のふたり』以来のことだと
ドロンさんが司会者に説明する場面がありますが、
このとき真面目にうなづいているドパルデューの表情がとてもいいです。
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AVEC ROMY (3)

2008-01-27 | AVEC ROMY
『太陽が知っている』ロケ地ニースの空港にロミーを出迎えた
ドロンさんのスナップ写真です。
映画のプロモーションに十分な効果があったことでしょう。

スクリーン誌より。

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LA PISCINE (3)

2008-01-26 | THE 60'S CINEMA
前回の続きです。

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1968年8月、アランとロミーはラマチュール市の丘の上で再会し撮影を開始した。
パパラッチたちはこのミステリアスなカップルの復縁を待ち伏せして狙おうとしていた。
彼らは二人の愛が復活した、と大げさな記事を書いて、
まだ撮影が終わっていないうちから映画の宣伝に貢献していたのだ。
ジャーナリストたちのこれらの大騒ぎは元婚約者同士の二人にとってはお笑いであった。
彼らは今や子供たちに責任のある親であり、
二人の官能的なラブ・シーンが撮影されているプールのそばでは、
二人のそれぞれの子供であるアントニーとダヴィッドのために
まるでブルジョワ家庭のようにおやつが用意されていたのだった。

この映画の成功によってロミー・シュナイダーのキャリアは新たなスタートを切ることになった。
製作者たちや監督たちが彼女の魅力を再認識したからである。
そして翌年クロード・ソーテ監督作品『過ぎ去りし日の』で彼女は永遠の存在となるのだ。
一方のアラン・ドロンはと言えば、
『太陽が知っている』は彼の持っている苦悩する悪人のイメージが確立された作品であり、
大衆からは絶大な熱狂を持って迎えいれられることになった。
この作品の「ドロン」以降、観客たちは繰り返しこの「ドロン」を要求し、
逆にこの俳優を型にはまったものにしてしまい、
彼はたびたびそのイメージから逃れようと挑み続けることになるのだった。

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当時の撮影中の様子を紹介した動画が公開されています。
YouTube - Trailer: La piscine (1969)

この作品は音楽も少なく、比較的台詞が多い映画ですが、
字幕スーパーなしで観ても、ある程度ストーリーは把握することができます。
それは「邸内」という閉鎖された空間の中で物語が展開するという設定を、
監督のジャック・ドレーが最大限に有効活用し、
4人の俳優からそれぞれ的確な演技を引き出すことに成功したからなのでしょう。
俳優の立ち位置、動きにも工夫が凝らされ、
それを捉えるキャメラのアングルや移動にもいろいろな技巧を駆使しています。
また映画の画面の色調が、前半の「赤」「黄」を基調としているのに対して
事件が起こる後半からは「緑」「茶色」に変化していることも監督の意図が感じられます。

その監督の演出に答えた4人の演技も素晴らしいのですが、
何といってもロミー・シュナイダーの眩いばかりの美しさと
複雑な感情表現を見せきった演技の確かさは見事で、
上にも書かれているように当時の映画界の人たちから
彼女が再評価されるきっかけとなったというのもうなづけます。
映画の前半と後半とでは彼女の表情、眼の輝きが明らかに違っているのです。

この映画史に残る偉大な名女優のキャリアの再スタートのきっかけが
ドロンさんのドレー監督への一言であった、というのも
何か運命的なものが感じられ非常にドラマチックです。

ドロンさんが自ら選んだベスト5のうちの1本は
ドロンさんとロミー二人の愛と友情が刻まれた永遠の名作です。
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LA PISCINE (2)

2008-01-24 | THE 60'S CINEMA
先日ご紹介した
Emmmanuel Haymann 著
"Splendeurs et mysteres d'une superstar Alain Delon"の中に、
この作品について書かれた部分がありましたので翻訳してみました。

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この試み(ジャン・コーが演出する舞台への出演)は失敗に終わったが、
アラン・ドロンは当然の帰結としてまた映画界に舞い戻ってきた。
復帰作はジャック・ドレーが監督する『太陽が知っている』で、
この監督とはこの作品を皮切りに長期間に亘って成功作を連発することになる。
アクションとサスペンス映画のスペシャリストとして、
ドレー監督はドロンの中に彼が作り上げるスリラーを心理的に表現することのできる理想像を見出した。
ドロンは自分が演じるキャラクターに新鮮さをもたせて、
従来のサスペンス映画の殻を破って、人生のむなしさや真理を表現した。
そして観客たちはドロン演じる複雑な人間の魂の紆余曲折を目の当たりにして興奮することになるのだ。

ドレー監督「ドロンはいったん映画での彼のスタイルをよく理解すれば、
とても心地よい、そして監督するのが非常にやりやすい俳優です。
それはずっと彼がこれまで持ち続けてきた優れた能力です。
彼の前で私はいつも使っていた『指導する』という言葉を捨てました。
その言葉は出来の悪い俳優を起用するときに用いる言葉です。
プロフェッショナルといわれる人たちは自由自在に演技することができるし、
俳優としての能力ばかりでなく彼らの持つ雰囲気で監督の要求にもすぐ反応できます。
したがって彼らをコントロールできるかどうかは正に監督の手腕次第となるのです。
監督は舞台設定を考え、そこに俳優を置き、自分が引いた道の上を歩かせる。
監督は俳優たちをその気にさせるだけの存在であって、指揮はしないのです。」

アラン・ドロンはこの『太陽が知っている』において
『太陽がいっぱい』のトム・リプレイの役柄を想い起こさせる役柄を演じ、
共演者にはモーリス・ロネも含まれていた。
(彼はクレマンの映画での役柄と同じくドロンの被害者となる。)
ジェーン・バーキンは正に小悪魔的であった。
残るのは主演女優を誰が演じるかであった。
この暴力と愛欲の物語の中で、ドレー監督は官能的で同時にドロンと共犯関係ともなる
カップルを演じることのできる看板スター女優を探していた。

そしてそれはアラン・ドロンからのアイデアだった。
「ロミー・シュナイダーはいけないだろうか?」

確かに彼女は適任であった。
そして恐らく彼女に対して何かしてあげねばという責務を
アラン・ドロンは常々感じていたのであろう。
昨日まではヨーロッパの愛される少女であった彼女も、
今や人々からは忘れ去られようとしており、
逆に今日大スターとなった彼は彼女に手を差し伸べようとしたのだ。
ロミーはその2年前から表舞台から遠ざかっていた。
彼女はドイツの演劇監督ハリー・マイエンと結婚し、
息子のダヴィッドを生んで、引退同然の状態でミュンヘンに住んでいたのだ。
彼女はその家族を残して映画界に復帰するだろうか?
そしてキャメラの前で元の恋人と再会して苦い記憶を呼び戻すことはないのだろうか?
「彼女にとって僕は邪魔者ではないはずだよ。」ドロンは確信を持ってこう答えた。
「彼女は『イエス』と返事をするだろう。彼女は僕に恨みなんかは持っていないさ。」
その言葉通りドレーは彼女を説得するのに苦労することはなかった。
彼女は決して無理やり強制的にスクリーンから遠ざけられていたわけではなかったからだ。

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次回に続きます。
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LA PISCINE (1)

2008-01-21 | THE 60'S CINEMA
昨年来日したアラン・ドロンさんがご出演された番組の中で
ご自身が出演された映画の中からベスト5に上げていた内の1作
『太陽が知っている』(原題『スイミング・プール』)をご紹介します。

本作は今のところ日本ではDVDの発売はされておらず、
フランスでも久しく廃盤扱いになっていましたが、
今年の3月にプレステージ・エディションとして再発売されるようです。
Dvdfr.com - Fiche DVD

この作品は今まで単なるサスペンス物というだけで、
私の中ではあまり重きを置いてはいなかったのですが、
昨年ドロンさんがベスト5の1本に自ら選んだことから、
それが何故なのかを確かめようと見返していると、
これまでに気づかなかった本作の魅力が少しずつわかってきたような気がします。

広大なプール付の別荘でバカンスを楽しむカップルが物語の主人公で、
全編の大半がこの邸内に限定した舞台設定がまず成功しています。
そこに、彼女の元恋人とその娘が現れたことから生じる男女4人の複雑に絡みあった感情を、
時に強烈なラブ・シーンも交えながら、非常に丁寧に描いていきます。
ドロンさんとロミーとのラブ・シーンは今観ても十分官能的で、
特にロミー・シュナイダーの神々しい美貌に魅了されます。
私はこの作品を昔テレビで初めて観て、ロミーの存在を知り、
すぐに彼女のファンになりました。

やがてドロンさん扮する主人公のモーリス・ロネ演じるロミーの元カレに対して向けられた
憎悪とジェラシーが暴発して殺人事件が起こるわけですが、
このプール・サイドで離れた位置からキャメラの長回しで捉えた殺人シーンは、
モーリス・ロネの苦悶の演技が見事で、見ているこちらも息が詰まりそうになります。
殺人の直後、暗闇の上空に飛行機の音が聞こえドロンさんが空を見上げるシーンは
『太陽がいっぱい』を彷彿とさせるきめの細かい演出でした。

本作の撮影時のレポートが、当時の映画雑誌スクリーン誌の中で故田山力哉氏によって書かれています。
その中からドロンさんとモーリス・ロネ二人のインタビューの部分を以下にご紹介します。
ドロンさんの主人公に対する冷静な分析は非常に的を得ています。

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アラン・ドロン(以下AD)「二人の男女は美しく怠惰な日々を送っているんだ。
サン・トロペ近郊の素晴らしい家でね。
ところがマリアンヌ(ロミー・シュナイダー)が美貌の中年男性アリー(モーリス・ロネ)と
その娘ペネロープ(ジェーン・バーキン)をこの家に招待したため二人の平和は乱される。
輝ける成功者であるアリーは、ジャン・ポール(アラン・ドロン)を自分より劣った者として扱う。
しかも彼はかつてのマリアンヌの恋人だったのだ。
ジャン・ポールの優位に立つことに満足感を味わったとしても不思議ではないだろう。
一方僕の扮するジャン・ポールは娘のペネロープに少なからぬ関心を抱くというわけだ。」

モーリス・ロネ「全く何といっていいかわからんよ。
アランは『太陽がいっぱい』のときよりもずっと乱暴に僕を扱うのだ。
きっと彼は僕に個人的な悪意を持っているんだな。
クレマンの映画では、彼は僕の死体を船の上から海へ投げ込んだが、
今度の映画では、彼は僕をプールから出させまいとするだけでなく、
僕が死んでしまうまで僕の頭を水の中に突っ込むんだからね、ああコワイ。」

AD「だがねえ、ロネを最初に殺したときより、今度の方が残酷でないかもしれないぜ。
ジャン・ポールという男は、その時々の気分に支配される。
だから後で自分の行動を後悔するのだ。
衝動に身を任せて、後はほとんど忘れてしまう、彼はそういう男なんだ。」

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PARIS MATCH (41)

2008-01-13 | THE MAGAZINES
今週日本で発売されているパリ・マッチ誌より。

今から40年前の「1968年」の特集記事があり、
ドロンさんとブリジッド・バルドーとの海上での写真が掲載されています。
これは恐らく『世にも怪奇な物語』撮影後の頃だと思います。
2006年に発売されたバルドーの最新写真集
http://www4.fnac.com/shelf/article.aspx?PRID=1866284
にもこのときの別の写真が彼女のコメント入りで紹介されていました。

記事には他に、『太陽が知っている』撮影直前のロミー・シュナイダーや
ベトナム戦争、ジミ・ヘンドリックス、ジェーン・フォンダなど
当時の世相を代表する出来事や人々の写真が多数掲載されています。
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07 JANVIER 2008

2008-01-10 | TV APPEARANCES
1月7日にドロンさんがご出演されたフランスのテレビ番組のサイトです。

http://www.canalplus.fr/cid70935-asterix-aux-jeux-olympiques.html#Sテゥquence_1

ページの下のドロンさんの画像をクリックしますと映像を観る事ができます。
新作映画で演じたセザールをスタジオで自ら再現しておどけて見せたり
昨年のカンヌでの映像を嬉しそうに見つめたり、
とにかくドロンさんの笑顔がいっぱいの映像です。

では皆様、最新のドロンさんの勇姿をどうぞ!
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ASTERIX AUX JEUX OLYMPIQUES

2008-01-06 | THE INFORMATIONS
ASTERIX AUX JEUX OLYMPIQUES - sortie le 30 janvier 2008
1月30日にいよいよフランスで公開される"ASTERIX AUX JEUX OLYMPIQUES"
の公式サイトです。
右下の"orange"をクリックするとメイキング映像などを観る事ができます。
ドロンさんも一瞬登場します。

"LE DEBUT DU FILM"はこの映画のオープニング・タイトルです。
ドロンさんのクレジットが特別扱いで登場するところは
思わず拍手喝采です。

フランスでは映画公開に合わせてプロモーションのためのドロンさんの
テレビ出演も予定されています。

1月7日
http://www.coulisses-tv.fr/modules.php?name=News&file=article&sid=4495
http://www.programmes.canalplus.fr/pid27.htm

1月19日
http://www.coulisses-tv.fr/modules.php?name=News&file=article&sid=4469
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Splendeurs et mysteres d'une superstar AD

2008-01-03 | THE BOOKS
皆様あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願い申し上げます。

今年第1回目にご紹介するのはドロンさんの人生を書き綴った
Emmmanuel Haymann 著
"Splendeurs et mysteres d'une superstar Alain Delon"
です。

ドロンさんが映画界から引退を表明するのとタイミングを合わせたかのように
フランスで1998年に出版されたこの本は、
ドロンさんの生誕から『ハーフ・ア・チャンス』まで
実に本文が198ページにまで及ぶ膨大な情報量が詰まっています。

また掲載されている映画作品からのスティール写真も珍しいものが多く
このブログにも今まで何枚か使わせてもらっています。

当然のことながら全編フランス語オンリーですが、
字が大きくて読みやすい(?)ことから
作品ごとに抜粋して今後少しずつですが、ご紹介していきたいと思っています。
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