LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

MORT D'UN POURRI チェイサー(1)

2006-04-30 | THE 70'S CINEMA
人には誰しも人生において決定的な影響を受けた映画というものがあろうかと思いますが、
私にとってこの作品ほどその形容がぴったりと当てはまるものはありません。
公開当時映画好きな高校生であった私が、
テレビではなく初めてスクリーンでお目にかかった
この作品でのアラン・ドロンの姿は生涯この目に焼きついて離れないものとなりました。

一体何がこれほどまでに自分を引き付けたのか、理由は未だにわかりません。
映画としての価値で言えば、はっきり言って凡作なのでしょう。
特に何か大きな賞を受けたわけでもなく、興行的に大成功した作品でもありません。
映画史からは忘れ去られてもおかしくない作品であることも認めます。

それら全てを理解した上で、それでも尚この作品の全てが自分にとっては
これからもずっとベスト・ワンの映画であり続けることは間違いないことなのです。

この作品の魅力について数回に分けて探求していきたいと思います。

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FROM MY NEW SCRAP BOOK (5)

2006-04-27 | THE BRILLIANT PHOTOS
正確にはわかりませんが、着ているスーツから推察して、
恐らく『スコルピオ』からではないかと思われるスナップ写真です。
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FROM MY NEW SCRAP BOOK (4)

2006-04-24 | THE BRILLIANT PHOTOS
アラン・ドロンが96年と98年に上演した舞台、
『VARIATIONS ENIGMATIQUES』(『謎の変奏曲』)
の98年のパンフレットからの舞台写真です。

眼鏡を掛けて芝居をする姿(プライベート写真ではよく見ますが)と、
アーガイルのソックスが非常に新鮮に写ります。
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JAPAN ON AIR (2)

2006-04-23 | TV APPEARANCES
前回の続きです。

T「この番組はニュース番組ですので、政治についての話題もお聞きします。
ドロンさんは政治家になろうという関心はないのでしょうか?」
(3月の大統領選挙の応援演説の画像が流れてくる。)

D「私は大統領になる気はありません(笑)。
これだけ人に知られて有名になっていますので、
大統領にならなくとも何らかのメッセージを発して通すことは
今の立場なら可能なのです。」

T「年相応の男の魅力を身に付けるのに心掛けていることは何ですか?」

D「良く年を取るためにはインテリジェンスが必要です。
知性とハートと幸福があればそうなります。」

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この頃になると「アラン・ドロン」というのは日本では過去の人になってしまっており、
今回の出演もドロンブランドのプロモーションの一環といったものですが、
ドロンのにこやかな魅力ある受け応えを観ていますと、
もっとこの年代に“年相応”の役でたくさん映画に出演してもらいたかったと正直思います。

ドロンがこの時期以降に出演した未公開作
"DANCING MACHINE"
"UN CRIME"
"L'OURS EN PELUCHE"
"LE JOUR ET LA NUIT"を観ますと
以前に比べてラブ・シーンやヌード・シーンが露骨になっているのが
一つの傾向として見られます。
もはやドロン一人の魅力だけでは観客を呼べないと判断した結果なのか
あるいはフランス映画界全体にかつての“粋さ”が薄れていってしまったのでしょうか。
ハリウッドの『氷の微笑』の影響も少なからずあるのも事実でしょう。

いずれにしてもそんな傾向の映画作品に出演し続けているうちに
ドロン自身も嫌気がさしていったのではないでしょうか?
そしてそういうスキャンダラスな映像を盛り込むことが出来ない、
あるいは盛り込まずに内容だけで勝負できるテレビ・ドラマや舞台に
新たな自分の居場所を見つけた、というのが事の真相なのではないかと思いますし、
またそう思いたいです。
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JAPAN ON AIR (1)

2006-04-21 | TV APPEARANCES
1989年頃にアラン・ドロンが来日した折に出演した
日●テレビのニュース番組のインタビューを2回に渡ってご紹介します。
インタビューアーはこの番組の司会者でドロンより6歳年下の徳●氏です。

通訳はドロン専属のマドレーヌ・レヴィさんですが時間の都合からか
ドロンの言葉をかなり省略して訳している気がします。

徳●氏(以下T)「いつも今日のようなラフな服装(ジーンズにポロシャツとジャケット)なのですか?」

ドロン(以下D)「いいえ(笑)、ケース・バイ・ケースです。」

T「今回初めて本国フランスでテレビドラマ(=『シネマ』)に出演されたそうですが、
今までテレビはお嫌いでしたか?」

D「今一番力を持っているのは映画ではなくテレビです。
最近そうなってしまいました。
ですので嫌いとかではなくて、将来力を握っているのはテレビなのでやらなければと思いました。」

T「映画にも事業にも熱く情熱を燃やしていらっしゃいますが、両立はできるのでしょうか?」

D「私は情熱を込めて何でもやります。
情熱さえあればいろんな仕事を抱えていても何でもできます。」

(スタジオに展示されているアラン・ドロン・ブランドの着物を観ながら)
T「その情熱がこの着物ですか?」

D「私は伝統派なのです。なぜ日本が好きなのかと言いますと、
西洋人として日本の伝統をとても大切にしたいと思うし、
それを非常によく表現するのが着物なのです。」

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当時のドロンの私生活でのパートナーであったカトリーヌさんがデザインした
本格的な日本の着物を自分自身のブランドで売り出そうとした
プロモーションの一環としての今回のテレビ出演であったようです。

それでも話題の中にTVドラマ『シネマ』についての紹介があり、
今更ながらこれからはテレビの時代だと述べるなど、
当時のドロンの心境を知るには貴重な映像です。
残念ながら『シネマ』が日本で放映されたのはこの約3年後であり、
しかもNHK・BSで再放送なしの一度きりでした。
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CINEMA 100 SPECIAL(4)

2006-04-19 | TV APPEARANCES
アラン・ドロンが番組の進行役を務めた
『シネマ100スペシャル フランス映画は大人の香り』より最終回です。

前回ご紹介したジャン・ギャバンに対するオマージュに続いて、
番組はいよいよアラン・ドロンが活躍した年代の紹介に入ります。
『サムライ』のテーマ音楽に乗せて暗闇の中から歩いて現れるドロンの姿が、
まるでいつか見た映画、あるいはダーバンのCMの再現のように懐かしさを感じさせます。
この後このコーナーでは『シシリアン』や『ル・ジタン』などフィルム・ノワール作品について言及され、
70年代半ばまでがドロンの全盛期であったと寂しく締めくくられています。

最後に故ジョゼ・ジョバンニ監督がフィルム・ノワールなどについて
自分の思い入れを感慨深げに語ったインタビューをここにご紹介します。
今となってはこれは大変貴重な映像となりました。

●ジャン・ギャバンについて
「ギャバンは魔術的な人だ。
『キャメラは感情のないガラスの目だ』と言った。
感情のないキャメラのために演技したのは、監督には感情があったからだ。
監督の彼を見る目も疲れてくると変わってくるだろう。
役者が神経にさわるときもある。
つまり監督の目は人間の目なんだ。
彼はそんなしょっちゅう変わるような目のために演技しない男だ。
撮影時には気付かなかった彼の感情表現が翌日のラッシュで初めてスクリーンに現れる。
彼の演技が監督とは関係のないところでキャメラに伝わっていたんだ。
演劇学校では学べない天性のものさ。
彼を失った映画界の損失は甚大だ。
1世紀に1人の人材さ。
彼を得たフランス映画界は幸運だった。
それだけでも素敵なことだよ。」

●暗黒街について
「60年代には暗黒街という閉ざされた社会が存在していた。
暗黒街の住人というのはチンピラ、ギャング、ヒモといった連中だ。
暗黒街には暗黒街の掟があった。
銀行強盗みたいに命を賭けた奴らには普通の世界と違って女性に危険を冒させなかった。
普通の世界、ビジネスの世界では女性も闘士になる。
だが暗黒街は違う。
危険を冒すのは男の仕事だ。
沈黙の掟というのもある。
誰かが捕まるとみんな口を閉ざした。
密告する奴なんていなかったな。
俺はこの世界のことをたくさんの本に書き映画を撮った。」

●フィルム・ノワールについて
「みんなああいう映画にちょっとノスタルジーがあるのは確かだ。
昔のフィルム・ノワールをもう一度作れという話が来ている。
やりたいけどもうできないな。
リノ・ヴァンチェラはもういないし、ドロンも年だ。
人を夢見させるキャスティングができないんだよ。
60年代の映画を今やり直しても駄目さ。
過ぎ去った過去だな。夢は終わったんだ。」
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MAKING OF “1 CHANCE SUR 2”(11)

2006-04-16 | BEHIND THE SCENES
『ハーフ・ア・チャンス』メイキング映像より。

今回は日本盤にも収められていますが、
ヴァネッサ・ヴァラディに連れられてマクドナルドに食事に来た
アラン・ドロンとジャン・ポール・ベルモンドのおかしなやりとりの撮影風景です。

あらかじめ決められたシナリオはなかったのか、
二人にアドリブの演技をその場でルコント監督は求めます。
その要求に答えるように、ベルモンドがその味にうんざりしながらも
満面の笑みを浮かべて美味そうにジュースのコップを掲げる演技を見せると
その絶妙な間の芝居にドロンや監督、他のスタッフが大笑いします。

映画の本編には収められていない、ここでしか観れない楽しい映像です。
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FROM MY SCRAP BOOK (22)

2006-04-15 | THE BRILLIANT PHOTOS
『ポーカー・フェイス』撮影中のスナップ写真です。
アラン・ドロンと共演のダリダ・ディ・ラザーロが浜辺で戯れる場面の撮影風景です。
傍らにいる大きな犬は映画には出てきませんので当時のドロンの飼い犬のようです。

“ロードショー”誌より
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FROM MY NEW SCRAP BOOK (3)

2006-04-10 | THE BRILLIANT PHOTOS
『PAROLE DE FLIC』撮影時の衣装を着てのスナップ写真です。

仏“VIDEO7”誌より
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『Attention, les enfants regardent 』

2006-04-06 | THE SOUNDTRACKS
昨年12月に『太陽がいっぱい』や『冒険者たち/サムライ』と、
ドロンの代表作品が一気にリリースされファンとして狂喜乱舞しましたが、
それと同時期にひっそりと(?)発売されていたのがこの
“LE CINEMA D'ERIC DEMARSAN"です。

これはエリック・ドマルサンがこれまで担当してきた作品のコンピュレーション・アルバムですが、
この中にドロン関連で『仁義』と『ナイトヒート』から1曲づつ収録されています。
特に『ナイトヒート』(この題名はいかがなものでしょうか?)から
“LES ENFANTS DU SOLEIL”という曲が恐らく世界初収録されていますが、
そのクオリティーの高さに驚いています。

グラスハーモニカのソロが主旋律を奏でる前半は
主人公となる無垢な子供たちの透明な素顔を描いたものですが、
すぐに不安感と緊張感を増幅するハープシコードとオーケストラの演奏に引き継がれます。
その後オーボエが主旋律を演奏する後半部分が誠にエモーショナルで
何度も繰り返し聴きたくなる素晴らしいアレンジを聴かせてくれます。

映画の出来栄えについてはここでは詳しく書きませんが、
音楽のそれは超1級品であったことを再確認しました。
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AVEC VEILLON

2006-04-06 | THE BRILLIANT PHOTOS
『アラン・ドロンの刑事物語』よりのスティール写真です。
("CINE TELE REVUE"誌より)

TV番組で“刑事役を演じてみたい。”と宣言してから
数年後ドロンの刑事役への挑戦が始まりました。

以前にも書きましたがもう一度ドロンの刑事役が観れる作品を挙げますと
①『リスボン特急』
②『フリック・ストーリー』
③『テヘラン』
④『危険なささやき』(元刑事)
⑤『PAROLE DE FLIC』(元刑事)
⑥『私刑警察』

そしてTVでのこの⑦『アラン・ドロンの刑事物語』から
⑧『FRANK RIVA』へ連なっていきます。
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