LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

France Soir TV MAGAZINE

2007-10-28 | THE MAGAZINES
来月にいよいよ日本初登場となる
アラン・ドロンさん主演のテレビドラマ
『アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ』ですが、
このドラマはもともと本国フランスでの
『アラン・ドロンの刑事物語』(="FABIO MONTALE")
の大成功を受けて物語の舞台をマルセイユからパリに変えて
ドロンさん演じる新しい主人公の活躍を描く今から4年前の2003年の作品です。

画像は撮影中のドロンさんのインタビューが掲載された
"France Soir TV MAGAZINE"からのものです。
Comments (3)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ALAIN DELON SELECTION 6

2007-10-23 | ALAIN DELON SELECTION
先日の『アラン・ドロン・ファンの集い2007』にお越しくださった皆様への
お土産用に作成したドロンさん関連音楽の自前のコンピュレーション・アルバムを
例によって手前味噌ですがご紹介します。

今回の選曲はこれまで以上によりマニアックな路線を走ってしまいましたが、
非常にレアな音源ばかりとなっております。
曲目は以下の通りです。

【1】サムライ~Hôtel Sandwich
【2】ボルサリーノ2~BORSALINO SLOW
【3】地下室のメロディー~Melodie en sous-sol
【4】Modern Style (フランソワーズ・アルディ&アラン・ドロン)
【5】DANCING MACHINE~DAPHNE
【6】未知の戦場~LE TOUBIB
【7】LE JOUR ET LA NUIT~Le jour et la nuit
【8】山猫~Angelica E Tancredi
【9】ポーカー・フェイス~BEA
【10】マディソン郡の橋~The Night We Called It a Day (チェット・ベイカー)
【11】マディソン郡の橋~Autumn Leaves (フランク・シナトラ)
【12】マディソン郡の橋~Autumn Leaves (ステファン・グラッペリ)
【13】暗黒街のふたり~RETOUR A LA VIE
【14】冒険者たち~Les Adventuriers (ジョアンナ・シムカス)
【15】プレステージ~GENERIQUE
【16】ヌーヴェルヴァーグ~Solo Cello and Voice (David Darling)
【17】LE JOUR ET LA NUIT~Solitude d'Alexandre
【18】ポーカー・フェイス~POURSUITES VOITURES
【19】帰らざる夜明け~LA VEUVE COUDERC (version Courte)
【20】冒険者たち~Enterrement sous-marin
【21】ヌーヴェルヴァーグ~Andina-Toccata (My Father) -
Huaino (...My Small Town) - The End (...And (Dino Saluzzi)
【22】"LAST DANCE" FROM THE MUSIC OF "D'URBAN'77 "
【23】COMME AU CINEMA (アラン・ドロン)
------------------------------------------------------------------
【24】Look At That Face (サミー・デイヴィス・ジュニア)


曲について補足で解説いたしますと、

【2】はLPには収録されていたにもかかわらずCD化された時に
なぜかカットされてしまっていた曲で、
クロード・ボランの味わいの豊かな名アレンジがここでは楽しめます。

【3】はこのたびのCD化でようやく陽の目を見たあのCMにも使われた曲です。

【4】はフランソワーズ・アルディの昨年発表されたデュオ・アルバムから。

【10】から【12】は今年の舞台のBGMとして使用されていた曲たちです。

【14】はフランソワ・ド・ルーベのアルバムから、映画での未使用曲です。

そして最後の【24】は私がお遊びで選んだボーナス・トラックで、
ドロンさんの作品とは一切関わりの無い既成曲です。
ある日車の中で運転しながらこの曲を聴いていた時に
ふとこの英語の歌詞がまるでドロンさんの「顔」を礼賛しているような感覚に陥り、
パリでお目にかかったドロンさんの勇姿がぱっと目の奥に浮かんできたのです。
(正確な歌詞を把握しているわけではありませんので、あくまで感覚的なものです。)
そんなインスピレーションを皆様にも感じ取っていただければとの想いで
あえて最後に持ってきました。
Comments (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『アラン・ドロン・ファンの集い2007』のご報告

2007-10-22 | THE INFORMATIONS
昨日大阪難波にあるADID社様の事務所内におきまして開催された
『アラン・ドロン・ファンの集い2007』につきましてご報告申し上げます。

ご参加いただいたメンバーは

おばさん2号様、ラッシェル様、Astay様、らん様、美恵子様、けろよん様
AT様、とん子様、スー様、けいてぃ様、大阪のK様、北海道のK様 新潟のS様
そして私と妻、の合計15名でした。

今回の参加人数はこれまで4年間行ってきた中で最高で、
大変嬉しい半面、日本全国から時間と費用をかけてお越しいただくのに
無意味な会合にしてしまうわけにはいかないというプレッシャーから
実は私自身かなり緊張し、かつ気合を入れて臨みました。

結果としては皆様それぞれのご感想はあろうかとは思いますが
大変有意義な会合になったのではないかと感じています。

特に今回はアラン・ドロンさんが先日来日して出演した
フジテレビの『スマスマ』でのエピソードを
ADID社の社長の奥様からお聞きすることができ、
これが何よりもの収穫であったと思います。

(写真右上はスマスマ収録終了後、東京のホテルの外を散歩に出かけた
ドロンさんの写真です。)

ここで全てを書くことはできませんが、
ドロンさんがいつものごとくメイキャップをせずに撮影に臨んだこと、
あらかじめ注文するメニューについて本国から事細かに指示があったこと、
今回の通訳の方の選考の基準、などなど
興味深いエピソードばかりでした。

私が感動したのは、
フジテレビのスタッフは皆さんドロンさんのファンらしく、
ドロンさんに対してとても誠実に仕事をこなされ、
ドロンさんも満足してお仕事をすることができたことです。

日本のマスコミ界とドロンさんとが直に接する機会は近年減りつつあった中で
今回日本国内で約2200万人
(視聴率約22%、歴代の外国人ゲストの中では最高の数字だったとのことです。)
の方がドロンさんの元気な姿を観て、
現在もフランス本国で活躍されていることを伝えることができたのは
大変意義深いことであったと思います。

そして今後もこういう機会をどんどん設けていただきたいと
フジテレビのスタッフの方々にエールを送りたい心境です。
改めて今回のフジテレビさんのプロとしてのお仕事ぶりは、
同じ日本人として誇りに感じました。

スマスマのエピソード以外にも現在のドロンさんの活動(美術品オークションなど)
についてのお話もお聞きすることができました。

いずれまた近い将来フランスで舞台をするようなことがあれば
今回ご参加いただいたメンバーの方々とご一緒できればいいなと思っています。
北海道から九州に到るまで全国からご参加いただいた皆様、
誠にありがとうございました。
Comments (14)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

THE FIRST STEP IN JAPAN

2007-10-20 | TRIVIA
明日はいよいよ『アラン・ドロン・ファンの集い2007』
が開催されます。
ご参加表明の皆様一様に緊張なさっているご様子ですが
どうぞお気軽に普段着姿でお越し下さい。
私の方で「ドロンさん映画吹き替え盤ダイジェスト映像集」を作成しました。
どうぞお楽しみに。

今からちょうど20年前の日曜洋画劇場で日本初公開となった
『復讐のビッグ・ガン』放映時のビデオ映像から
解説の故淀川長治氏が語ったドロンさん初来日時のエピソードを
一字一句もらさず下に掲載いたします。

--------------------------------------------------

はい、みなさんいかがでしたか?

アラン・ドロンはパリィの、郊外の、
映画館の子供として生まれたのですよ。
ところが小さいときに小さいときに
お父さんとお母さんが別れまして、
アラン・ドロンはお母さんの再婚の家に行ったんですね。
ところがやっぱりなじめないで
だんだん陰気な子になって
不良になったんですね。
さぁどうなるかと思ったときに、
16、7で自分から海兵隊に志願したんですね。
そうしてやがて除隊したときに
パリィに帰らないで
なんとアメリカとメキシコをうろついたんですね。
そのころどんな動き方をしたのかわかりませんけれど、
その間とっても苦労したらしいんです。
そうしてパリに帰ってきましたけれども家に行かないで
裸足でパリの街をうろついていたんですって。
それを映画館の人が見たりいろいろして、
あれ誰だろう?と言っているうちに、
映画監督がまた見つけまして
映画界に入れたことがもとで、
この人はいっぺんに有名になりまして、
きれいから、
「お嬢さんお手やわらかに!」これでえらいまぁ人気が出まして、
さあそれから、
そうですね、
「太陽がいっぱい」なんかに出ているうちに
とうどう日本に初めてやってまいりました。
もう人気の最中に。
さぁ大騒ぎ。
もう車動かない。
それでアランドロン困りまして、
ホテル行ったりレストラン行ったり名所旧跡なんかやめて、
どっか静かなとこ行きたいなぁユウので、
五反田の私の知り合いのお金持ちの坊ちゃんのうちがありまして、
そこ行こうっていうので、
さーっとみんなで行ったんです。
もう五反田の普通の素人のおうちです。
で、だーれもいないから喜んでトランプやってると
ダンダンダンダン!って人が入ってきました。
雑誌の人、週刊誌の人が見つけちゃったんですね。
聞いて聞いて聞いて。
でパーっと入ってきまして、
キャメラマンがパーっと差し向けたのが、
アラン・ドロンの顔じゃなくて、
その●●さんと言う、おうちの坊ちゃんの顔の方を向けたから、
アラン・ドロンこちらですよ!
ヘー!って言った事があって
アラン・ドロンは大笑いしました。
そんな裏話がありますよ。

はい、もう時間が来ましたね
それでは次週の作品、
ご紹介しましょう。

------------------------------------------------------------------
Comments (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

FROM MY NEW SCRAP BOOK (42)

2007-10-11 | THE BRILLIANT PHOTOS
先日のスマスマでドロンさんのフィルモグラフィー紹介の中で採り上げられていた
『レッド・サン』より、共演のウルスラ・アンドレスとのスティール写真です。

------------------------------------------------------------

『アラン・ドロン・ファンの集い 2007』

当方の予想以上の参加人数(15名)となり嬉しい悲鳴を上げております。
会場のキャパの都合もありまして、
残念ながら本日を持ちまして参加受付を締め切らせていただきます。

前にも書きましたが、事前に私まで直接ご連絡いただいていない方の
突然のご来場につきましてはご遠慮下さい。
また他の方が管理するサイトの掲示板の中で
この会についてお問い合わせをされましても、
このブログ以外では一切受付しておりませんのでご回答できません。
あしからずご容赦下さい。

会の内容につきましてはまたこのブログにてご報告申し上げます。
ありがとうございました。
Comments (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BEFORE THE DEBUT IN JAPAN

2007-10-10 | THE MAGAZINES
このブログを初めて2年半あまり、
たくさんのアラン・ドロン・ファンの方々とお知り合いになれたことは
私にとってお金にも換えがたいかけがえの無い財産です。

今年の春、NHK・BSのドロン特集放映前の特別番組用の資料として
ドロンさんの初来日時の情報をお持ちの方はいらっしゃいませんか?と
このブログで呼びかけをいたしましたところ、
私よりも年長で、ドロンさんのデビュー当時からのファンであるという方から、
大変丁重なメールとお手紙を頂戴しました。
ハンドル・ネームを「舞輪」様と仰るその方から、その時に素晴らしいプレゼントが送られてきました。
ご本人の許可も得ておりますので、
今回は舞輪様からいただいたその貴重な資料をここにご紹介します。

1959年の映画雑誌(恐らく「映画の友」か「スクリーン」)の中で
映画評論家の故荻昌弘氏が当時試写会で見た
日本デビュー直前のドロンさんについて書き綴った素晴らしい文章です。

ちょうど先日スマスマにご出演されたドロンさんが
自分の(アクターとしての)演技についてや、デビュー当時について語った内容が、
今から約50年前のこの荻氏の文章の中に既に予言のように書き記されていることに
ただただ恐れ入るばかりです。

舞輪様、貴重な資料をお送りただき改めて感謝申し上げます。
誠にありがとうございました。

-----------------------------------------------------------

「ききしにまさるアラン・ドゥロン」  荻昌弘

ききしにまさる逸品である。
まさにこれなら、「フランスにジェームズ・ディーン誕生」と詣われても、
さほど大ゲサな大ウソとは言いきれまい。
エラい奴が釣上りやがった、というフランス映画界の欣び、
飛んでもねえ敵が出やがった、というハリウッドの口惜しがり、
そして世界中のハイティーン映画フアンの雀躍ぶり。
眼に見えるようである。

フランスの二枚目、といえは、若いファンは誰しもジェラール・フィリップを想う。
あれだけの上背もなければ、繊細微妙な紳士の〝はじらい"にも縁の遠いドゥロンだ。
しかしこの青年には、古典的なジェラール・フィリップがついに持てなかった、
考えるより走れの現代の率直さがある。
づけづけ女性に押入って行く甘味がある。
黒く長いまつ毛がしっとり濡れてるところなぞ、
とんだクラシック二枚目の伝統を守りながら、
しかもその美貌のどこにも十九世紀の古さを止めてないのが、
心憎っくき活力である。

ジャン・クロード・パスカルをオートバイに乗せても似合うまい。
アラン・ドゥロンは、一口に言って、これこそ"単車でとばす"スタアの代表だ。
つまりはまだ子供なのである。
素肌へじかにナイロンのワイシャツを着て、
その上半身の線が、無垢のかもしかの硬さを想わせる子供なのだ。
そしてこの子供、特に表情の反応の早さがすばらしい。
長いまつ毛と薄青い瞳で、しかももしお面がのっぺりこわばっていたとしたら、
誰が今更、そんなレディ・メイドの甘さを買うものか。
彼のいのちは、先ずそのエネルギイが、
打てば響く神経で表情を豊かに彩ってるところにあるのだろう。

パリに生まれて、しかも両半球を股にかけた青春遍歴。
多くの人に会って、多くのことを学んだと自ら言う。
その〝動いて掴んだ″人生体験が、この二十五歳の青年には、
学歴派スタアにない雰囲気を、つけ加えているようだ。
昔だったら、心のかげ、といったようなもの。
しかしそれが〝暗さ″にならず、
何よりも〝行動″の感覚になって溢れてる点が、
さすがは一九五九年のスタアである。
特に演技の勉強もなく映画入りわずか二年で第一線にのしあがったのも、
単に幸運と美貌のおかげばかりとはいえまい。

待たれるのは次回作。いや、「お嬢さんお手やわらかに!」の前の
「クリスチーネ」が、既に日本の土を踏んでる筈だ。
人気が爆発しなかったら、それこそどうかしてる近来の掘出しものである。
Comments (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

SMAPXSMAP

2007-10-09 | TV APPEARANCES
昨日アラン・ドロンさんがご出演されたスマスマですが、こちらの予想していた以上に充実した内容でした。

ドロンさんは以前よりもスリムになられて、モーリシャスでの休日の影響からかいつもより日焼けして健康そうな姿を見せてくれました。

事前にドロンさんにはスマップの情報がADID社経由で伝わっていたようで、特に『武士の一分』でサムライを演じたキムタクには“キムタクサン”と親しみを込めて呼びかけるシーンもありました。

ただし料理については冷静で辛口な批評が随所に飛び出して、いつもとは勝手が違うメンバーたちの動揺振りがこちらにも伝わってきました。
ドロンさんもフランス料理についてのエッセンスをそれぞれのメンバーに詳しく伝えようとしており、それに対して謙虚に聞き入っているメンバーたちの姿にも好感が持てました。
キムタクだけはさすがにプライドを傷つけられたのか横を向いているシーンもありましたが彼の本心ではないものと思います。

番組恒例の香取慎吾の変装パフォーマンスは今回はなく、カンヌでドロンさんと一緒に撮ってもらった写真を「大切にしている。」と真剣な顔で話したのも、ドロンさんは嬉しかったのではないでしょうか。

番組冒頭ではドロンさんのプロフィールとフィルモグラフィーを紹介する映像が流れましたが、もう少したくさんの作品を若い人たちに紹介してもらいたかったなと思います。

中居くんがドロンさんにご自身が選ぶベスト5作品は何ですか?と質問した際のドロンさんのチョイスに少し驚きました。

『太陽がいっぱい』『山猫』は予想通りですが、その他に『太陽が知っている』『暗黒街のふたり』『高校教師』
の3作品が入っていたのです。

選択の理由についての質問がこの後なかったのが大変残念なのですが、ロミー・シュナイダー、ジャン・ギャバンとの共演作ということで最初の2作品は選ばれたのでしょう。
私が驚いたのは『高校教師』です。
1996年のインタビューで既にこの作品を気に入っていることを話されていましたが、(詳細についてはtakagi様のブログ、こちらをご覧下さい。
Virginie Ledoyen et le cinema francais - 回想するアラン・ドロン:その9
まさかご自身のベスト5に入っているとは大変嬉しく思いました。

その他にはアクターとコメディアンの演技の違いについて、好きな仕事に携わっていられることの素晴らしさ、などなど彼の一言一句全てが私の心に響いてくるものばかりでした。

このような素晴らしい番組を企画してくださったフジテレビのスタッフの方々に心から感謝申し上げます。
Comments (10)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

MORT D'UN POURRI チェイサー(4)

2007-10-08 | THE 70'S CINEMA
フランス盤DVDのライナーノーツに、
この作品の製作にまつわる裏話が書かれていましたのでご紹介します。

------------------------------------------------------------------------

ジョルジュ・ロートネル監督の証言。

“確かあれは『Le Crocodile』という題名であったと思うが、
ルイ・ド・フュネスが主演する新作映画の企画に、
脚本家のミシャル・オーディアールと共に参加して、
二人で脚本を書き始めたときから物事が悪い方向に向かいだしていた。
当初私たちはプロデューサーが破産の危機に瀕しているなどとは全く予期していなかったんだ。
ルイ・ド・フュネスは私たちが書いた脚本を気に入らないと拒否しつづけ、
挙句の果てに私たちを雇ったプロデューサーが仕事を放り出して逃げてしまったのだ。

製作スタッフの一員であったという理由から私は法廷に呼ばれ、
自分の行ってきた仕事について説明しなければならなくなった。
私が裁判官の前に出廷したちょうどそのときに、
何とアラン・ドロンの顧問弁護士であるモアチという人物が突然法廷に入ってきて、
裁判官の耳元で二言三言ささやいたんだ。
そして瞬く間に私はこの破産した会社との関係から開放されたのだった。

この突然のどんでん返しの出来事から数時間後、
私はアラン・ドロンの事務所に招かれ、
映画『チェイサー』の企画に携わるようになっていた。
オーディアールもこの作品のプレ・プロダクションの後半にだけ参加した。”

---------------------------------------------------------------------

“もしこの作品が成功しなかったら、
私は俳優の仕事も映画製作の仕事もこれを最後にやめるつもりだ。”
アラン・ドロンは親しい記者にこう漏らしていた。
現実にこの作品への出資は半分しか集まっておらず彼は深刻な事態にあった。
彼はこれまでのキャリアで初めて資金難に陥っていたのだ。
実際この直前に主演した4作品では30万人の観客さえ集めることはできなかった。
それゆえアラン・ドロンは製作資金を全て自らの力で調達しなければいけなかった。

“『パリの灯は遠く』は『友よ静かに死ね』程度の観客動員しか達成できず、
『アルマゲドン』や『プレステージ』にいたっては大失敗だった。”
ドロンはこう“France Soir”誌に説明している。
“今度の『チェイサー』では私は新しい役柄を演じている。
筋書きもよくできているし、
何よりもたくさんの素晴らしい俳優たちに囲まれて演技をするのは今回が初めてだ。
これは大変居心地のいい経験であるけれども、それにかかるコストも膨大さ。
この『チェイサー』が成功するか失敗するかは多くのことに左右されるだろう。”

ドロンはこの映画のテーマである「腐敗」に大きく心を動かされた。
“私たちは今世紀に起こった、政治の「腐敗」だけでなく
あらゆる出来事に関しての「腐敗」について議論を交し合ったんだ。
そして正直であること、勇気を持つことこそが
「腐敗」に対処する最も有効なものだという結論に至ったんだ。
もっともそれらは現代では失われようとしているけれどね。”
ドロンはこういう観点に立って考えてみると
この映画は万人に受け入れられるものにはならないであろうと認識していた。
だが一か八か彼はよりリスクの少ないこの企画に乗り出したのであった。

“撮影の間中ずっとアランは資金的な苦悩に心を蝕まれていた。”
ジョルジュ・ロートネルはこう述懐する。
“彼は問題に直面すると突然かんしゃくを起こすんだ。
そうなると私はその暗雲が消え去っていくのを待つしかなくなるんだ。”
“その苦悩と言うのは主にプロデューサー・ドロンにとってのものではあったが、
俳優ドロンというのも必ずしも扱いやすい俳優というわけではなかった。”
そしてドロンが現場に来たときには全ての準備が整っている必要があった。
ロートネルはこう語った。
“撮影の合間に長い待ち時間があったりすると彼はいらだってしまうんだ。
「これは何だ?準備ができていないなら私がここに来る必要なんかないじゃないか。
私には無駄に過ごす時間なんて無いんだ!」ってね。”
“確かにドロンは直感的な俳優で、全ての力を1回の演技に集中させるタイプなんだ。
なので共演する俳優たちの演技がまだ不十分だなと感じるときは
私は彼らとだけでリハーサルをし、
彼らの演技の熱が高まったときに初めてドロンを呼ぶようにしたんだ。”

-----------------------------------------------------------------------
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

LE FIGARO

2007-10-07 | THE INFORMATIONS
今週フランスで発売される"LE FIGARO"誌は
秘蔵の美術コレクションを初めてオークションに出品する
アラン・ドロンさんの特集です。

記事の内容はこちらで確認できます。
   ↓
http://www.lefigaro.fr/magazine/

記事の中の写真はこちらです。
   ↓
http://www.lefigaro.fr/magazine/20071005.WWW000000509_la_galerie_privee_d_alain_delon.html

----------------------------------------------------------

先日下記のブログをブックマークに追加しました。
素晴らしいサイトですので皆様どうぞご覧下さい。

映画の宝石箱★美しき菫色の刻に愛を込めて
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

INDEX (2) 更新前

2007-10-03 | INDEX
新しいINDEXは作成済みなのですが
いただいたコメントはこのまま残しておきたいので、
このような形で削除はぜすに保存いたします。
Comments (5)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする