LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

『世界的スター アラン・ドロンのすべて』

2021-07-16 | TV APPEARANCES

昨日放映された『世界的スター アラン・ドロンのすべて』ですが、私なりに感じたこと、思うことを今回は書いてまいります。
なおネタばれを含んでいますので、まだご覧になっていない方はスルーしていただければと思います。

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今回のインタビューはフランスのテレビ・プロデューサー、シリル・ヴィギエール氏がこれまでのドロンさんと築かれてきた信頼関係を基に実現させた企画であり、世界中のドロンさんのファンにドロンさんの復活を印象付けることに成功したのであろうと思います。
この方は私と同い年ですが、その熱の入れようから、彼もドロンさんの大ファンなのであろうということも理解できました。
ですので放映前の期待は非常に私の中で高まっていました。

私が前々回の記事で翻訳したパリマッチ誌のインタビューの冒頭部分まではよかったです。

ところが番組が進むにつれて、だんだんとこのシリル氏の質問の内容が私には不快なものになっていきます。
男性女性を問わず行われてきた映画界でのセクシャルハラスメント行為について、反社会的勢力とのつきあいについて、などは「そこまで聞くの?」という愚問でした。

それに対して正直に答えてしまっているドロンさんの姿も「どうしてしまったんだろう?」という違和感を覚えました。
「85歳になったから何でも話してもいいだろうと思った。」といった趣旨のお言葉がありましたが、これまでであれば彼と関わりのあった人たちへの思いやりを持って口を閉ざしていたであろうはずのドロンさんらしくない発言です。

ドロンさんも久しぶりのテレビ出演に心が解放されてサービス精神を発揮しすぎてしまったのでしょうか。
かなり踏み込んだ回答をしていますが、正直そこまで答えなくてもよかったのでは、と思うことが随所にありました。

また、フランスの歴代の大統領についての考えまでは特に問題なかったのですが、アメリカやロシアの指導者、フランス、アメリカの若手俳優たちに対する無関心、などもあえて話す必要はなかったと思います。

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大変期待していただけに残念な番組内容でしたが、もしかしたら「すごくよかった。」と思われている方もいらっしゃるでしょう。
そういう方々にとって今回の記事は不愉快な内容になってしまいましたこと、どうかお許しください。

あくまでこれは私の感想にすぎません。
一人のファンの愚痴として、どうぞお聞き流しください。

また番組内の日本語字幕で「ダ行」の日本語変換ができていないといった粗削りな箇所も多々ありましたので、もしかすると日本語訳の言葉足らずのせいで私が誤解している部分があるかもしれません。

改めてパリマッチ誌を読み返してみようと思っております。

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1986.2.6 ニュース・ステーション【2】

2020-02-06 | TV APPEARANCES

前回の続きです。

当日のニュースで、パリのレマル広場のショッピングセンターでの爆破テロを報じたことを受けて久米氏がドロンさんに質問します。

K:(パリの悪化した治安について)どうしてこうなってしまったのでしょう?


AD:フランスでは人権的にいろんな外国人を受け入れています。
その中にもちろんテロリストが紛れ込んでしまっているのです。
フランスではあまりにも簡単に出入りできますから。
私はテロは絶対反対です。
なぜかというとテロという言葉には人に恐怖を与えるという意味があります。
人に乱暴を働いてもなんの成果もありません。
一番残酷なのは何にもイデオロギーで関係のない人たちが犠牲者になることです。

K:カトリーヌさんに番組の印象をお聞かせください。

カトリーヌさん:非常にわかりやすく紹介されている。映像もいいし面白そうです。

K:ドロンさんは俳優というより今は実業家である、と先ほどご紹介しましたが、実は50歳でいらっしゃるんですが、とてもそういう風にはみえずにお若いのですが、これからも映画をたくさんおとりになるつもりなのでしょう?

AD:それはわかりません。
そのときの情熱によって映画を作りたければ映画を作りますし、ビジネスをしたければビジネスをします。
そのときそのときの情熱に燃えていきます。
人生は何度も楽しむべきだから。

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1986.2.6 ニュース・ステーション【1】

2020-01-25 | TV APPEARANCES

ちょうど今から34年前の1986年2月6日にドロンさんが来日してご出演された『ニュース・ステーション』を今回から2回に亘ってご紹介します。

当時50歳のドロンさんは私生活でのパートナーであったカトリーヌさんとともに来日し、珍しく一緒に出演されています。

司会の久米宏氏とのやりとりは以下の通りです。

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久米宏氏(以下K):昨日の午後日本に着いたとのことですが今パリに比べて気候はいかがですか?

アラン・ドロン(以下AD):だいたい同じです。こっちの方がずっと晴れていますけれども。

K:お隣にいらっしゃる女性をご紹介いただけますか?

AD:美しい女性を紹介するのは私にとっていつも楽しいことです。
彼女はカトリーヌと言ってフランス人で美しくて頭のいい女性です。
とてもシャイな女性なので、質問を受けても答えるのに時間がかかるかもしれませんがそういう性格なので心配しないでください。
今私は彼女と一緒に生活を共にしていて、これからも長くいられることを祈っています。

K:奥さん、ということでよろしいですか?

AD:結婚はしていませんが、一緒に暮らしています。
だから愛し合っているということで、フランスでは普通の事です。

K:日本でも実は普通なんです(笑)

AD:それが社会の自由化ということでしょう。
結婚ということは一人で決心するのではなく二人でしっかり考えた上で決める事なので、少しは時間がかかるわけです。
だから一緒に暮らしてみてから決める方が長く続くのです。

K:彼女はデザイナーで経営にも携わっていたようなので、これは報道番組なのでまじめなことを聞きたい。
フランスの景気、経済情勢は最近どうですか?

AD:非常に経済はうまくいってないと思います。
自分は社会党が大嫌いなので、今のミッテラン政権が変わればうまくいくだろうと思います。
あくまで私個人の意見ですが、それで経済はうまくいくでしょう。

K:映画俳優というより実業家というイメージが強いので、こういう質問をするといろんなことを仰ってくれるだろうと思って聞いたのですが、続きはまた後で聞きます。
ところで来日は6回目だそうですが京都に行ったことはありますか?

AD:結婚、経済、京都 と次々に質問がバラエティーに富んでいますね(笑)
いいんですよ(笑)

K:京都で見学者が観られないお寺があります。
その普段内部が公開されていない京都東山の泉涌寺の映像をご覧ください。
すみません話があっちこっちに飛びまして(笑)

~楊貴妃観音像の映像と泉涌寺の映像が流れる~ http://www.mitera.org/

K:(通訳のマドレーヌさんに向かって)そんな難しい顔して観るもんじゃないと言っといてください(笑)

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最後の久米氏の一言は余計だったように思います。(ドロンさんは余裕で聞き流していましたが)

 

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ALAIN DELON - Rendez-vous avec/with... - Cannes 2019 - VF

2019-05-21 | TV APPEARANCES

昨日の授賞式に続いて会場内でドロンさんがご出演された公開テレビ番組です。

1時間たっぷりとお話しされています。

ALAIN DELON - Rendez-vous avec/with... - Cannes 2019 - VF

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再放送:アラン・ドロン・ラスト・メッセージ

2018-11-01 | TV APPEARANCES
11月6日火曜日午後3時から再放送されます。
著作権の関係で一部内容変更があるとのことです。(information by Tomo様)

私の予想ですが、おそらくダーバンのCMの部分ではないかと思います。
初放映時の前半15分のロスが悔やまれていただけにこれは嬉しい情報です。


アラン・ドロン ラストメッセージ~映画 人生 そして孤独~ - NHK
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『アラン・ドロン ラスト・メッセージ~映画 人生 そして孤独~』を観て

2018-09-23 | TV APPEARANCES

昨日22時半からNHKBSで放映された『アラン・ドロン ラスト・メッセージ~映画 人生 そして孤独~』ですが、皆様はどうご覧になられましたでしょうか?

番組の中身については大変丁寧にドロンさんのこれまで歩んできた道が紹介されていて、ドロンさんの事を知らない方々にもわかりやすくなっていたのではないかと思います。

逆に言いますと、その分昔からのコアなファンにとってはいつかどこか他の局で観た番組の焼き直しのような部分もあり、さらに前半約15分間ドロンさんが登場しなかったことにも不満が残りました。
結局ドロンさんのキャリアの前半部分の紹介にかなりの時間を費やしてしまい、『ボルサリーノ』以降の後半の映画人生についてのドロンさんの言葉は大幅にカットされたのだなということが見ていて感じ取れました。

ただし番組の中でドロンさんが『愛しのレティシア』の冒頭の歌詞を口ずさんでいたのには驚かされました。
これまであの曲をオリジナルレコーディング以外で歌ったのは恐らく今回が初めてではないでしょうか?

また今はもう故人となってしまった共演者や監督、スタッフの名前を挙げながら一瞬悲しそうな表情を浮かべる姿にも感動させられました。(添付画像中央)

そして最後の最後にドロンさんの口から驚くような発言がありました。
日本から来た取材陣へのリップサービスかなとも思いましたが、前半のパトリス・ルコント監督の『映画が完成したらドロンさんと二人で(プロモーションで)日本に行くよ』という発言も含めてドロンさんのファンにとって大変希望の持てる締めくくりとなりました。

この最後のドロンさんの日本のファンへのメッセージを聞きますと、番組タイトルにつけられた『ラスト』の文言はドロンさんの意に反するものであったように感じます。

あくまで私の個人的な所見にすぎませんが、昨日Le Monde誌に自身の最新インタビュー記事をドロンさんが敢えてこの番組放映の前日に掲載することを許可したのは、もしかしたら「この番組のインタビューが決して『ラスト』ではないんだぞ。」ということを暗に示唆するためであったのかもしれないなと今は思っています。



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“世紀の美男子”が、いま何を語るのか?

2018-09-20 | TV APPEARANCES
いよいよ明後日の午後10時半からの放送となりましたが、番組の詳しい内容と制作スタッフの方々のインタビューが以下のサイトに紹介されています。


“世紀の美男子”が、いま何を語るのか? アラン・ドロン ラストメッセージ ~映画 人生 そして孤独~ |NHK_PR|NHKオンライン
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アラン・ドロン 単独ロング・インタビュー! アラン・ドロン ラストメッセージ【2分動画】

2018-09-16 | TV APPEARANCES
NHKBSのHPに予告動画が公開されています。


アラン・ドロン 単独ロング・インタビュー! アラン・ドロン ラストメッセージ【2分動画】|予告動画 |NHK_PR|NHKオンライン
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1 Chance sur 2 - Interview Belmondo & Delon - JT TF1 - 1998

2016-12-16 | TV APPEARANCES
1 Chance sur 2 - Interview Belmondo & Delon - JT TF1 - 1998
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A. Delon, émouvant "avant de partir, j'ai envie de tourner avec S. Marceau" 11/12

2016-12-16 | TV APPEARANCES
A. Delon, émouvant "avant de partir, j'ai envie de tourner avec S. Marceau" 11/12
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"L'Encyclopédie Delon"

2016-12-12 | TV APPEARANCES
フランスの現地時間で昨日の夜の生放送にドロンさんがパトリス・ル・コント監督と一緒にご出演された動画が公開されましたのでご紹介します。

先月出版されたドロンさんの書籍の内容に沿って、ドロンさんのキャリアを自らが語る内容となっています。
ドロンさんは顔色もよく生き生きとしていてお元気そうです。

"L'Encyclopédie>
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Entretien avec Alain Delon

2016-09-30 | TV APPEARANCES
Entretien avec Alain Delon
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Entre libre - France 5

2016-06-07 | TV APPEARANCES
昨日6月6日フランスのテレビに久しぶりに生出演されたドロンさんの番組が以下のリンクからご覧になれます。
20秒ほどのCMが2本終わってから番組が始まります。

番組では冒頭、息子のアンソニーが父親のキャリアについて語っています。
数か月前にベルモンドの息子のポール・ベルモンドが父親について語ったドキュメンタリーが放映されましたが、
今回は「アンソニーによるアラン・ドロン」という題名が付けられています。

その中で「ゾロは自分の為に撮影されたんだ。」と笑顔で話す彼には非常に好感が持てますし、
ドロンさんも「アンソニーから自分のキャリアについての話を聴くのは初めてだ。」と嬉しそうに仰っています。

それからはドロンさん自身による自分のキャリアの解説がはじまり、クレマン、ヴィスコンティ、メルヴィルとの出会いや、
自分はコメディアンではなく、バート・ランカスター、ジャン・ギャバンやリノ・バンチェラと同じくアクターであるといったこと、
さらに『太陽がいっぱい』で日本で人気を得たことなどをお話しされています。
私たち日本人が知らないところで今だにドロンさんが日本について語っていらっしゃることに感慨無量です。

それ以外にも若い映画監督や絵画のアーティストからドロンさんに対するリスペクトの話であったり、
ドロンさんの歌手としての側面にスポットを当てたりと、かなりドロンさんについて深堀りされた企画でした。

久しぶりに公の場でお話しするドロンさんを見ましたが、さすがにお年を召されたなと感じる反面、
変わらぬ威厳とオーラでもって画面をさらっています。

30分に亘る最新のドロンさんの雄姿を皆様どうぞお楽しみください。

Revoir en replay et en streaming "Replay - Entre libre" - Entre libre - France 5
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" Belmondo par Belmondo" - Teaser

2015-08-14 | TV APPEARANCES
" Belmondo par Belmondo" - Teaser
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Belmondo par Belmondo (2)

2015-08-09 | TV APPEARANCES
昨日ご紹介したベルモンドの番組の予告映像が下記のサイトから観ることができます。

Belmondo et Delon runis dans un documentaire ! - Le Point
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