LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

FRANK RIVA アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ (5)

2007-12-16 | THE 00'S CINEMA
『アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ』放映もいよいよ第5話まで終わりました。
あと残すところは最終回のみとなってしまいましたが、
今回の第5話は非常に完成度の高いドラマであったと思います。

この第2シリーズは主人公のリーヴァ一人ではなく
彼の周りの登場人物の描写にもそれぞれ時間を割いているせいで、
物語の焦点が絞りにくくなっているのが欠点と前回書きましたが、
この第5話ではそういうことはなく、各俳優それぞれの熱演のせいもあって、
あっという間に時間が過ぎてしまいました。

登場人物一人ひとりの行動が決して場当たり的ではなく、
いわゆる偶然の出会いで物語が進行することは皆無で、
必然の行動結果の積み重ねでドラマを盛り上げていく脚本のうまさが光ります。

また「ニーナの子供を守る」という一つの目標を共有することによって
刑事仲間の中で新たな連帯感が生まれてきていることが
観ている者にとって大変心地よいものになってきました。

さらにリーヴァは彼らの中で理想的なリーダー像となっており、
人間的にも尊敬されている事が現実のドロンさんとダブって見えてきます。
今回は受身の演技が多いドロンさん扮するリーヴァの表情も
劇中でミレイユ・ダルク演じるカトリーヌから指摘されたように
とてもいい顔つきになっています。

脇役の俳優陣の中ではエズペランザ刑事を演じる
エリック・デュフォッセの演技には眼を見張るものがあります。
ドロンさん関連の作品では『ハーフ・ア・チャンス』『刑事物語』に続く出演ですが、
今回の南米からやってきた刑事の役はやや年齢も高めに設定されているようで
声色も完全に変えての熱演は非常に魅力的であり、
この第2シリーズでは彼の存在抜きには考えられません。

ニーナの生んだ子供の名前が「アントワーヌ」というのは
ドロンさんの現実の世界を彷彿とさせるものですが、
さらにキャフェの傍らで泣く赤ん坊を抱きかかえる見ず知らずの母親の姿を見たミレイユさんが
「昔のことを思い出すわね・・」とドロンさんに語りかけるシーンは
往年のファンには感慨深いものとなりました。

いよいよ来週は最終回です。
次回はドロンさんのフィルム・ノワール時代を思い出させるシーンが満載で、
久々のガン・プレイも見られます。
どうぞお楽しみに。
Comments (4)
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