LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

CINE TELE REVUE (1)

2005-10-30 | THE MAGAZINES
2002年12月発売 
仏“CINE TELE REVUE”誌
の表紙です。

『FABIO MONTALE』の放映に合わせた
ドロンのインタビュー特集記事があります。
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『UN FLIC』

2005-10-29 | THE SOUNDTRACKS
Un flic (1972)

『リスボン特急』の主題歌(上)と劇判(下)が1曲づつ聴けるCDです。
上が“ミシェル・コロンビエ ドリームス~作品集”
下が“フィルム・ノワール・アンソロジーVOL2”です。

音楽を担当しているのは昨年惜しくも亡くなったミシェル・コロンビエMichel Colombierで、
アラン・ドロンの作品では本作と82年の『LE BATTENT』(『鷹』)
の音楽監督として関わっています。

『リスボン特急』の音楽はメルヴィルの指示からか、
コロンビエの作品としては暗く地味なものですが、
時折聴けるアコースティック・ベースの響きが印象的で、
また不気味なオーケストラの演奏は何を考えているの不可解なところがある
ドロン刑事の言動にうまくフィットしたものとなりました。

メルヴィル監督からどのような経緯でこの作品に抜擢されたのは定かではありませんが、
メルヴィルの弟子といった立場のフィリップ・ラブロ監督が、
本作を最後に他界したメルヴィル監督の後を引き継いで
ミシェル・コロンビエとのコンビがその後続くことになります。
なかでもジャンポール・ベルモンド主演『相続人』はメルヴィル・タッチの映像美が素晴らしく、
そこに流れるコロンビエの音楽もこの上なくクールで私の大のお気に入りです。
(『相続人』のサントラは『危険を買う男』『潮騒』とのカップリングで
最近CDが発売されています。Universal music

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USUAL APPEARANCES いつも出てくる人(2)
画像リニューアルしました。
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FABIO MONTALE アラン・ドロンの刑事物語(3)

2005-10-28 | THE 00'S CINEMA
第3話のタイトルは“SOLEA”
これは『ソレタード=孤独』を意味するアンダルシア地方の方言とのことですが、
劇中ドロン扮するモンタル警視が愛聴するレコードにある曲の題名からの引用でもあります。
そのアルバムとは、1959年発表の
マイルス・デイビス/スケッチ・オブ・スペイン +3
です。(「SOLEA」は5曲目に収録されています。)

実際にドラマの中でこの曲が流れることは一切ありませんでしたが、
主人公モンタルの孤独な心情を表すジャズ調のサントラの曲に
「SOLEA」の雰囲気を受け継いだようなものを感じることができました。

マイルス・デイビスのことをより深く知りたくなり、
CBSの公式サイトMiles Davis
を見たり、研究本を買って読んだりしているうちにあることに気がつきました。

「アラン・ドロンとマイルス・デイビスには共通点がある。」

ということです。

その共通点とは、
「二人の経歴を辿ることにより各々の活躍する分野の歴史が見えてくる」
ということです。

上記サイトにあるようにマイルスの経歴は初期のハードパップ時代から
後期のエレクトリック時代に至るまで、常に時代の先頭を走り続け、
彼とコラボレートしたミュージシャンはそれぞれマイルスを離れて
単独で活躍の場を広げてからも「以前マイルスと共演した」ことを
ひとつの勲章のように言われます。
マイルスの歴史はすなわちモダン・ジャズの歴史でもあります。

一方のアラン・ドロンはどうかというと、
彼もまた初期の巨匠監督たちに使われていた時代から
中期後期のアデル・プロ独立プロデューサー時代に至るまで、
常に近代フランス映画界の中心に位置し、
彼と共演した俳優や演出した監督はそれぞれ単独でも独自の地位を築いています。
残念ながら休止中ですが、ライブ(舞台)活動にも積極的で
創作意欲が衰えていないことも晩年のマイルスに似ているように思います。

二人の天才アーティストは恐らくお互い会ったことはないでしょうが、
これからも私たちに大きな影響力をもたらしてくれることは間違いありません。
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FABIO MONTALE アラン・ドロンの刑事物語(2)

2005-10-27 | THE 00'S CINEMA
本日放映の第3話のモンタルは、
政界汚職を記録した「セラノ文書」が原因で殺された親友の敵を討つまで、
頑なに警察への協力を拒んだ『チェイサー』の主人公グザヴィエ
を思い出させるキャラクターでした。

マチルダ・メイ扮する女性警部のモンタルを慕う気持ち、
部下の若い刑事たちのモンタルを守ろうとする熱意、
親友フォンフォンの友情から来る手厳しいモンタルへの忠告、
など全ての善意がモンタルという人物の人間的な魅力に起因するもので、
その主人公をアラン・ドロンという大スターが演じるからこそ、
それがリアリティを持って視聴者に伝わってきます。
本当に今のドロンの年齢にふさわしい良質な作品を残してくれたと思います。

アコースティック・ギターの奏でる叙情的な音楽はフランソワ・ド・ルーベ風であり、
サスペンスシーンのBGMはエンニオ・モリコーネ風、
エンド・タイトルはジョン・バリー風、
と正統派の映画音楽を堂々と聴かせてくれます。
担当をしているのは『LE LION』と同じSerge Perathoner & Jannick Top
のコンビです。
サントラCDは発売されていないのが残念ですが
フランス盤DVDには特典映像に録音風景が記されており
これも見ごたえがあります。

マチルダ・メイの息子トマに扮した子役はドロンの息子のアラン・ファビアンで、
自然な演技に好感が持てました。

これからもこの作品を何度も見直すことになりそうです。
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FABIO MONTALE アラン・ドロンの刑事物語(1)

2005-10-26 | THE 00'S CINEMA
"Fabio Montale" (2001) (mini)

昨日からNHK・BSで再放送中ですが、
このドラマはドロンの近年の出演作の中でベスト・ワンの作品だと私は思います。

ドロンが現役の刑事を演じた作品はこれまでに
『リスボン特急』『フリック・ストーリー』『テヘラン1943』『私刑警察』、
元刑事を演じた『危険なささやき』『復讐のビック・ガン』と合わせて6作品と、
あまり多くはないのですが、
今回のドロン刑事のキャラクターは70年代に演じたクールさを取り戻し、
80年代の作品の中で時折見せていたコメディタッチの演技はほとんど見られません。
まるで『チェイサー』の主人公のように、友情を重んじ正義に生きる一匹狼の男、
それでいて後輩の面倒見がよく部下たちから慕われる
『私刑警察』のグランデル警部のその後の姿のようでもあり、
あるいは『燃えつきた納屋』のクールな判事のその後の姿のようにも見えます。

この作品のドロンは役作りの為か、かなり太っており、堂々とした恰幅で、
まるでジャン・ギャバンかリノ・ヴァンチェラが演じているように一瞬見える時があります。
きっとドロンは昔共演したこの二人の先輩スターたちの演技をいつか超えたいと思っていたのでしょう。
数多くのスターたちが逝ってしまい、唯一今も現役バリバリで生き残ってきたドロンが、
彼らへの敬意を込めて役作りに打ち込んだものと思われます。

ヘリコプターからの空撮や移動キャメラの撮影を多用したジョゼ・ピネイロ監督の作り出す映像美、
ドロン作品では『ボルサリーノ2』以来の舞台となるマルセイユの美しい風景、
そして過去のドロン作品で聞いたことがある懐かしい旋律(第3話冒頭)
を聞かせてくれる素晴らしい音楽ともども十分に楽しむことができるTVドラマです。

あともうひとつ、
マルセイユのせまい路地裏に車をすばやく走らせて事件現場に到着するときに見せる
ドロンの運転のテクニックもさすがに見事です。
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MAKING OF “1 CHANCE SUR 2”(8)

2005-10-25 | BEHIND THE SCENES
『ハーフ・ア・チャンス』メイキング映像、
第8回目はドロンとベルモンドら3人が
ロシアン・マフィアにとどめの一撃の爆破を電話で実況する痛快な場面の撮影風景です。

まず始めに
椅子に腰掛けようとした部分が冷たかったのか、
あるいはとげでも刺さっていたのか、
“ウォー”とうめき声を上げて起き上がるドロンの姿が映ります。

その後は映画での場面そのままですが、
異なったカメラアングルから3人のアップの画像を見ることが出来ます。

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FROM MY SCRAP BOOK (19)

2005-10-24 | THE BRILLIANT PHOTOS
同じく1978年のダーバンCMスティール写真です。

ロードショー誌より。
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FROM MY SCRAP BOOK (18)

2005-10-23 | THE BRILLIANT PHOTOS
1978年ダーバンCMのスティール写真です。

ロードショー誌より。
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FRANK RIVA (1)

2005-10-19 | THE 00'S CINEMA
"Frank Riva" (2003) (mini)

アラン・ドロンさんとミレーユ・ダルクが2003年に共演したフランスのTVドラマです。

物語はドロン扮するミステリアスな元刑事フランク・リーヴァが、
パリで起こったある殺人事件をきっかけに刑事に復職し、
事件を解決しながら過去の秘密が明らかになる過程を描いています。

主人公リーヴァ刑事が過去に愛した女性として登場するのがミレーユ・ダルクで、
まるで実生活で二人が再会して復縁したかのような錯覚を覚えます。
二人の演技はそれだけ真に迫る感動をもたらします。

日本では未放映のままですが、いつかオンエアされる日が来ることを祈ります。
      ↑
(2007年10月追記)
この祈りがようやく通じたようで、
いよいよ2007年11月8日、ドロンさんの72歳の誕生日に
WOWOWにてオンエアーされます
      ↓
アラン・ドロン デビュー50周年記念 アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ|WOWOW ONLINE

またこの作品のサントラ盤についてはこちらに記述しています。
     ↓
『FRANK RIVA』
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PARIS MATCH (7)

2005-10-18 | THE MAGAZINES
同じ号のパリマッチ誌より。

ミレーユ・ダルクからアラン・ドロンに書かれた手紙を読むドロンと
楽屋でくつろぐ二人のスナップ写真です。

手紙の末文には
“Je suis avec tois.”
とあります。
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PARIS MATCH (6)

2005-10-16 | THE MAGAZINES
10月6日にフランスで発売されたパリマッチ最新号より

ミレーユ・ダルクがアラン・ドロンと過ごした日々について、
前半のアラン・ドロンのインタビューに続いて
近々出版するミレーユの自伝からその抜粋が紹介されています。
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FROM MY SCRAP BOOK (17)

2005-10-12 | THE BRILLIANT PHOTOS
スクリーン誌より。

昨日のCM映像からのスティール写真です。

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10月13日 THE CONCORDE AIRPORT'79 (1)(2) 画像リニューアルしました。
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D'URBAN (7)

2005-10-11 | CM FILMS
1978年度CMより。

ミネラルウォーターを飲み、シャツを着て、スーツを身に付ける、
一連の朝の仕事に出かける前のひとときの姿を
ほとんどワンカットで収めた大変シンプルで上質な作品です。

70年代後半のアラン・ドロン主演映画はやや失速気味だったのですが、
それと反比例するかのようにCMの完成度はどんどん増していったように思います。

このバックに流れる小林亜星氏作編曲のBGM(曲名“ラスト・ダンス”)は
他の年度の音楽とはやや趣きを異なる
デューク・エリントン・スタイルのジャズ・ナンバーで
私の大のお気に入りです。
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『La Race des 'seigneurs'』 ET 『La Veuve Couderc』

2005-10-10 | THE SOUNDTRACKS
『個人生活』のサントラ・アルバムは単体では発売されておらず、
写真のアルバムに3曲収められています。

音楽自体はカトリーヌ・ドヌーヴ、マルチェロ・マストロヤンニ主演の『ひきしお』からの流用ですが、
本作はアレンジをステファン・グラッペリのヴァイオリンをメインに据えた
ゴージャスなビッグバンド・ジャズに変え、
パリの政界に渦巻く人間模様を表層的に捉える効果をもたらしています。

(1)にも記載しましたが、アラン・ドロンの映画でフィリップ・サルドが音楽を担当したのは
『帰らざる夜明け』『暗黒街のふたり』『個人生活』『愛人関係』『チェイサー』『未知の戦場』『最後の標的』
と実に7作品もあります。
フランソワ・ドルーベ5作品、クロード・ボラン6作品を上回るドロンのお気に入りの作曲家ナンバー1と言えます。

70年代後半から80年代初めのサルドの映画音楽は、わざわざイギリスに出向き、
ロンドン交響楽団の演奏をバックにアメリカのジャズ・ミュージシャンを起用して
彼らにメインのソロを演奏させるパターンが頻繁に見られました。
フランスのプロデューサーたちはコストがかかると初め懸念しましたが、
演奏に緊張感があり短期間でレコーディングが終了するので、
結局フランス国内で録音するより安く仕上がったそうです。
(このCDのライナー・ノーツでピエール・グラニエ・ドフェール監督のコメントに書かれていました。)

『チェイサー』のスタン・ゲッツ(テナーサックス)がそのイギリス録音の代表格ですが、
それ以外にも、ベルモンド主演作『警部』のチェット・ベイカー(トランペット)、ヒューバート・ローズ(フルート)、や、
同じくベルモンド主演『道化師』でのトゥーツ・シールマンス(ハーモニカ)、
モンタン、ドパルデュー、ドヌーヴ共演作品『武器の選択』(未公開)でのロン・カーター(ウッド・ベース)など、
いずれも素晴らしい演奏を聴く事ができます。

なおこのアルバムには『帰らざる夜明け』のメインタイトルも収録されています。
ここではLPバージョンとは異なるロング・バージョンとなっています。
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La Race des 'seigneurs' 個人生活(2)

2005-10-10 | THE 70'S CINEMA
この作品は題名やポスターからは男と女の不倫恋愛ドラマと思われがちですが、
映画の内容はむしろ一人の男の躍進と破滅の物語で、
ドロンは「常に動き回る忙しい男」でかつ「表と裏の2つの顔を持つ男」という
彼が得意とする役柄を生き生きと演じています。

主人公の名は左翼政党の党首ジュリアン・ダンデュー。
(なぜか『栗色のマッドレー』の主人公と同じ名前です。)
与党との連立政権に参画し自らが大臣に就任することを画策している野心的な政治家です。

政党の党首として精力的に活動する傍ら、
飛行機で出遭った美しいモデル、クリージーとの逢瀬にのめり込み
そのことが世間に知れ渡ることになっても関係を断ち切れずにいる身勝手な男。

やがて度重なるすれ違いに耐えられなくなったクリージーから絶縁宣言を言い渡され、
その喪失感にもがき苦しむ主人公の気持ちが非常に丁寧に描かれています。

またこの映画が怖いのは周りにいる人物たちの二人に対する冷たい仕打ちも容赦なく描かれていることで、
特にクリージーの部屋で開催された食事会にドロンが参加し、
あたかもクリージーのパートナーであるかのように振舞うことの虚構を見透かされるシーンは
二人の限界が残酷に描かれ、身に覚えのある観客たち(?)はいたたまれない気持ちにさせられることでしょう。

ジャンヌ・モローとドロンはこの作品が初共演というのが意外な気がします。
“女優ジャンヌ・モロー型破りの聖像(イコン)”マリアンヌ・グレイ著、小沢瑞穂訳(日之出出版)
によりますと、ドロンは彼女が前から憧れていた俳優だったとのこと。
ドロンとは7歳違うだけでまだ若い彼女が、この作品ではもう少し年長のような設定からか、
普通なら演じるのを拒むような老いの悲哀を強調する描写も堂々とこなし、大女優の風格を感じさせられました。

ドロンとシドニー・ロームの衣装はクリスチャン・ディオール、
ジャンヌ・モローの衣装は(ピエール・カルダンではなく)ウンガロ、
他にもドロンが着るコートにバーバリーの裏地が見えたり、
ロームの部屋にヴィトンのバッグがあったりと
一流ブランドが勢ぞろいした画面作りは大変贅沢な気分にさせてくれます。
ドロンのスーツの着こなし、身のこなしは仕事人として大変参考になります。
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