LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

訃報 野沢那智様

2010-10-30 | THE DUBBING ARTISTS
本日午後3時36分 肺がんの為お亡くなりになりました。享年72歳ということです。、
これからもドロンさんの吹替えを続けていってもらいたかったのにと思うと残念でなりません。

現在開催されているアラン・ドロン生誕75周年記念映画祭のパンフレットにもコメントをお寄せいただいてましたが、
もしかするとそれが最後のお仕事だったのかなと思うと、ドロンさんとの不思議なご縁を感じます。

たくさんの素晴らしい吹替えをありがとうございました。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

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野沢那智様が吹替えを担当したアラン・ドロン作品は以下の通りです。
(自称吹替評論家様からご提供いただいた資料より)

「暗黒街のふたり」
「暗殺者のメロディ」
「生きる歓び」
「エアポート’80」
「お嬢さん、お手やわらかに!」
「危険がいっぱい」
「栗色のマッドレー」
「黒いチューリップ」
「アラン・ドロンの刑事物語」
「高校教師」
「個人生活」
「最後の標的~必殺ビッグ・ガン」
「サムライ」
「さらば友よ」
「シネマ」
「ジェフ」
「私刑警察」
「シシリアン」
「ショック療法」
「スコルピオ」
「素晴らしき恋人たち」
「ゾロ」
「太陽がいっぱい」
「太陽が知っている」
「地下室のメロディー」
「チェイサー」
「テキサス」
「友よ静かに死ね」
「泥棒を消せ」
「ハーフ・ア・チャンス」
「ビッグガン」
「ブーメランのように」
「復讐のビッグガン」
「フランス式十戒」
「フリックストーリー」
「冒険者たち」
「ボルサリーノ」
「もういちど愛して」
「レッドサン」
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Les Choses de la Vie

2010-10-24 | ROMY
一人の中年男が交通事故に遭う。彼は瀕死の重傷だ。
周りには事故に気付いた群衆があふれ、
衝突した相手のトラックの運転手は警察に事故状況を説明している。
車から投げ出されたその中年男には自分の周りがよく見えている。
だがここに来るまでの彼の過去の出来事と、これからの将来の夢の幻想が意識の中に現れ始めると
やがてロウソクの灯が少しずつなくなっていくように彼の命の炎も消えていく。

たったこれだけの話を1時間半の映画に詰め込んだ名作『過ぎ去りし日の・・・』(原題Les choses de la vie (1970))をご紹介します。


以下ネタバレです。

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ミッシェル・ピッコリ演じる主人公ピエールは妻カトリーヌ(レア・マッサリ)と別居し、
恋人のエレ―ヌ(ロミー)と暮らしている。
幸せに暮らしている彼の元に父親が突然現れ、別居中の妻カトリーヌと彼の息子と一緒に避暑地へ旅行するよう勧める。
家族への思いを断ち切れないでいるピエールは旅行の計画を受け入れる。
反発するエレーヌ、しかしピエールはまだエレーヌと人生をやり直すにはその覚悟が不十分だ。
彼は旅行先に向かう途中悩みぬいてエレーヌへの惜別の手紙を書き胸のポケットにしたためる。
だが突然また彼の心は変わる。やはり自分にはエレーヌが必要だ。
彼女のアパートメントに電話したが留守のためメッセージを吹き込む。
「これから二人で思い出のホテルで会おう、僕は先に行ってそこで待っている、」と。

交通事故はその直後に起こる。

エレーヌがそばを通りかかり事故現場の見慣れたピエールの車を見て収容された病院に駆けつけるが
一足遅くピエールは帰らぬ人に。
彼のポケットにはエレーヌへの惜別の手紙が入っていたはずであったが、
先に遺品の提示を受けて手紙を読んだ妻のカトリーヌがこれを破り捨ててあげる。
ピエールをめぐる二人の女性の哀しみはこのカトリーヌの機転で同じものとなったのだ。
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フランス盤DVDのライナーノーツによりますと、
当初のキャスティングにはエレーヌの役にレア・マッサリが予定されていましたが理由がわからずに彼女は離脱、
続いてエレーヌにアニー・ジラルド、妻カトリーヌにロミーが選ばれました。
その後二人の役が入れ替わり、不満に思ったアニー・ジラルドが離脱、(彼女はこのことをずっと後悔していた。)
なぜかレア・マッサリが再び復帰しカトリーヌの役に落ち着いたとのことです。

本作はこの脚本の妙は言わずもがなですが、冒頭の事故シーンのリアリティーから始まって
彼の過去の出来事を時間軸を錯綜させながら1本の線に導いていくクロード・ソーテ監督の演出手腕、
これが映画音楽デビューとなった若き日のフィリップ・サルドの才気あふれる音楽など
長所をあげればきりがない作品ですが、
何よりもヒロインを演じたロミー・シュナイダーの美しさがこの作品の魅力を決定的にしています。
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『NOUVELLE VAGUE』(5)

2010-10-18 | THE SOUNDTRACKS
アラン・ドロンさんとジャン・リュック・ゴダール監督との唯一のコラボ作品『ヌーヴェルヴァーグ』に採用された音楽を
『NOUVELLE VAGUE』(1)(2)(3)(4)にてご紹介しましたが、今回はその続きです。

以前にも書きましたが、この作品の正規のサントラ盤はECMレーベルから発売されていますが、
このアルバムは俳優の全ての台詞から効果音に至るまでを2枚組のCDに収めたもので、
音楽のみを個々に聞いていきたいと思えば、もう一度一枚一枚のアルバムを買わないといけないという
サントラ・ファン泣かせの代物でした。

私は今頃になってなんだと言われそうですが、最近になってようやくiTunesの良さに目覚めまして、
この機能を生かして(?)、『ヌーヴェルヴァーグ』の音楽もアルバムを買わずして1曲ずつ購入することができました。

というわけで今回ご紹介するのが以下の3曲です。

(掲載画像のジャケット写真左側から順に)

(1)Werner Pirchner の "Sonate vom rauhen Leben PWV 19: 1. 3 bars moll / 3 bars dur / 4 bars"
(2)Meredith Monk の "Do You Be?"
(3)Patti Smith の "Distant Fingers"

それぞれの曲が使われた場面はジャケットの下の2枚のキャプチャー画像をご参照ください。

(1)はこの映画の題名通り「波」を表した、ただしそれは夏の海岸に打ち付けられる明るい「波」ではなく、
静かな湖面に揺らぐ暗い「波」を表現する音楽です。
この場面はドロンさん扮する前半の弱い主人公と強いヒロインとの心のすれ違いを
左右に動くキャメラとこの音楽で表現するというゴダールの映画的な技法を満喫できるシーンです。

(2)は(1)の直前のシーンにほんの数秒だけ流れる、まるで獣の鳴き声のような不思議な音楽です。
はたしてこれは「音楽」といえるのか、「声」のパフォーマンスいう方がぴったりとあてはまるような音です。

YouTube - Meredith Monk - 1/8

(3)はパンク・ロック界の女王パティ・スミスのナンバー、今聞くととてもポップな曲ですね。
使われたのは皆さまもおわかりのように冒頭のドロンさんの登場場面でした。


これら3曲と以前にご紹介した曲たちは、ジャンルを超えてクラシックからロック、ジャズ、オルタナティブに至るまで
どれもバラバラなものが選曲されてるにも関わらず、なぜかとても統一感があることに気付かされます。
ゴダール監督はやはり天才なのでしょう。このような素晴らしい音楽を私たちドロン・ファンに届けてくれたゴダールに感謝!です。
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Une journée ordinaire (2)

2010-10-16 | THE INFORMATIONS
もうすでに皆様もご存知かとは思いますが、リハーサルを開始したはずのドロンさんの舞台にアクシデントが発生しました。
(画像はパリマッチ最新号より、舞台のキャストたちとドロンさんとの写真です。)

ドロンさんとは98年の舞台からのつきあいである演出家のBernard Murat氏(画像中央の方)がこのプロジェクトから離脱し、
したがって公演は延期されるかもしれないとのことです。
理由についてはBernard Murat氏とプロデューサーたちとの契約条件の不一致と報じられているようですが、
ここに至って唐突な感が否めません。はたしてこれが真実かどうかは不明です。

いずれにしても新しい演出家を探さなければならなくなったことは確かなようで、
いったいどうなっていくのか今後の動向が気になります。

ここまできたのならいっそのことドロンさん自身が演出を担当してもいいのではないかと個人的には思います。

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PARIS MATCH

2010-10-08 | THE INFORMATIONS
昨日発売されたパリマッチ誌には約1年ぶりにドロンさんの表紙が飾られています。
「父としての戦い」と題されたタイトル通り、
アラン・ファビアンとの親権を勝ち取ったドロンさんの最新のインタビューが掲載されているようです。
ファビアンくんも「刑事物語」のころに比べるとすっかり大きくなりましたね。

http://www.parismatch.com/People-Match/Cinema/Actu/Delon-le-combat-d-un-pere-216691/
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LE JOUR ET LA NUIT

2010-10-05 | Dossiers de Presse
1997年の日本未公開作品LE JOUR ET LA NUITのフランス版パンフレットです。

A4サイズより少し小さい正方形の珍しい形ですが、
白をベースとして監督のインタビューとスチール写真がセンス良く配置された
フランスらしいお洒落なパンフレットです。

映画自体がもう少ししっかりしていればなおのことよかったのになあと悔やまれる作品です。

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Une journée ordinaire

2010-10-03 | THE INFORMATIONS
もうすでに皆様もご覧になっていらしゃるかと思いますが
今週の月曜日からドロンさんと娘のアヌーシュカは来年1月の舞台に向けてのリハーサルを開始する、
というニュースが複数のサイトで紹介されています。
はたしてこれが本当なのかどうか定かではありませんが、より具体的になってきた可能性は高いようです。

Alain Delon et sa fille Anouchka partenaires au théâtre pour la première fois | France Soir
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Ari BOULOGNE

2010-10-03 | TRIVIA
前の記事と全く関連の無い話題で恐縮ですが、
ドロンさんが自分の息子とは決して認知しなかったAri BOULOGNE氏が
2001年にテレビ番組に出演した際のビデオを初めて観ました。
あまりにもドロンさんに似ていて驚いています。
皆さまはどうお感じになられますでしょうか。

Vido Ina - Interview Vrit de Ari Boulogne, vido Interview Vrit de Ari Boulogne, vido Ardisson Tout le monde en parle - Archives vidos Ardisson Tout le monde en parle : Ina.fr
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