【2006年2月記事 再投稿 画像拡大の為】
先日ご紹介しましたクライテリオン盤『サムライ』DVDの特典映像より、
映画公開直前にドロンが出演したテレビ番組での様子です。
番組の司会者とのやり取りの英語字幕を訳してみました。
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---『サムライ』とはどのような映画ですか?---
アラン・ドロン(以下AD)
「はじめに何よりもまず言っておきたいのは『サムライ』は芸術作品であるということです。
それは監督であるジャン・ピエール・メルヴィルの芸術作品です。
彼は長い間この物語を自分の頭の中であたためてきました。
まるで自分の子供のように大事にしてきたのです。
そしてようやく何とかそれを生み出すことに成功したのです。
『サムライ』の全てはジャン・ピエールの体内から出てきています。
物語は彼のアイデアであり、スクリプトも台詞も彼が書きました。
もちろん監督も彼です。
あらゆる面でこの映画は作家の作品です。
今日ではこのような作品は非常にまれなことでしょう。」
---一人の俳優としてメルヴィルと働くのはどうでしたか?
彼はあなた自身の内面について何か要求をしましたか?---
AD「まず第一に「サムライ」という言葉について説明します。
なぜならこれは私のキャリアにとってとても重要なステップだからです。
簡単に言いますと・・・」
---いや簡単に言わないで下さい(笑)。---
AD「話の筋を言うわけにはいきませんから簡単に言います(笑)。
映画『サムライ』のテーマは『孤独』です。
日本の侍についての書物である『武士道』からの引用に全てが集約されます。
“侍の孤独ほど偉大なものはない。まるでそれはジャングルの中のトラのようだ。”」
---とても美しい言葉ですね。---
AD「はい、そうです。」
---あなたの役柄は完全に孤独ですね。---
AD「その通りです。彼はパリに住んでいる現代の侍なのです。
そしてこの映画はそのジャングルに住む虎の物語なのです。」
---捕らえられようとしている?---
AD「捕らえられようとしていて、なおかつ孤独なのです。」
---すばらしい役柄ですね。---
AD「そう思います。」
---この映画が撮れて幸せでしたか?---
AD「非常に嬉しかったです。
先ほどあなたはメルヴィルについて私に尋ねました。
私がそれに答えなくてはいけないことは至極単純なことです。
そして簡潔に言えます。
彼は最も偉大な監督であり、その点で彼と共に仕事が出来たことは
私にとって運が良かったし、大変な喜びであり、誇りでもあります。
何がどう偉大かと説明するにはとても時間がかかります。
とにかく彼は素晴らしいのです。
彼は誰よりも映画のことをよく知っていますし
私の知る限り最も偉大な監督であり、最も偉大なキャメラマンです。
フレーズ、ライティング、全てにおいてベストです。
彼は映画の歩く百科事典です。」
---あなたがそのようにメルヴィルについて仰るのを聞くと嬉しくなります。
なぜならあなたはこれまで何人もの偉大な監督たちと仕事をしてこられたので
メルヴィルが彼ら巨匠たちと十分に並び称される存在であることが分かるからです。
これほどメルヴィル監督にとっての賞賛の言葉はないでしょうし、
なおかつ私含めて視聴者の皆さんもあなたに大いに賛同しています。---
AD「それは嬉しいです。」
先日ご紹介しましたクライテリオン盤『サムライ』DVDの特典映像より、
映画公開直前にドロンが出演したテレビ番組での様子です。
番組の司会者とのやり取りの英語字幕を訳してみました。
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---『サムライ』とはどのような映画ですか?---
アラン・ドロン(以下AD)
「はじめに何よりもまず言っておきたいのは『サムライ』は芸術作品であるということです。
それは監督であるジャン・ピエール・メルヴィルの芸術作品です。
彼は長い間この物語を自分の頭の中であたためてきました。
まるで自分の子供のように大事にしてきたのです。
そしてようやく何とかそれを生み出すことに成功したのです。
『サムライ』の全てはジャン・ピエールの体内から出てきています。
物語は彼のアイデアであり、スクリプトも台詞も彼が書きました。
もちろん監督も彼です。
あらゆる面でこの映画は作家の作品です。
今日ではこのような作品は非常にまれなことでしょう。」
---一人の俳優としてメルヴィルと働くのはどうでしたか?
彼はあなた自身の内面について何か要求をしましたか?---
AD「まず第一に「サムライ」という言葉について説明します。
なぜならこれは私のキャリアにとってとても重要なステップだからです。
簡単に言いますと・・・」
---いや簡単に言わないで下さい(笑)。---
AD「話の筋を言うわけにはいきませんから簡単に言います(笑)。
映画『サムライ』のテーマは『孤独』です。
日本の侍についての書物である『武士道』からの引用に全てが集約されます。
“侍の孤独ほど偉大なものはない。まるでそれはジャングルの中のトラのようだ。”」
---とても美しい言葉ですね。---
AD「はい、そうです。」
---あなたの役柄は完全に孤独ですね。---
AD「その通りです。彼はパリに住んでいる現代の侍なのです。
そしてこの映画はそのジャングルに住む虎の物語なのです。」
---捕らえられようとしている?---
AD「捕らえられようとしていて、なおかつ孤独なのです。」
---すばらしい役柄ですね。---
AD「そう思います。」
---この映画が撮れて幸せでしたか?---
AD「非常に嬉しかったです。
先ほどあなたはメルヴィルについて私に尋ねました。
私がそれに答えなくてはいけないことは至極単純なことです。
そして簡潔に言えます。
彼は最も偉大な監督であり、その点で彼と共に仕事が出来たことは
私にとって運が良かったし、大変な喜びであり、誇りでもあります。
何がどう偉大かと説明するにはとても時間がかかります。
とにかく彼は素晴らしいのです。
彼は誰よりも映画のことをよく知っていますし
私の知る限り最も偉大な監督であり、最も偉大なキャメラマンです。
フレーズ、ライティング、全てにおいてベストです。
彼は映画の歩く百科事典です。」
---あなたがそのようにメルヴィルについて仰るのを聞くと嬉しくなります。
なぜならあなたはこれまで何人もの偉大な監督たちと仕事をしてこられたので
メルヴィルが彼ら巨匠たちと十分に並び称される存在であることが分かるからです。
これほどメルヴィル監督にとっての賞賛の言葉はないでしょうし、
なおかつ私含めて視聴者の皆さんもあなたに大いに賛同しています。---
AD「それは嬉しいです。」