LE REGARD D'ALAIN DELON

アラン・ドロンさんの魅力を探ります。

L'Encyclopédie Delon de Patrice Leconte

2016-11-19 | THE BOOKS
今年の10月27日にフランスで発売された最新のドロンさんの写真集
L'Encyclopédie Delon - Patrice Leconte, Guillaume Evin - Livres
が昨日ようやく我が家に到着しましたのでご紹介します。

近年の写真集にはないB4の大型サイズに240ページにも及ぶオールカラーの豪華な装丁にまずは驚かされます。

本の中身ですが、
前半の170ページまではパトリス・ル・コント監督のコメントが添えられた作品解説集で、珍しいスチール写真が見開きのページに亘って多数掲載されています。
特徴的なのはデビュー作品からほぼ全作品が紹介されていくのですが、1977年の『チェイサー』を最後に80年代以降の作品が『スワンの恋』と『ハーフ・ア・チャンス』を除いて全て割愛されていることです。
ルコント監督の思い入れが強くない、ということなのでしょうか。

170ページ以降は完全フィルモグラフィーで、ここからはスチール写真ではなく公開当時のポスターがフランス以外の国のものも含めて数パターン紹介されています。
各作品の解説はルコント監督と共著のGuillaume Evin氏のものと思われます。

ドロンさんの80歳を記念して出版された書籍としては決定版と言えるのではないかと思います。
ファンの皆様におかれましてはお早めのご購入をお勧めいたします。



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Prix du Quai des Orfèvres 2017

2016-11-17 | BELMONDO
11月15日パリで"Prix du Quai des Orfèvres 2017"の授与式にドロンさんとベルモンドがそろって出席されたニュースが出ています。

Belmondo et Delon : complices au 36, Quai des Orfèvres

Alain Delon et Jean-Paul Belmondo : Deux amis réunis devant Alice Taglioni

偶然とはいえ、この前のイベントでベルモンドとの共演作について取り上げたばかりのタイミングで、このような公の場での二人の元気そうな姿を観ることができて感慨深いものがあります。


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『アラン・ドロン生誕81年記念祭 by エテルネル・アラン・ドロン』 のご報告

2016-11-11 | 生誕記念イベント
11月8日はアラン・ドロンさんの81回目のお誕生日でしたが、それに先駆けて11月6日の日曜日、東京のライブハウス銀座タクトにて開催された『アラン・ドロン生誕81年記念祭 映像と音楽で綴るアラン・ドロンの軌跡VOL.3』についてのレポートをお届けします。

添付の画像は、上段左が私がご用意した展示用の書籍です。(今回はドロンさんだけでなく、ロミー、ベルモンドも加わりました。)
中段が当日朝の会場の外と会場内のリハーサル前の楽器のセッティングの様子。
下段はご来場の皆様への当日の思い出用にと私がコレクションの重複分からご用意したお土産品(1枚100円)です。

今回もおかげさまで無事に終了することができました。
ご来場くださった皆様、ミュージシャン、音響スタッフ、ホールスタッフの皆様、誠にありがとうございました。

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オープニングはシャルル・アズナブールのノスタルジックで軽快なテンポのこの曲から
シャルル・アズナブールÊtre quelqu'un de différent

「“アクター”のようにサムライや何か違う者になる」という歌詞の一節を聴いて、ちょうどそれに見合う映像を今回はご用意しました。

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第1部 サントラ&ビデオクリップ集

【前半】ジャン・ポール・ベルモンド共演作品集プラス・ワン

①黙って抱いて~序曲(2:10)
まだ駆け出しの俳優に過ぎなかった二人の初めての共演作ですが、どちらかというとドロンさんを売り出す為の作品であったことがタイトルクレジットで彼がトメ扱いであることからわかります。
サントラ盤は存在しないため、ジュリアン様にご提供いただいたDVD音源を使わせていただきました。
ありがとうございました。

②パリは燃えているか?~ENTRANCE TO PARIS (2:29)
二人の2回目の共演作で、それぞれに単独の見せ場があります。
冒頭のドロンさんの活躍から数分の二人の共演場面を接点にして後半ベルモンドの活躍場面に移行するよう編集しました。
正規のサントラ盤は組曲形式になっているため、今年発売されたスコア再録音盤から高揚感のあるこの曲をミックスしています。

③ボルサリーノ~La Réussite (2:23)
ライブで主題曲は演奏されるため、重複を避けてこの曲「成功」をチョイスしました。
初めてベルモンド扮するカペラがドロンさん扮するロッコに仕事を持ちかける場面の本編映像(音楽無し)からスタート。
次の作品につなげるため二人がマシンガンを手にして試し打ちする場面を後半に入れています。

④ハーフ・ア・チャンス(メイキング映像)~Carella Est La (New York Trio) (1:54)
本編ではなくDVDの特典映像のメイキングから二人がいかにも楽しんでいる様子が写されている撮影現場の映像をピックアップ。
冒頭ドロンさんとベルモンドがお互いについて語り合っているインタビュー映像のみ日本語盤から、あとは全てフランス盤の映像をミックスしています。

⑤男と犬(2008年日本未公開ベルモンド主演作品)~Recueillement (01:43)
2001年に病に倒れて表舞台から去っていたベルモンドが復帰した作品でフィリップ・ロンビの音楽が実に感動的。
ベルモンドと共演作のなかった故ロミー・シュナイダーの娘サラ・ビアシーニが印象的な演技を見せる場面を中盤に入れています。

【後半】アラン・ドロンさんが現役の刑事を演じた作品集

⑥リスボン特急~Edouard Au Piano(2:16)
仕事の途中に立ち寄った開店前のバーで店員たちに挨拶しながら店のピアノに向かう場面を音楽を入れずに本編映像のままスタート。
ドロンさん扮するコールマン刑事がピアノを引き出すタイミングに合わせてサントラ盤のピアノソロ曲を本編のダイジェスト映像にミックス。
曲の終了と同時にラストの二人の対決シーンの本編映像につなげ、コールマン刑事が最後に車に乗り込むドアの音でカット。

⑦テヘラン43~L'Inspecteur Roche et Scherner (2:14)
ヒロインがドロンさん扮する刑事の乗るタクシーに乗り込んでくるシーンを⑥の終わりから間髪入れずにスタート。
その後ハイジャック犯にテロリストを引き渡す場面を間に入れ、ヒロインの母を狙うヒットマンたちに立ち向かい撃たれて倒れ、搬送される車の中での靴の底のアップでカット。

⑧アラン・ドロンの私刑警察~La mort de Peret (1:59)
警察署内で、襲撃事件の犠牲者の女性の主人が抱く赤ちゃんの足から落ちた靴の底を⑦のラストからつなげて本編へ。
今年の8月に94歳で亡くなったジャズ・ハーモニカの巨匠トゥーツ・シールマンスの演奏に本編映像をミックス。

⑨アラン・ドロンの刑事物語~Silencious Walk On a Memory(4:26)
マルセイユのビルの谷間からドロンさん扮する刑事ファビオ・モンタルが現れるシーンを⑧の退場シーンの後につなげ、その後第1話と第2話のダイジェスト映像をヤニック・トップのサントラ音源にミックス。
今回の特集はあくまで「現役」の刑事役に絞ったため、退職後のエピソードとなる第3話はここでは敢えて取り上げませんでした。

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第2部 アラン・ドロン・シネマ・ライブ

演奏メンバーは以下の5人。

ドラムス 渡辺拓(ワタナベ タク)
ギター 小林圭吾(コバヤシ ケイゴ)
ベース 藤戸孝一(フジト コウイチ)
キーボード 稲垣剛規(イナガキ ヨシキ)
キーボード 安藤公樹(アンドウ ヒロキ)

セットリストは以下の通りです。

【第1部】
①太陽はひとりぼっち
5月からセットリストに加わったライブの始まりにぴったりの曲で、原曲のサックスの音色を前回以上のクオリティーでシンセの安藤氏が再現してくれました。

②冒険者たち(口笛なしバージョン)

③さらば友よ
渡辺拓氏のドラムは原曲以上の迫力と繊細さでもって、カバーというより原曲のリマスター音源を聴いているかのような素晴らしい演奏。

④ジェフ
ジャンゴリズムというグループ名義でCDを発売されている小林圭吾氏の絶品のギターソロ。
ベースの藤戸孝一氏もギターに持ち替えて小林氏のバックで美しいリズムを刻みます。
バックの映像はGH字幕様からご提供いただいた私家盤DVDのキレイな映像に差し換えました。ありがとうございました。

⑤ボルサリーノ

⑥フリック・ストーリー
今回の新曲で、オーソドックスなサントラらしい王道の曲。
3分超の曲が主流ですが、今回お送りしたのは2分台のエンディングの短いショート・バージョンです。

⑦あの胸にもういちど~Take me to my lover

⑧ビッグ・ガン
キーボードの稲垣剛規氏が原曲のリリカルなメロディーをピアニカでもってタメの部分まで完璧に再現してくれます。

⑨地下室のメロディー

【第2部】
⑩レッド・サン
原曲の難解なリズムパターンのカスタネットの音を藤戸孝一氏が両手でベースを弾きながら足で踏んで再現します。

~ロミー・シュナイダー・トリビュート・コーナー~
前回5月29日のロミーの命日にロミーについて何も取り上げられなかった為、今回このコーナーを入れさせていただきました。
ドロンさんにとってロミーは今もどういう存在なのか、パリのマリニー劇場でのロミーに捧げた楽屋の様子、そこに飾られていたロミーの舞台衣装が意外に小さかったこと、などをPhilippe Barbier氏著の写真集のページ(添付画像上段右)を使いながら、少し長めにお話しさせていただきました。

⑪太陽が知っている
ミシェル・ルグラン姉弟のスキャットのデュオはライブでは再現不可能なためこの曲のみサントラCD音源を使用。
2013年発売の15枚組Boxset Michel Legrand : Anthology
にしか入っていない高音質のメインタイトルに乗せてフランス語盤とは微妙に異なる英語盤の映像をお届けしました。

⑫夕なぎ
今回最も難易度が高かったとバンドのメンバーからお聞きしていた「夕なぎ」。
当日朝のリハーサルの様子をご覧ください。
César et Rosalie

ベースの藤戸氏がこの曲ではシンセを担当し前半と中盤に鳴るピコピコ音を再現し、3人のキーボード体制で抒情的な原曲を見事に再現してくださいました。

⑬過ぎ去りし日の...

Les choses de la vie リハーサルの様子

ロミー・シュナイダーの代表作でフィリップ・サルドのデビュー作でもあるこの名曲を抑制のきいた演奏で忠実にカバー。
このような素晴らしいバンド演奏は世界中どこをさがしてもここでしか聴けません。

⑭個人生活
ふたたびドロンさんのサントラに戻ります。
冒頭からの華麗なストリングスとブラスセクション、後半のステファン・グラッペリのバイオリンソロに至るまで、手元のスイッチを瞬時に切り替えながらよどみなくシンセを操る安藤公樹氏の華麗な演奏が全編を覆います。

⑮暗黒街のふたり
ジェフと同じくベースの藤戸孝一氏がギターに持ち替えて小林圭吾氏の美しい音色のギターソロをサポート。
藤戸氏は曲の途中でウッドベースの音を手元のiPadで操作するなどの活躍ぶりを見せてくれました。

ここからは王道の作品が並びます。

⑯栗色のマッドレー
⑰サムライ
⑱太陽がいっぱい
⑲冒険者たち (口笛バージョン)

【アンコール】

⑳アラン・ドロンの刑事フランク・リーヴァ

Frank Riva


「現役の刑事」を演じた作品をヴィデオクリップ集から取り上げてきましたが、この作品をアンコールに演奏することで全てをご紹介することとなりました。
主要なメロディーを奏でるミュート・トランペットの音を完璧に再現した安藤公樹氏、要所要所に印象的なマンドリンの音をアコースティック・ギターで演奏する小林圭吾氏、原曲のカバーにひたすら忠実に挑戦するバンドの皆様に心から敬意を表したいと思います。

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今回は3回目ということで、1回目2回目といかに違いを出すかを念頭に入れてまいりました。
ベルモンドとの共演作集、ロミー・シュナイダーへのトリビュート・コーナーを設けたことで、ドロンさん一辺倒のこれまでと違う観点から改めてドロンさんの素晴らしさを再確認することができたのではないかと思っています。

今回は残念ながらご来場者数は今までで一番少なかったのですが、これからも工夫を凝らしながら活動を続けたいと思っておりますので、皆様、また次回もどうぞよろしくお願い申し上げます。
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