陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

正月御節料理に思うこと

2011-01-06 17:49:35 | 食べ物
 正月に味わう御節(おせち)料理は、地方によって、と言うよりもそれぞれの家庭が独自のレシピで準備されることが多いのではないだろうか。新年を迎える節句の豪華料理として、また家族を養う主婦が暫くの間料理義務から解放される手段として、我が国の御節料理は独自の発達を重ねたのだろう。

 台所を与(あず)かる火の神様、「荒神」(こうじん)に対する畏敬の念からも、正月は火の使用を極力控えるとの言い伝えがあって、それは大きく御節料理の在り方に影響していたと想像する。

 我が家でも、恒例で三つ重ねの塗り物重箱(21cm角=7寸)に御節料理を準備する。老年になって食欲が減退、幼い頃に親しんだ食べ物に回帰している感がある。

一の重:紅白かまぼこ組み合わせ、伊達巻、数の子、京漬物(赤蕪)
二の重:黒豆、福寿豆、小昆布巻、栗きんとん、田作り
三の重:紅白大根なます、金平(きんぴら)牛蒡、野菜旨煮(蒟蒻入り)
    酢豚

 京漬物は、はりはり漬けや千枚漬けを別の蓋物に準備。

 元日には、上記重箱詰めに加えて、別の大皿には、鯛、魬(はまち)、帆立貝など数種類の刺身、それに米沢鯉の洗い(酢味噌仕立て)を添えて賞味した。

 金平牛蒡は、オーソドックスに人参との炒め焚き合わせを用意したが、それに鱈子をまぶしたものが中々の美味。牛蒡の短冊スタイルも良いけれども、年寄りには削いだ形がとても食べ易い。これらは、別皿に準備する。

 重箱のお節料理、実は私にとって好物ばかり(笑)。だが、息子を含めて若い人達には多分物足りないと想像する。それで思い出すのは、現役であった10年位前、年賀で我が家に訪れる若者も多かった頃のこと。チキンの焙り身、鮭薄切りのカルパッチョ、ロースト・ビーフの切り身、かに風味野菜サラダなどを大皿に盛り上げて、「変形お節料理」として用意していたのが何とも懐かしい。

 今年の我が家の雑煮は、鶏手羽先、大根と人参の銀杏切り、鳴門の薄切り、それに小松菜を加えての醤油仕立て(関東風)。私としては珍しく、焼き餅四切れも味わった。

 皆さんも、独自の形で正月御節料理を大いに楽しまれたことでしょう。

 お目出度い御節料理の販売を利用して、不心得者が出ているのは世相とは言え、実に情けない話である。

 ネット注文の「スカスカ」お節料理、横浜市が調査開始
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/110106/trd1101060130000-n1.htm

(参考)

 各地の雑煮味
http://blog.goo.ne.jp/charotm/e/3224242e80ed8a1c7ef2de734d42a560
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