1894年にレントゲンがX線を発見し、第1回ノーベル物理学賞に輝いた(1901)。それから大きく分けると、二つの方向で基礎的研究が進んだ。一つは、特性X線の発見に伴い、X線波長が原子の構造と関係があるとして進められた内容であり、原子の内部における電子のエネルギー的配置が検討され、それは量子力学の建設に繋がって行く。
もう一つは、X線が短波長の電磁波であるから、結晶格子により回折現象を起こすと . . . 本文を読む
人は為した事に対して報酬を求め、あるいは名誉を求めるのは当然だ。そうしたことが重なって業績が出来、その人の立場が築かれている。あまりにも多額の報酬を求めたり、名誉欲が強い場合は、陰に陽に批判が出るから、あるレベルで妥協する。
エンジニアなら、自分が関与した発明や発見で大金が儲かるのは嬉しいことだろう。グループ研究などでは、その研究に寄与した人達の貢献度が常に問題になる。純粋科学分野で、直接金 . . . 本文を読む
自国の歴史を正しく把握し、これを理解する事は極めて大切である。特に古代歴史を考える時は、考古学的資料が少ないだけに想像が膨らみ、夢多く興味深いものがあろう。今から約60年前までは、日本の歴史は縄文式土器を利用した新石器時代(9000年前)から始まり、それ以前の旧石器時代(2万年前頃)は存在しないとされていた。
しかし、大東亜戦争の敗戦直後に、古代日本史を書き換えるような大発見があった。日本に . . . 本文を読む
現代社会に不可欠なテレビやラジオ、コンピューター、あるいは携帯電話などのエレクトロニクス機器の発展は、留まる所を知らないように見える。それらの電子回路では、多種類の高周波電流が用いられている。一般に、微弱な高周波電圧を増幅するためにコイル(L素子)を用いるが、その磁心に「フェライトコア」を導入するのが通例だ。
将にフェライト磁心が無ければ、20世紀半ばから始まり現在に至るエレクトロニクス技術 . . . 本文を読む
今では、有機栽培野菜や無農薬米が市場に定着し、農薬を使わずに栽培した美味しい作物が産地直販で消費者へ届けられる。政府機関による農薬規制も以前より厳しくなり、2001年には果物王国山形県で起きた果樹に対する不法農薬問題がマスコミを大いに騒がせた。特に、家族を守るため食物の安全性に関心の深い主婦は、この15年で環境問題に敏感になった。
ここ数年、中共産の野菜、魚介が薬物汚染されていると指摘され、 . . . 本文を読む
今月30日を以て、国産初の旅客機YS-11が完全引退する。現在、日本エアーコミューター(JAC)が3機保有し、福岡、高知龍馬、徳島、鹿児島空港間に就航している。
YS-11の歴史・設計思想は、 Wikipedia に詳しい。昭和37年(1962)7月に初飛行、昭和40年(1965)4月より航空会社へ納入開始されている。日本の空を41年間に亘って翔巡り、活躍した。耐久性のある安全な旅客機として . . . 本文を読む
今日では、犯罪捜査などでDNA鑑定などの言葉が頻繁に使われるし、個人の特定にDNAデータを用いる事が多くなった。DNAとは、デオキシリボ核酸(Deoxyribonucleic Acid)の頭文字であり、遺伝情報を含む重要な生体高分子である。生体細胞核の中に染色体があって、染色体はDNAから出来ている。
1950年頃までにDNAの化学的組成については、デオキシリボース(糖)とリン酸、それに4種 . . . 本文を読む
尊徳・二宮金次郎(1787-1856;享年70才)は、江戸時代後期の農業指導者である。この騒然とした世の中で、二宮金次郎の誠実な生き方を振返るのも一興であろう。物事の合理性を重んじ、自然と人間の調和を考えた彼の心は、理工学面の探究精神に通じるものがある。
金次郎は、湿地改良を頼まれると、まず土地状況を克明に調査し、意表を突いた形で、しかも適切な灌漑溝を作り上げて、これを実り多い田畑に変えた。 . . . 本文を読む
若い人達と話をしていると、年寄りの癖でつい説教じみた話になる。「おい、野心を持てよ」と言いたくなるのだ。偉人伝を語る中の一つが、田辺朔郎(たなべ さくろう)の仕事である。
我が国の土木・建築技術は、現在世界でもトップレベルにある。都心に聳(そび)え立つ高層ビル、3本の本四連絡橋、そして長大な青函トンネルや東京湾横断道路など、巨大な建造物にその成果を見ることができる。これらの技術は、世界に輸出 . . . 本文を読む
もうすぐ海軍記念日を迎える。5月27日は、101年前に連合艦隊が露バルチック艦隊を完膚無きまでに破り、日露戦争終結を方向付けた対馬沖「日本海海戦」を記念する日である。
明治27年(1894)の日清戦争が始まる前に、高木兼寛(かねひろ)が提案した麦飯採用により、帝国海軍は既に艦上から脚気を追放していた。海軍軍人が脚気に悩まされ、ふらふらしていては、いくら性能の良い大砲を備えた軍艦を何隻保有して . . . 本文を読む
Dr.マッコイさんのブログを訪問していたら、中村修二氏の事が書いてあった。
http://d.hatena.ne.jp/drmccoy/20060501
中村氏は青色発光ダイオードの発明者として知られるが、2年程前、かつて勤務した日亜化学工業(株)と特許権の争いになり、第一審で200億円と言う巨額の報奨金判決を得たので有名になった。
私は専門で無いから、中村氏の言い分が正しいのかどうか . . . 本文を読む