陸奥月旦抄

茶絽主が気の付いた事、世情変化への感想、自省などを述べます。
登場人物の敬称を省略させて頂きます。

トランプ大統領が巡航ミサイルでシリア空軍基地を急襲攻撃(2)

2017-04-17 11:44:12 | 中東問題
 前回のエントリーから既に1週間以上も経過してしまった。庭の山茱萸(さんしゅゆ)の木は、黄色の花が満開となり、玄関脇の白木蓮が咲き始めた。今週末には、桜も咲き始めるだろう。  今回のトランプ急襲の理由として、トランプ大統領は人道と正義のためと述べている。だが化学兵器を用いた国家または集団組織は、必ずしもシリア政府軍と客観的に特定されたわけではない。アサド大統領は、濡れ衣であるとしてこれを強く否定 . . . 本文を読む
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トランプ大統領が巡航ミサイルでシリア空軍基地を急襲攻撃(1)

2017-04-09 23:38:50 | 中東問題
 米中首脳会談(現地時間4/6、7)が行われる時に合わせて、北朝鮮が核爆発実験または弾道ミサイル発射をするのではと、私は危惧していた。それが逆で、トランプ大統領は習近平主席との会食の席上、シリア空軍基地への急襲攻撃を行ったことを披露した。習主席の驚愕は大きかった事であろうし、その影響のためか、会談は実りあるものとはならなかったように思われる。  2013年8月下旬、オバマ米大統領(当時)は突如変 . . . 本文を読む
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イラン核協議の行方

2015-03-25 17:43:03 | 中東問題
 イランが核開発を実行中であることを理由とし、米欧が中心となって現在もイランへの経済制裁が行われている。しかし、イラン大統領が交代したことで、オバマ政権は欧州主要国と共にイラン核協議を行ってきた。数年に亘るマラソン協議だが、今年3月下旬が協議のリミットになっている。  ウクライナ問題では、米国と独・仏の意見は分かれているように思う。加えて、米国の反対にもかかわらず、シナ・中共の画策するアジア・イ . . . 本文を読む
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オバマ大統領は変心し、シリア軍事介入の実施判断を議会に丸投げ

2013-09-05 00:42:44 | 中東問題
 8月26日に、ケリー国務長官はアサド政権が化学兵器を使用したと指摘、29日にはその「証拠」(?)を口述した。その責任を取らせるため、オバマ政権は直ちにシリアへ軍事介入することを力説、8月中にもそれを実行するような口ぶりであった。  だが、8月31日に行われたオバマ大統領の記者会見では、軍事介入を決断したが、実施の前に米国議会の承認を求めると方針転換した。これを聞いて、大方の人々は「あれれ?」と . . . 本文を読む
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シリアへ米軍ミサイルは何時発射されるか? : 中東大紛争勃発への懸念

2013-08-29 18:33:50 | 中東問題
 <アラブの春>民主化運動が始まって約2年半を経過、シリアでもアサド政権への批判勢力が生まれて次第に武装化し、アサド政府軍と抗争を続けている。シリアの一般市民は逃げ惑い、隣国トルコとヨルダンへ140万人の避難民が押しかけた。連合国(UN)の発表では、死者は7万人を越すという。  米欧は、反政府勢力(スンニ派主体?)に好意的だが、同勢力の一部はアル・カイーダとの噂もある。彼らは、周辺諸国で軍事訓練 . . . 本文を読む
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米国とイランの経済戦争は武力衝突にまで発展しないだろう

2012-01-31 02:57:03 | 中東問題
 米国とイランは国交断絶状態だが、最近の両国は経済戦争状態にある。米国は、国連安保理決議(2006、2007、2008)を誘導して、イランへ経済制裁を行って来た。しかし、イランではそれに屈することなく、経済活動が順調に推移している。  今年の元日、オバマ大統領はイラン金融制裁法案に署名、イラン中央銀行と取引のある各国金融機関に制裁を加えるとした。つまり、米国の手立ては国内法を利用、イランが各国 . . . 本文を読む
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イランによるホルムズ海峡封鎖の危険性

2012-01-11 06:07:19 | 中東問題
 1月8日、イランは同国フォルドウの地下に建設したウラン濃縮施設を近く稼動させると発表。実際には、既に稼動が始まっているのだろう。それに対する欧米の反発は、益々エスカレートしつつある。米国は、昨年暮れから関係諸国にイランからの石油輸入を禁止するよう求めていた。イランは、石油輸出が出来ない状態になれば、ホルムズ海峡を封鎖すると宣告、英国はもしそうなれば、武力行為も排除しない強い姿勢に出ている。   . . . 本文を読む
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トルコ東部でM=7.2の大地震(10/23)

2011-10-25 23:41:54 | 中東問題
 トルコ東部、ワン湖近傍の高地で、M=7.2の大地震があった。日時は、10月23日午後1時40分(現地時間)である。都市部のワン市では、建物が10棟以上、エルジシュ市では、25~30棟が崩壊、推定犠牲者は、500~1000人に及ぶと言う。  この地域は、イラン国境に近く、クルド人が多く住み、都市開発が遅れているらしい。建造物の耐震性などは十分であったのだろうか。震源地は、ワン市北北東約17km、 . . . 本文を読む
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カダフィ大佐が死去

2011-10-21 04:03:10 | 中東問題
 追われていたリビアの独裁者、カダフィ大佐はNATO空軍の銃撃で負傷、それが原因で死亡したと言う。享年69歳。今年2月にリビアの反政府勢力が蜂起して以来、8ヶ月間の凄まじい抗争が続いたが、独裁者の死去によって混乱した同国政治情勢は極めて大きな転機を迎えた。  1969年9月に、リビア軍によるクーデターが起った。リビア国王を追放して実権を握ったカダフィ大佐は、独特の専制政治を布き、42年間の長きに . . . 本文を読む
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遂にカダフィ独裁体制が崩壊

2011-08-25 22:36:01 | 中東問題
 今年2月から、反体制派との戦いを続けて来たリビアの独裁者、カダフィ大佐(69)は、NATOの空爆支援と米国の情報提供を受けた反体制派によって追い詰められ、首都トリポリにある同大佐の大邸宅から脱出した。反体制派は、多額の懸賞金を掛けて、カダフィ大佐の行方を追っている。  現在、大佐の子息を含む家族の行方も不明である。邸宅近傍には、大規模な地下居住区があるとの事、さながらモグラを追うように英国特殊 . . . 本文を読む
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リビア内戦の行方

2011-03-06 21:09:42 | 中東問題
 41年間の独裁政治を布いている<砂漠の狂犬>カダフィ大佐(リビア最高指導者)だが、チュニジアやエジプトの<ジャスミン革命>の影響を受けて起きたリビア市民デモを武力弾圧し、これらの市民に数千人の犠牲者が出ている。  リビア政府の有力閣僚、同国国連大使などは、次々に反カダフィ勢力に転じているし、リビア軍の一部も反政府運動に参加している。カダフィとその一族は、政府軍+傭兵(2500人)で、反政府勢力 . . . 本文を読む
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米軍戦闘部隊がイラクから撤退完了

2010-09-03 18:03:08 | 中東問題
 小ブッシュ前政権がイラク戦争に踏み切ったのが2003年3月である。当時、米国側の説明では侵攻の理由として、フセイン政権(当時)がアル・カイーダを匿い、大量破壊兵器を蓄積している事態を排除すると言う事であった。  2001年の米国における同時多発テロ、それに対する米国+UN(国連)主導のアフガニスタン侵攻と連動したイラク戦争であったが、当時は情報不足もあって、私はイラク戦争を起こした米国の立場を . . . 本文を読む
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イラン原発、ロシアの技術で稼動へ:8月21日に核燃棒を装填

2010-08-17 22:06:16 | 中東問題
 イランの濃縮ウラン製造に大反対して来た米国であるが、同国内の原発建設と稼動にも強硬に反対を続けていた。イランのブシェール原発は、ロシアの協力でペルシャ湾に面した町に建設されている。この原発は、既に国際原子力委員会(IAEA)の査察を受けている。  ロシアは、この原発用に濃縮ウランを提供し、使い済みの燃料棒(プルトニュウムが含まれる)を全て引き取ることを前提に技術協力して来た。今年6月、ロシアは . . . 本文を読む
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日本タンカーの損傷はテロ攻撃が原因:ホルムズ海峡事件

2010-08-09 11:54:23 | 中東問題
 アラビア半島の東端部に位置し、北はイラン、南はオマーンに挟まれたホルムズ海峡(Strait of Hormuz)、そこには島が点在するから、船舶の航行する幅は僅か33kmしかない。この狭い海峡を毎日巨大なタンカーが通過し、世界へ中東の石油を運び出している。  7月下旬、商船三井の大型タンカー「M.STAR」(排水量16万269トン;、マーシャル諸島船籍)が何者かに襲われ、右舷後部を損傷した。爆 . . . 本文を読む
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イスラエル軍がガザ支援船を強襲:トルコ人10名が死亡

2010-06-02 23:30:25 | 中東問題
 5月31日、中東の<ドラゴンの歯>イスラエルが、ガザへ向かう国際支援船団(6隻;乗員679人)を攻撃し、10名のトルコ人を死亡させた。乗員の多くは、イスラエル軍に拘束されたままだ。トルコ政府は、直ちに安保理事会の緊急開催を要求した。  イスラエルによるガザ封鎖で、パレスチナ住民は生活物資不足に悩んでいる。これは、国際的な同情を呼び、今回の支援船団も40ヶ国の人権活動家が企画したもの。  詳し . . . 本文を読む
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