テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 色とりどりの、夢二さん ~

2024-04-15 22:03:09 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あうゥ、あついィ~…!」

「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!水分とらねば!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 夏日が続いて、東京のサクラが散り急ぐのも納得の暑さ、ですね

 (山間部のサクラはまだ散ってませんよ~)。

 しっかり水分を補給しながら、さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 竹久夢二の世界 ――

 

 

 著者は王文萱(おう・ぶんけん/ワン・ウェンシュエン)さん、

 原著は2021年に、日本語版は2024年2月に発行されました。

 原題は『竹久夢二 TAKEHISA YUMEJI :

 日本大正浪漫代言人興形塑日系美學的《夢二式藝術》』、

 『美人画からモダンデザインまで』と日本語副題が付されています。

 

 台湾に生まれ、

 竹久夢二さんの研究で京都大学の博士号を取得した

 著者・王文萱さんによる

 ”夢二の画業と生涯”を追うアートブックは、

 いやもう、拍手また拍手ですよ。

 

 夢二さん関連の書籍は、数多刊行されておりますけれども、

 読みやすさ&分かりやすさの点で

 群を抜いているといっても過言ではないでしょう。

 

「いんさつゥ、きれいィでス!」

「ぐるるがるるる!」(←訳:文章もステキだ!)

 

 藤原由希(ふじわら・ゆき)さんの翻訳文も

 キラリと光るこの御本、

 もとは2021年に台湾で中国語版として出版されたもの、

 とのことで、

 3年を経て、こうして日本で出版された、んですね。

 

 内容は、

 夢二さんの生い立ちに始まり、

 時系列に沿って、

 新人画家としての出発、

 妻となるたまきさんとの出逢い、

 雑貨店『港屋』の開店、

 関東大震災、台湾訪問、欧米への旅、と

 夢二さんの人生を辿ってゆくものですが、

 

   この写真は初めて見るわ!

   この版画、みたことない!

 

 という図版資料がけっこう多くて、

 びっくりさせられましたよ。

 

 特筆すべきは、

 『書籍の装丁』(本文144ページ~)の充実ぶり、

 『楽譜の装丁』(本文170ページ~)の稀少性、

 でしょうか。

 

 楽譜の表紙画は、

 このまま復刻して画集に仕立ててほしいくらいですし、

 書籍の装丁は……なんと美しいこと!

 

「もッとォ、ちゅうもくゥされていいィ!」

「がっるぐるがるるるる~!」(←訳:もっと評価されるべき~!)

 

 大正浪漫、のひと言で

 括られてしまいがちな夢二さん……

 実は、もっと大きな存在ではないのか、

 もっと研究されるべきではないのか、

 と考えざるを得なくなってしまう

 嬉しくも楽しい一冊の巻末には、

 夢二さんをテーマにした日本各地の美術館や

 展示施設が紹介されています。

 

 いまも今後も、

 静かに、確固と伝えられてゆく

 夢二さんの画の熱い炎を、美を、

 美術館で、この御本で、

 皆さま、ぜひ♪

 

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