「こんにちわッ、テディちゃでス!
あうゥ、あついィ~…!」
「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!水分とらねば!)
こんにちは、ネーさです。
夏日が続いて、東京のサクラが散り急ぐのも納得の暑さ、ですね
(山間部のサクラはまだ散ってませんよ~)。
しっかり水分を補給しながら、さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 竹久夢二の世界 ――
著者は王文萱(おう・ぶんけん/ワン・ウェンシュエン)さん、
原著は2021年に、日本語版は2024年2月に発行されました。
原題は『竹久夢二 TAKEHISA YUMEJI :
日本大正浪漫代言人興形塑日系美學的《夢二式藝術》』、
『美人画からモダンデザインまで』と日本語副題が付されています。
台湾に生まれ、
竹久夢二さんの研究で京都大学の博士号を取得した
著者・王文萱さんによる
”夢二の画業と生涯”を追うアートブックは、
いやもう、拍手また拍手ですよ。
夢二さん関連の書籍は、数多刊行されておりますけれども、
読みやすさ&分かりやすさの点で
群を抜いているといっても過言ではないでしょう。
「いんさつゥ、きれいィでス!」
「ぐるるがるるる!」(←訳:文章もステキだ!)
藤原由希(ふじわら・ゆき)さんの翻訳文も
キラリと光るこの御本、
もとは2021年に台湾で中国語版として出版されたもの、
とのことで、
3年を経て、こうして日本で出版された、んですね。
内容は、
夢二さんの生い立ちに始まり、
時系列に沿って、
新人画家としての出発、
妻となるたまきさんとの出逢い、
雑貨店『港屋』の開店、
関東大震災、台湾訪問、欧米への旅、と
夢二さんの人生を辿ってゆくものですが、
この写真は初めて見るわ!
この版画、みたことない!
という図版資料がけっこう多くて、
びっくりさせられましたよ。
特筆すべきは、
『書籍の装丁』(本文144ページ~)の充実ぶり、
『楽譜の装丁』(本文170ページ~)の稀少性、
でしょうか。
楽譜の表紙画は、
このまま復刻して画集に仕立ててほしいくらいですし、
書籍の装丁は……なんと美しいこと!
「もッとォ、ちゅうもくゥされていいィ!」
「がっるぐるがるるるる~!」(←訳:もっと評価されるべき~!)
大正浪漫、のひと言で
括られてしまいがちな夢二さん……
実は、もっと大きな存在ではないのか、
もっと研究されるべきではないのか、
と考えざるを得なくなってしまう
嬉しくも楽しい一冊の巻末には、
夢二さんをテーマにした日本各地の美術館や
展示施設が紹介されています。
いまも今後も、
静かに、確固と伝えられてゆく
夢二さんの画の熱い炎を、美を、
美術館で、この御本で、
皆さま、ぜひ♪