テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ クリスティさん、はじめまして。 ~

2024-03-05 22:05:05 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はるのォ~すきまじかんはァ~」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!大掃除です~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 はい! 年末の大掃除をパスしてしまったので、

 ”春のお片付け大作戦”にマイペースで取り掛かりましょう。

 手始めに冷蔵庫内の吹き掃除を終えたら、

 さあ、リカバリーを兼ねて読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― クリスティを読む! ――

 

 

 著者は大矢博子(おおや・ひろこ)さん、

 2024年1月に発行されました。

 『ミステリの女王の名作入門講座』と副題が付されています。

 

「ふァいッ! じょおうさまァ、でスねッ!」

「ぐるるがるる!」(←訳:灰色の脳細胞!)

 

 20世紀の英国文壇で活躍したのは、

 大勢の女性作家さん。

 ええ、↑ここ大事なんです。

 

 かつて、19世紀以前の欧米文化圏では、

 女性作家さんの存在は認められていませんでした。

 

 作品を世に出したい場合は、男性の名を使って

 出版するしかなかった……のですが、

 20世紀に入って事態は改善、

 1920年、クリスティさんがデビュー作

 『スタイルズ荘の殺人』を発表したとき、

 もはや、名前や性別を偽る必要はなくなっていました。

 

「どうどうゥとォ~かたろうゥ!」

「がるるるぐるがるる!」(←訳:我が名と我が作品を!)

 

 予備知識がなくても楽しめる入門書として、

 著者・大矢さんは

 

  第1章『探偵で読む』

  第2章『舞台と時代で読む』

  第3章『人間関係で読む』

  第4章『騙しのテクニックで読む』

  第5章『読者をいかにミスリードするか』

 

 と、5つの章で

 クリスティさんの作品を軽やかに解析してゆきます。

 

 クリスティさんが作品の中で重用した探偵といえば、

 エルキュール・ポワロさん……

 でも、なぜポワロさんなのか?

 なぜベルギー人の探偵さんを

 クリスティさんは創造したのか?

 

 田舎町の住民たちは、

 階級色が強く、パブに集まってお喋りするのが大好き。

 そんな古き良きイギリスの村の館で、牧師館で、

 皆が慌てるような事件は起きる――

 『メイハム・パーヴァ(小さな村の大混乱の意)』

 と呼ばれるミステリのジャンルを確立させたのは、

 他ならぬクリスティさん。

 

 そして、

 英国の田舎とは対照的ともいえる

 遠く離れた土地――

 中東を、作品の舞台に取り入れてみせたのも

 クリスティさんの発想力の結晶。

 

 さらに、

 過去の事件に新たな解像をもたらす

 《回想の殺人》という、

 画期的的なスタイルにも

 クリスティさんは挑みました。

 

「ううむゥ! ちゃれんじゃーなのでス!」

「ぐるるがるるぐる!」(←訳:いつもやる気満々!)

 

 『オリエント急行の殺人』

 『カリブ海の秘密』『五匹の子豚』

 『予告殺人』……

 代表的な作品について語り、

 クリスティさんのプライベートにも

 ちょっとだけ触れながら、

 大矢さんは明かします。

 

 クリスティさん本人が最も好きと語っていたのは

 『パーカー・パインの事件簿』収録中の短篇、

 『不満な夫の事件』と

 『大富豪夫人の事件』。

 

 なぜこの2作品なのか、

 その理由は――

 

「しィ~ッ!」

「がるるるるぐるがるる!」(←訳:ネタバレはダメだよう!)

 

 常に読者を翻弄する

 ミステリの女王さまは、

 フェアに、しかし、狡猾に。

 

 クリスティさんの作品を未読の御方にも、

 全作品読破しちゃった方々にも、

 おすすめのガイドブックです。

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

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