テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 闘志を胸に ~

2024-10-04 22:03:02 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 こんやからァ~ほうそうゥかいしィ!」

「がるる!ぐるるるがる~!」(←訳:虎です!五郎さん降臨~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 いよいよ今日10月4日深夜24時12分より

 《孤独のグルメ特別編 ドラマ24『それぞれの孤独のグルメ』》

 が放送されますよ。

 予約録画の操作を終えたら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

           ―― 檜垣澤家の炎上 ――

 

 

 著者は永嶋恵美(ながしま・えみ)さん、

 2024年7月に発行されました。

 文庫にして約770ページ、ずっしり厚く、

 読み応えあり!な長編作品の登場ですよ。

 

「だいはんきょうゥ、なのでスゥ!」

「ぐるるがるる……!」(←訳:現在は品切れ中……!)

 

 あまりの反響&売行きに、

 現在、この御本は主なネット書店では

 『品切れ』と表示されています。

 私ネーさは、嬉しいことに

 地元の本屋さんで発見いたしました♫

 ワクドキしつつ表紙を捲ってみれば。

 

 そこは、

 明治37年(1904年)の横浜です。

 

「うわァ、にぎわッてるゥ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:喧騒がすごいよ!)

 

 横濱の港と町が、

 いえ、日本全体がざわめいているのも道理、

 と申せましょうか。

 1904年――

 それは日露戦争開戦の年。

 

 人も、社会も、浮足立っている。

 そんな年に、

 高木かな子(たかぎ・かなこ)ちゃんは、

 この世に生を享けました。

 

「げんきなァあかちゃんッ、でスねッ!」

「ぐるるるがるるるる~」(←訳:よしよし泣かないで~)

 

 父と母、かな子ちゃん。

 ばあやと、ねえや。

 

 横濱・元町の外れの家での

 楽しくも賑やかな暮らしは、

 かな子ちゃんが学校に上がる年の正月、

 或る出来事によって急変します。

 

 父が、卒中の発作で倒れて、寝たきりに。

 母は、親類宅で火事に遭い、

 帰らぬ人に。

 

「ええッ? そんなァ!」

「がぅるぐるるるぅるる?」(←訳:じゃあかな子ちゃんは?)

 

 母を喪ったかな子ちゃんを引き取ったのは、

 横濱で知らぬ者はない、という大富豪の、

 檜垣澤(ひがきざわ)家。

 

 実は、かな子ちゃんのお父さんは、

 檜垣澤家の当主だったのです。

 

 そして、かな子ちゃんのお母さんは、

 いわゆる“お妾さん”。

 

 かな子ちゃんは、妾腹の子、ということになります。

 

「ううゥ、ふくざつゥ!」

「ぐるるがる!」(←訳:状況も複雑!)

 

 妾腹の子に注がれる、冷たい眼。

 心ない仕打ち、

 悪口や、嫌味。

 

 氷の国かと思うような

 檜垣澤家での生活に、

 幼いかな子ちゃんは、

 怯え、悲しみ、疲れはて、

 心を病んでしまうのでしょうか。

 お父さんお母さんを

 恨んだりするのでしょうか。

 その答えは……

 

 NO!

 

「ふァ?」

「がるぅ?」

 

 そう、断じてNO!

 

 小さなかな子ちゃんは、

 その胸の内に隠し飼っていたのです。

 燃える闘志を。

 熱い決意を。

 

   子どもである自分は、

   子どもらしさを装って、

   うまく立ち回ってゆくしか

   生きてゆく術がない。

 

   早く大人になりたい。

   金持ちになりたい。

   こき使われる子どもではなく、

   他人を使う側に回りたい。

 

 その決意が、かな子ちゃんを守ります。

 

 周囲はみな敵、

 誰ひとり味方がいない豪勢なお屋敷の中で

 生きてゆくためには、

 ただ流されていてはダメだという

 不屈の意志が。

 

「がんばれェ、かなこちゃんッ!」

「ぐるるる~!」(←訳:負けるな~!)

 

 明治から、やがて大正へ。

 檜垣澤家の一族と、

 かな子ちゃんの《年代記》の行く末は。

 

 ミステリの要素も含みながら、

 谷崎潤一郎さんの『細雪』、

 北杜夫さんの『楡家の人びと』

 を想起させる大河ロマンは

 全活字マニアさんに激おすすめですよ。

 

 もうすぐ増刷分が供給されるはずですから、

 転売ヤーの誘惑を退け、

 ぜひ、正規な書店さんで

 正規なお値段の『檜垣澤家の炎上』を

 ご入手くださいね~!

 

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