「こんにちわッ、テディちゃでス!
にゅうがくしきィびよりィ~なのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがるる!」(←訳:虎です!青空にサクラ!)
こんにちは、ネーさです。
新年度が始まって、今週は入学式ラッシュですね。
大きなランドセルを背負って駆けてゆく
小さな小学生さんたちにエールを送りながら、
さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪
―― 三國寮の人形たち ――
著者は三國万里子(みくに・まりこ)さん、
2024年12月に発行されました。
ニットデザイナーとして大人気の三國万里子さんによる
人形たちのお写真+物語、エッセイ4編が収録されています。
「うわァ、あッたかそうゥ!」
「ぐっるるがるる!」(←訳:バッグも可愛い!)
銀座や丸の内、六本木に渋谷、
といった日本の首都・東京の中心部から、
電車に乗って、郊外方面へ。
西荻窪という駅で降りて、
地図を見ながら歩いて行くと、
辿り着いた町の名は、善福寺(ぜんぷくじ)。
そこに、『三國寮(みくにりょう)』はあります。
寮母のまりこさんにお世話されて、
現在、5名の寮生さんが暮らしているんですよ。
まりこさんのお世話は
実に行き届いていて、
ことに、寮生さんたちの装いを見守る姿勢は
半端じゃありません。
異国生まれの寮生さんたちは
日本の四季を知りませんから、
季節の寒さ暑さに合わせて、
まりこさんは
ふわふわニットのジャケットを用意したり、
肌触りのよい綿のワンピースを仕立てたり。
「なァるほどォ、だからァ~」
「がるるぐるぅる!」(←訳:みんなオシャレ!)
たった一人のための、手作りの服。
パジャマ、カーディガン、
手織りツイードのスーツ、
リバティ―の生地のツーピース、
更紗のスカート、
手刺繍布のカフタン(ガウン)、
フェイクファーのロングスカートに、
コート、エプロンなどなど、
寮母まりこさんの縫製技術とセンスは
超一流です。
「どれもォ、わんあんどォおんりィ~!」
「ぐーるるるぅーるるがるる!」(←訳:オートクチュールの美しさ!)
寮生さんたちの衣装があまりに見事なので
ついそちらに目を奪われがちなんですが、
エッセイ作品を忘れないでくださいね。
人形は、かわいい。
とはいっても、
アンティークドールは……
一緒に暮らしていて
こわくないの?
そんな声に答えるのは、
本文118ページの
『人形はこわい?』。
人形は怖いものなのか?
そして、
この問いの底には、もうひとつの問いがある――
人形に《心》はあるのか?
「むゥ!」
「がるる!」(←訳:古典だ!)
《心》を、人形は持っているのか。
モノは、《心》を持たないのか。
数千年の昔から続く、
古典といえる問いに、
著者・三國さんがそっと呟く答えとは。
手芸や服飾デザインは門外漢で……
という活字マニアさんにこそおすすめしたい一冊です。
人形さんたちの物語と
三國さんの文章を、皆さま、ぜひ♪
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