テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

《舞台》――その顔。

2015-11-27 21:55:42 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 だうんじゃけッとォ、じゅんびィおッけいィ!」
「がるる!ぐーるるがるぐる!」(←訳:虎です!ブーツも準備OK!)

 こんにちは、ネーさです。
 ええ、急な寒さが到来してもね、
 ダウンジャケとブーツは準備できてますが
 ……手袋が行方不明です。
 困ったな~?どこだぁ~?と首をヒネりつつ、
 本日の読書タイムは、
 初見の印象は少々カタそうな、こちらの御本を、どうぞ~♪

  


 
            ―― ロンドンの劇場文化 ――



 編者は英米文化学会の皆さん、監修は藤岡阿由未さん、
 著者は門野泉さん・藤野早苗さん・赤井朋子さん・蒔田裕美さん・西尾洋子さん、
 2015年5月に発行されました。
 『英国近代演劇史』と副題が付されています。

「ふァいッ、テディちゃ、しッてまス!
 えいこくはァ、えんげきぶんかァのォくにィ!」
「ぐるるる!」(←訳:昔からね!)

 そうですね、
 なんといってもウィリアム・シェイクスピアさんのお国ですから、
 演劇に対する熱意は並みではないようです。

 この御本では、
 劇場名をタイトルとする七つの章によって構成されています。

 1章では
 シェイクスピアさんの作品が多く上演される『ライシアム劇場』。

 2章では
 オスカー・ワイルドさんやヘンリー・ジェイムズさんの作品など
 伝統作や喜劇、ウェルメイド・プレイが上演された
 『セント・ジェイムズ劇場』。

 3章では
 パントマイム他、エンターテイメント作品の上演で知られる
 『ドゥルリー・レイン劇場』――

 といった具合に、
 《演劇都市ロンドン》の屋台骨を担う七つの劇場の歴史が
 語られてゆきます。

「げきじょうゥごとにィ~」
「がるるぐるぅ!」(←訳:個性があるぅ!)

 ひとくちに《演劇》といっても、
 色々ありますものね。

 現代の私たちにとって最も親しみを感じられるのは
 『ロンドン・コリシーアム』でしょうか。
 
 1904年にオープンした『ロンドン・コリシーアム』の本質は、
 ミュージック・ホール。

 ただし、下品で俗悪なものはダメ!
 乱暴な言葉も使っちゃダメ!と
 出演者たちに促した上で、
 クラシック音楽、
 曲芸の綱渡り、
 腹話術、
 演劇、ワーグナーの序曲、
 宮廷仮面劇、映画、と
 詰め込めるだけ詰め込んだ上演プログラムは、
 20世紀後半~21世紀のTVみたいな?

「なんでもォありィ??」
「ぐるがる!」(←訳:元気だあ!)

 一方、『ロイヤル・オペラ・ハウス』は
 ロイヤル・オペラとロイヤル・バレエの殿堂です。

 現在のバレエに大きな影響を与えたバレエ・リュスを
 一挙にブレイクさせたのはパリでの公演だったけれど、
 一般の観客さんたちにその存在を認めさせ、
 英国のバレエ文化を向上させた“出発点”は、
 ここ=『ロイヤル・オペラ・ハウス』だった――

「おおきなァ、えいきょうゥでス!」
「がるるぐる!」(←訳:世界に波及!)

 この御本は、
 学術書、専門書、の分野に属するものではあれど、
 そう専門的ではない演劇ノンフィクションでもあります。

 興味をそそられた章から目を通してみれば、
 意外につるつる~っとテンポも良くて
 敷居は高くありません。

 また、アガサ・クリスティさんのミステリには
 演劇やバレエに関する会話がよく出てきたことを
 記憶している活字マニアさんは、
 なるほどね、こういう背景があったんだな!
 ミス・マープルやポワロさんも
 この劇場街を歩いたんだろうなぁ、と
 空想力が刺激されるでしょう。

「えんげきィまにあァさんにもォ~」
「ぐるるるがるる!」(←訳:おすすめしたい!)

 この冬はロンドン旅行をして劇場巡りをします!
 という御方は、
 予習気分で、ぜひ♪
 
 
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