「こんにちわッ、テディちゃでス!
あめよッ、もッとォふれェ~ッ!」
「がるる!ぐっるるがるるるる!」(←訳:虎です!じっくりじわじわと!)
こんにちは、ネーさです。
各地で続く山火事のニュースに、
雨はまだか、雨雲はまだか、と待ちに待ち、
昨日ようやく今治で降雨!と聞いてホッとしました。
平穏な春になりますようにと願いつつ、
さあ、本日の読書タイムはこちらの御本を、どうぞ~♪
―― ラスト1行でわかる 名作300選 ――
著者は斎藤美奈子(さいとう・みなこ)さん、
2025年1月に発行されました。
「えええッ? らすとのォ、いちぎょうゥ??」
「ぐるるるるがるる!」(←訳:なんという掟破り!)
著者・斎藤さんは御本冒頭の
『はじめに』で↓こんな風に訴えています。
有名な文学作品の、
冒頭の一行目――
《アタマ》部分を取り上げ、
解析する研究書はあるのに、
なぜ、結末――
《オシリ》は無視されてしまうのか。
だって、ラストがわかると読む楽しみが減るから。
主人公がどうなるか、
読む前から知りたくないよ。
いや、しかし、
ラストを視野に入れて、
はじめて作者の意図に接近できるのだ。
だいたい、ラストが割れたくらいで興味が失われるなど、
最初から大した価値はないのである。
結末を知っていようと、
『坊っちゃん』の、『ハムレット』の、
魅力が減じることはあり得ない。
「ひょわおゥ!」
「がるるん!」
かくして、
『ラスト1行』に特化した
《オシリ》研究書は誕生しました。
本文は
『日本の小説篇』
『世界の小説篇』
『ノンフィクション篇』
と3部で構成され、
古今東西の名作300篇の結末部分が
掲載&解説されておりますが……
想像を上回る破壊力です。
「いッぴつゥにゅうこんッ、なのでス!」
「ぐるるがる!」(←訳:全力の闘い!)
川端康成さんの『雪国』、
誰もが知る、あの冒頭の一文は
結末に到っても驚異のクオリティを保ったまま、
荘厳に幕を閉じてゆく。
小川未明さんの『赤いろうそくと人魚』は、
ラスト一行で読み手の頬を張り飛ばし。
太宰治さんの『走れメロス』では、
うん、やっぱりそうよね、と頷き。
山田風太郎さんの『甲賀忍法帖』に、
手に汗を握る。
「かいがいさくひんもォ、すごいィ!」
「がるぐるるぅ!」(←訳:圧が熱いよぅ!)
メアリ―・シェリーさんの『フランケンシュタイン』に、
北極の海を想い。
ルイス・キャロルさんの『不思議の国のアリス』では、
夏の幻を目にし。
ダニエル・キイスさんの『アルジャーノンに花束を』に
息を呑む……。
そして、ノンフィクション篇では、
吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』が。
「むねにィ~ぐさりッ!」
「ぐるるるがるるぅる~…」(←訳:いろいろ考えちゃう~…)
剣豪は、刀をどう鞘に収めるか。
本好きであればあるほど、
ひたすら魅せられ、
ぐっとこころに食い込んでくる
鮮烈無比の300選、
ページを捲るにつれ、
本棚に飛びついて
大好きな作品の《アタマ》から《オシリ》までを
あらためて読み通したくなる快作です。
春休みの読書リストに、
皆さま、ぜひ!
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