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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ オキテ破りの、300選! ~

2025-03-28 22:03:03 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あめよッ、もッとォふれェ~ッ!」

「がるる!ぐっるるがるるるる!」(←訳:虎です!じっくりじわじわと!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 各地で続く山火事のニュースに、

 雨はまだか、雨雲はまだか、と待ちに待ち、

 昨日ようやく今治で降雨!と聞いてホッとしました。

 平穏な春になりますようにと願いつつ、

 さあ、本日の読書タイムはこちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― ラスト1行でわかる 名作300選 ――

 

 

 著者は斎藤美奈子(さいとう・みなこ)さん、

 2025年1月に発行されました。

 

「えええッ? らすとのォ、いちぎょうゥ??」

「ぐるるるるがるる!」(←訳:なんという掟破り!)

 

 著者・斎藤さんは御本冒頭の

 『はじめに』で↓こんな風に訴えています。

 

 有名な文学作品の、

 冒頭の一行目――

 《アタマ》部分を取り上げ、

 解析する研究書はあるのに、

 なぜ、結末――

 《オシリ》は無視されてしまうのか。

 

 だって、ラストがわかると読む楽しみが減るから。

 主人公がどうなるか、

 読む前から知りたくないよ。

 

 いや、しかし、

 ラストを視野に入れて、

 はじめて作者の意図に接近できるのだ。

 だいたい、ラストが割れたくらいで興味が失われるなど、

 最初から大した価値はないのである。

 

 結末を知っていようと、

 『坊っちゃん』の、『ハムレット』の、

 魅力が減じることはあり得ない。

 

「ひょわおゥ!」

「がるるん!」

 

 かくして、

 『ラスト1行』に特化した

 《オシリ》研究書は誕生しました。

 本文は

 『日本の小説篇』

 『世界の小説篇』

 『ノンフィクション篇』

 と3部で構成され、

 古今東西の名作300篇の結末部分が

 掲載&解説されておりますが……

 

 想像を上回る破壊力です。

 

「いッぴつゥにゅうこんッ、なのでス!」

「ぐるるがる!」(←訳:全力の闘い!)

 

 川端康成さんの『雪国』、

 誰もが知る、あの冒頭の一文は

 結末に到っても驚異のクオリティを保ったまま、

 荘厳に幕を閉じてゆく。

 

 小川未明さんの『赤いろうそくと人魚』は、

 ラスト一行で読み手の頬を張り飛ばし。

 

 太宰治さんの『走れメロス』では、

 うん、やっぱりそうよね、と頷き。

 

 山田風太郎さんの『甲賀忍法帖』に、

 手に汗を握る。

 

「かいがいさくひんもォ、すごいィ!」

「がるぐるるぅ!」(←訳:圧が熱いよぅ!)

 

 メアリ―・シェリーさんの『フランケンシュタイン』に、

 北極の海を想い。

 

 ルイス・キャロルさんの『不思議の国のアリス』では、

 夏の幻を目にし。

 

 ダニエル・キイスさんの『アルジャーノンに花束を』に

 息を呑む……。

 

 そして、ノンフィクション篇では、

 吉野源三郎さんの『君たちはどう生きるか』が。

 

「むねにィ~ぐさりッ!」

「ぐるるるがるるぅる~…」(←訳:いろいろ考えちゃう~…)

 

 剣豪は、刀をどう鞘に収めるか。

 

 本好きであればあるほど、

 ひたすら魅せられ、

 ぐっとこころに食い込んでくる

 鮮烈無比の300選、

 ページを捲るにつれ、

 本棚に飛びついて

 大好きな作品の《アタマ》から《オシリ》までを

 あらためて読み通したくなる快作です。

 春休みの読書リストに、

 皆さま、ぜひ!


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