テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 怪物の、熱と拳 ~

2024-08-26 22:03:31 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ええええッ? さいィけッせいィィィ?」

「がるる!ぐるるがるるるるるっ?」(←訳:虎です!信じていいんですかっ?)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今朝SNSを騒然とさせたのは、

 『オアシス再結成』のニュース……!!!

 ノエルお兄ちゃんがリアム弟くんと再びバンドを!?!

 とっても嬉しいんですけど実現するのかしら?と遠い目をしながら、

 さあ、本日の読書タイムは、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

          ―― 怪物に出会った日 ――

 

 

 著者は森合正範(もりあい・まさのり)さん、

 2023年10月に発行されました。

 『井上尚弥と闘うということ』と副題が付されています。

 第34回ミズノスポーツライター賞優秀賞を獲得した

 スポーツノンフィクションの主役は、

 《闘うことを選んだボクサーたち》。

 

「あいてはァ、かいぶつゥ……!」

「ぐるるがるるるー!」(←訳:稀代のモンスター!)

 

 井上尚弥(いのうえ・なおや)さん――

 神奈川県座間市出身、1993年4月生まれ、31歳の、

 現WBAスーパー・WBC・IBF・WBO世界スーパーバンタム級統一王者、

 元WBCライトフライ級王者、元WBOスーパーフライ級王者にして、

 来る9月3日には

 統一王座防衛のため、有明アリーナで

 元世界王者ドヘニー選手との対戦が予定されている井上さんの異名は、

 《モンスター》。

 

 いまや米国でさえその名を知られるようになった

 井上尚弥さんは、

 どんな相手と、

 どのような試合をして、

 王座に登っていったのか?

 

 というこの御本のテーマは、

 著者・森合さんのモヤモヤから生まれました。

 

「なやみましたでスゥ!」

「がるるるるる!」(←訳:分からなくて!)

 

 ボクシングが好きで、

 ボクシングの魅力を広く伝えたくて

 スポーツ記者になった森合さんですが、

 いざ記事にしようとすると

 煩悶が押し寄せてきます。

 

 井上選手の強さ、凄さを伝えたい。

 しかし……書けていない、伝えきれていない。

 

 俺は、井上選手の強さが何なのか、分かっていない。

 そう悩む森合さんに、

 仲間の記者さんが助け舟を出してくれました。

 

「まずはァ、たいせんあいてにィ~」

「ぐるるるがるる?」(←訳:取材してみたら?)

 

 《モンスター》と闘った相手に、話を聞く。

 

 炯眼です。

 ええ、炯眼ですけれど、それはつまり……

 ¨敗者¨に話を求める、

 ということでもあります。

 

 敗れた者に面会し、話を請う。

 それは、未だ癒えていない傷口に

 塩を塗り込む行為ではないのか。

 礼を失しているのではないか。

 

「でもォ……はなしをォききたいィ!」

「がるぐるる!」(←訳:取材したい!)

 

 躊躇しながらも、森合さんの取材行は始まりました。

 かつて井上尚弥さんと闘ったボクサーに会うため、

 日本はもちろん、

 メキシコへ、アルゼンチンへ。

 

 タイトルを持っていなかった

 若き日の井上さん。

 王座への道を着実に歩んでゆく井上さん。

 聖地ラスベガスに降り立った井上さん。

 

 対戦する選手さんたちの眼に、拳に、

 井上さんはどう映ったのか。

 

「いのちがけのォ~きおくゥ!」

「ぐるるるるがる!」(←訳:全身全霊の記憶!)

 

 第四章の、

 アルゼンチンの英雄で元世界二階級制覇王者

 オマール・ナルバエスさんの

 誠実な語りが印象に残ります。

 ファイターであり、

 紳士であるとはこういうことか、と。

 

 『敗者』ではなく、

 『《モンスター》と闘う決断をした者たち』の物語は、

 ボクシングを知らない方々にも激おすすめですよ。

 どうか最後の1ページまで、読み逃しなく!

 

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