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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

おおきく帆をはれ《チビチャーナ》!

2009-09-18 21:59:12 | ブックス
 こんにちは、思いっ切りカナヅチのネーさです。
 なのに、本日ご紹介いたしますのは……ううっ?

「こんにちわゥ、テディちゃでスゥ~!
 どしたのでスかァ、ネーさ?」

 だってね、テディちゃ、
 カナヅチ人間は、わっ!そんな!と言いたくなる御本が、
 はい、こちらなんですよ~!


 
            ―― みなとのチビチャーナ ――


 
 文は山下明生さん、絵は村上康成さん、’09年7月に発行されました。
 ジャンルとしては絵本になるのでしょうが、
 お子ちゃまに独占させるにはもったいない絵物語、と捉えたい御本です。

「むぽッ♪
 きゃわゆいィえほんでスゥ!
 このごほんのォ、どこがァ『わッ!』なのでスかッ」

 ……物語の主人公くんは、
 ヨットの『チビチャーナ』。
 ええ、その名の通り、
 チビチャーナは小さな船です。
 しかも、手づくり!
 チビチャーナを製作したのは、
 リョウくんという少年と、そのお父さん……
 板を曲げることから初めて、釘を打ち、
 マストをみがき、セールをぬい、舵をとりつけ、
 何ヶ月もかけて作り上げたのです。

「がんばりィましたねッ! えらいッ!」

 完成したチビチャーナを、
 リョウくんとお父さんは車で港に運びました。
 ぷかぷか浮かぶチビチャーナは……
 ううむ、ダントツにチビです。
 大きな港を出入りする船々に比べ、
 とにかくもう、
 いちばん小さいのが、チビチャーナ。

 今度の日曜日にね!
 そう言って帰っていったリョウくんを、
 チビチャーナは港のすみっこで待ちます。

 行き交う漁船たち、
 力持ちのタグボート、
 巨大な豪華客船を見仰ぎながら……。

「ひゃふッ!
 きゃくせんッ、おォ~きいィッ!」

 小さなチビチャーナは、
 頼りなく、波に揺られるまま、
 リョウくんがやってくるのを待っています。
 ようやく、約束した日曜日になりましたが、
 ……う~ん、おかしいですね?
 港のどこにも、リョウくんの姿は……?

「えェッ? ど、どうしようゥッ??」

 手づくりで、
 チビチビで、
 まだマストもない!?!
 カナヅチさんなら乗りたくな~い!と震え上がる
 ちびっこヨット、チビチャーナの運命は?

 画を描いた村上康成さんは
 ユーモラスな動物たちのイラストで知られる画家さんです。
 チビチャーナも、村上さんの筆にかかれば
 表情豊かな大人のヨットに?

「ふァ? まさかッ?」

 ……にはなりませんが、
 楽しそうに海面を滑ってゆきますよ。
 青と黄色のコントラスト、カモメの白が、
 小さなヨットを祝福します。

 手づくりヨットなんて、沈んじゃうんじゃないかしら?
 無事に帰港できるのかな?
 不安になってしまうカナヅチ読者も読み進まずにはいられない
 極小ヨット『チビチャーナ』の絵ものがたり、
 ぜひのおすすめです!

「ちびィだッてェ、よいィところはァ、い~ッぱいィ、
 あるのでスゥ!」

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