テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 黒い将軍の誇り ~

2015-05-25 21:52:40 | ブックス
「こんにちわッ、テディちゃでス!
 とうきょうゥでェ~、ごーるゥ!」
「がるる!ぐぅるっるぅ!」(←訳:虎です!フィニッシュ!)

 こんにちは、ネーさです。
 ツアー・オブ・ジャパン2015の総合優勝は、
 ミルサマ・ポルセイエディゴラコールさん
 (国籍はイラン、所属チームはダブリスペトロケミカル)!
 2年連続の総合優勝となりました。

「おめでとうございまスゥ!」
「ぐる~!」(←訳:拍手~!)

 ジロ・ディ・イタリアの方は、休養日で選手さんたちも朝寝坊?
 かと思われますので、
 本日は、この一冊でゆ~っくりと読書タイムを、どうぞ~!

  


 
           ―― ナポレオンに背いた黒い将軍 ――



 著者はトム・リースさん、原著は2012年に、日本語版は2015年4月に発行されました。
 英語原題は『The Black Count  Glory,Revolution,Berryayal,and The Real Count of Monte Cristo』、
 『忘れられた英雄アレックス・デュマ』と日本語副題が付されています。

 いやあ、とんでもない御方がいたものですね!

「くろいィ~しょうぐんッ??」
「がるるぐぅるるぅるる?」(←訳:もしやヴェネツィアの?)

 黒い将軍、と聞いてイメージされるのは、
 まずシェイクスピアさんの戯曲に登場する
 悲劇の将軍オセローさん、でしょうか。

 ですが、『オセロー』はあくまでフィクションだよね~、
 なぁんて思っていると……
 
 いたのです。
 現実に、白人中心のヨーロッパの大国で、
 自身の武勇を以って将軍の座に上りつめた人物が。

 アレクサンドル・デュマさん――
 
 フランス革命軍の将軍です。

「むゥ? そのなまえはァ~…」
「ぐるるるがるぅ?」(←訳:文豪さんでしょ?)

 『三銃士』『モンテ・クリスト伯』で知られる作家のデュマさんは
 デュマ将軍の息子さん。
 名前がね、父も子もアレクサンドルなのですが、
 父のデュマ将軍はアレックスと名乗ることを好んでいました。

 文豪デュマさんの盛名の影に隠れ、
 いまはもう忘れられた存在となっているデュマ将軍。

 著者・リースさんは、文豪デュマさんが著した自叙伝を読み、
 強烈な印象を受けました。
 4歳で父を喪った文豪デュマさんの、衝撃的な記憶――

 しかし、文豪デュマさんの想いも将軍デュマさんの功績も、
 21世紀の現在では。

「わすれられちゃッたッ??」
「がるるぐるるがるる~…」(←訳:記録もあまり無いし~…)

 デュマ将軍の生涯を調べねば!

 著者リースさんは、おスランスらしい混沌する地方行政と戦い、
 遺された資料から将軍の辿った道を
 一歩また一歩と明らかにしてゆきます。

 アレックス・デュマさんの実父は、
 フランスの貴族、パイユトリー公爵である
 アレクサンドル=アントワーヌ・ダヴィさん。
 母は、フランスの植民地サン=ドマングに暮らす奴隷、
 マリー=セセット・デュマさん。 
 
「むむゥ! するとッ!」
「ぐぅるるがるるぐる!」(←訳:デュマは母方の名前!)

 どのような思いで、将軍デュマさんが母方の名字を名乗ったのか。
 そして、その名を受け継いだ子の文豪デュマさん、
 文豪デュマさんの子にして『椿姫』の作者デュマ・フィスさん。

 バイユトリー公爵に始まるデュマ家の歴史は、
 フランス共和国誕生の歴史と連動します。
 波乱、混乱、王と民衆、
 恐怖と失望、国家の成立――

「あまりにもォ、ものすごいィ!」
「がるるる!」(←訳:大ドラマ!)

 この御本、ノンフィクションではありますが、
 これ以上は説明しない方がよいでしょう。

 デュマ将軍の、劇的すぎる人生を、
 活字マニアの皆さま、
 どうか御自身で読み、知ってください。
 おそらく今年のノンフィクション本ジャンルでは
 BESTに挙げられる作品です。
 ぜひ!
 
 

コメント
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