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テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

涙と栄光の絵筆?

2009-11-24 23:24:19 | ブックス
 今日(11月24日)は、二の酉でしたね。こんにちは、
 屋台の前で、リラックマのイラストが描かれた綿菓子の袋に
 目が釘付けになったネーさです……あの袋だけ欲しいわっ!
 綿菓子屋さんのおじさんに頼んでみようかしらっ??

「こんにちわゥ、テディちゃでス!
 ネーさッ、はずゥかしィからァ、やめてくださいィッ!」

 そ、そぅお? テディちゃがそう言うのなら、我慢しましょう……。
 ん? 我慢しすぎて何か忘れているような………? あらっ、そうでした!
 本日のすてきな、いえ、ステキで怖ろし~い御本は、こちらで~す!



              ―― 巨匠たちの迷宮 ――



 著者は木村泰司さん、’09年9月に発行されました。
 副題に『名画の言い分』とあります。

「うむッ!
 ゆうめいなァ、がかさんたちがァ、でてくるゥのでスねッ!」

 登場するのは、美術史上に於いて《巨匠》とされる大画家さんたち。
 著者の木村さんはプロローグでこう書いておられます。

  ―― 一人一人の画家の人生を思い起こすと、
  なぜ彼がその作品を描くことになったのか、運命の必然を感じます ――

 そう、『絵の中に画家の人生を探すこと』と題されたこの文章が
 羅針盤のように読み手を導き、案内してくれるのです。
 半ば置き忘れられた画家さんたちの生涯、
 影と光を湛えたパレットの裏側へと……。

「ふむふむッ?
 ひかッちゃッてるのはァ、どなたでスかァ?」

 光り輝く《画家の王》といえば、
 ピーテル・パウル・ルーベンスさん。
 『フランダースの犬』のネロ少年も憧れたフランドルの画家さんは、
 栄光の人生を送った、とされています。

 ロココ絵画の生みの親、とも称される 
 ジャン=アントワーヌ・ヴァトーさんは、
 36歳の若さで亡くなりましたが、
 王侯貴族からの注文が殺到する人気画家さんでもあったのでした。

 他方で、影そのもののような、
 ダークな生を駆け抜けた画家さんもいます。

「だーくゥ? まッくろくろすけェでスかッ??」

 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジオこと、
 カラヴァッジオさん。
 いやー、すごいです。真っ黒です。
 バロック期を代表するこの画家さんの悪名の高さは、
 以前から耳にしておりましたけれど……
 これほど度外れたアウトローであったとは!
 トラブルメイカーって、カラヴァッジオさんのためにある言葉、
 なんじゃないかしら~?

「ふァ~、ちょッとォかわいそゥ~……」

 画家さんたちそれぞれの人生はどのようなものだったのか、
 画家さんが生きた時代はどのように動いていたのか、
 多角的に照射される《名画》たちの物語は、
 美術史をテーマにした短編映画さながらです。

 掲載されている図版も豊富ですから、
 アート好きさん&歴史好きさんにおすすめですよ♪
 カラヴァッジオさんたちの他に、
 ベラスケスさん、ニコラ・プッサンさん、クロード・ロランさん、
 レンブラントさん、フェルメールさんも
 容赦なく分析されちゃいました……。

「びじゅつかんへェ、ゆくまえにィ、ぜひィ~♪」