いじめ認知 山梨県 半年で2468件・・・朝日新聞
■山梨県教委「状況悪化ではない」
県内公立学校が今年度に入って認知した、いじめの件数は9月20日時点で2468件にのぼり、ほぼ半年で前年度1年分の約4・3倍になったと、県教育委員会が30日に発表した。県教委は「小さなものでも早く認知した結果、件数が増えた」と説明している。
調査は大津市のいじめ問題などを受け、文部科学省が緊急実施。
このうち県内の公立小学校186、中学校87、高校39、特別支援学校11の計323校について県教委が発表した。
いじめの認知件数は、小学校1156件(前年度通年124件)、中学校1235件(同330件)、高校77件(同121件)。
全体として約半年間で、前年度1年間よりも1893件増えた。
公立の児童・生徒数9万3827人(5月1日時点)をもとに計算すると、38人に1人がいじめを受けたことになる。
県教委は7割以上は「すでに解消している」と説明している。
認知件数が大幅に増えたことについて、県教委の担当者は「小さなものでも早く見つ
けて解決するよう現場に徹底した結果だ。
状況が悪くなっているわけではない」という。
調査結果の中には「重大な事態に至るおそれがある」と判断されたいじめも小、中学で各1件あった。
いずれも暴力など身体的な被害はないが、いじめの期間が数カ月にわたっていた。
県教委は「いずれも、いじめをしていた子どもに指導し、現在ではいじめはなくなった」と説明する。
内訳は、小中高ともに「冷やかし・からかい」が最も多く、次いで「軽くぶつかる・蹴られる」「仲間はずれ・無視」の順だった。小学校では「金品を隠す・壊される」が11%にのぼり、「金品をたかられる」も2・2%あった。
今後の対策について、県教委は「(認知件数は)少ない数ではなく、重要な問題ととらえて解決するよう取り組みたい」としながらも、具体的には「これまでの取り組みを継続し、強化する」という方針で、特効薬はないのが現状だ。
甲府市内の50代の男性小学校教諭も「いじめは日常茶飯事だが、調査や報告などの雑務に追われて子ども一人ひとりの面倒を見る時間が足りない」と漏らす。
いじめなどの相談に乗る「山梨不登校の子どもを持つ親たちの会」代表の鈴木正洋さん(68)は、認知件数が増えたことについて「いままで学校がちゃんと子どものことを見ていなかった結果だ」と指摘。
「いくらいじめを発見しても、先生がきちんと子どもと向き合えなければ何の役にも立たない。解決するには、子どもの心に寄り添うことが第一だ」と話している。
(田中聡子)
■山梨県教委「状況悪化ではない」
県内公立学校が今年度に入って認知した、いじめの件数は9月20日時点で2468件にのぼり、ほぼ半年で前年度1年分の約4・3倍になったと、県教育委員会が30日に発表した。県教委は「小さなものでも早く認知した結果、件数が増えた」と説明している。
調査は大津市のいじめ問題などを受け、文部科学省が緊急実施。
このうち県内の公立小学校186、中学校87、高校39、特別支援学校11の計323校について県教委が発表した。
いじめの認知件数は、小学校1156件(前年度通年124件)、中学校1235件(同330件)、高校77件(同121件)。
全体として約半年間で、前年度1年間よりも1893件増えた。
公立の児童・生徒数9万3827人(5月1日時点)をもとに計算すると、38人に1人がいじめを受けたことになる。
県教委は7割以上は「すでに解消している」と説明している。
認知件数が大幅に増えたことについて、県教委の担当者は「小さなものでも早く見つ
けて解決するよう現場に徹底した結果だ。
状況が悪くなっているわけではない」という。
調査結果の中には「重大な事態に至るおそれがある」と判断されたいじめも小、中学で各1件あった。
いずれも暴力など身体的な被害はないが、いじめの期間が数カ月にわたっていた。
県教委は「いずれも、いじめをしていた子どもに指導し、現在ではいじめはなくなった」と説明する。
内訳は、小中高ともに「冷やかし・からかい」が最も多く、次いで「軽くぶつかる・蹴られる」「仲間はずれ・無視」の順だった。小学校では「金品を隠す・壊される」が11%にのぼり、「金品をたかられる」も2・2%あった。
今後の対策について、県教委は「(認知件数は)少ない数ではなく、重要な問題ととらえて解決するよう取り組みたい」としながらも、具体的には「これまでの取り組みを継続し、強化する」という方針で、特効薬はないのが現状だ。
甲府市内の50代の男性小学校教諭も「いじめは日常茶飯事だが、調査や報告などの雑務に追われて子ども一人ひとりの面倒を見る時間が足りない」と漏らす。
いじめなどの相談に乗る「山梨不登校の子どもを持つ親たちの会」代表の鈴木正洋さん(68)は、認知件数が増えたことについて「いままで学校がちゃんと子どものことを見ていなかった結果だ」と指摘。
「いくらいじめを発見しても、先生がきちんと子どもと向き合えなければ何の役にも立たない。解決するには、子どもの心に寄り添うことが第一だ」と話している。
(田中聡子)