東海自然歩道の稜線を歩いている中で偶然岩茸(イワタケ)を見つけました。
岩茸は山の岩壁に生える貴重なキノコと言われていますが、分類上は菌類と藻類との共生体の植物である「地衣類」の一種であり、きのこではありません。
形状は平べったくて同心円状に成長します。表面は枯れたような緑色で、裏面は黒色になります。
岩茸(イワタケ)は標高800メートル以上の山の断崖絶壁に着生し、日光による光合成と霧による湿度を源として生息します。生育環境がこういうことですので、成長は非常に遅くて(一説によると)同心円を一年で1ミリほどしか拡げないとも言われています。
岩茸(イワタケは)前述の通り、山の断崖絶壁に生息しているため、見つけることが非常に難しく、採取にも大きな危険を伴います。登山者のように上から命綱を吊って、崖にぶら下がりながら手でむしり採るようにして収穫する、まさに命懸けの高級食材とされています。
そんなことですから越中立山では「霊験あらたかな」食べ物として、「一度食べると寿命が十年延び、二つ食すると二十年、三つ食すると死ぬまで生きられる」・・・とか言われてきた貴重なものでした。
小生が学生時代に両神山の清滝小屋に宿泊したとき、小屋番さんから「寝袋を買ってきてほしい」と頼まれて、翌週にそれを持って行ったら、大変喜ばれて、その晩に鍋一杯の岩茸を振る舞われたことが有りました。
それを完食していますからきっと「死ぬまで生きられる」こと必定でしょう。
なおこの岩茸を過去に奥穂高岳の頂上付近・木曽御嶽の同じく頂上部・三河の山では何か所かで見ていますが、
概して三河においてはこの岩茸を食する習慣は無いように感じました。
倒木 ↓
もともとが岩山ですから、根を深く張れません。
ユズリハ ↓
岩山ではしばしばユズリハの若い木を見かけます。
サルノコシカケ ↓
今回は山行中に猿は見ませんでしたが、ウグイスやホトトギス、ヤマセミの鳴き声は聞きました。
また久しぶりにリスも見ることが出来ました。
「犬戻り」 ↓
階段の隙間が見えてこういう場所は犬が怖がるでしょうね。
ツレサギソウ属 ↓
ラン科の植物が出て来ましたが、花には早かった。
休憩所 ↓
木陰の快適そうな場所でしたがここは通り過ぎます。
岩茸 ↓
岩に着生している岩茸を見つけました。丸く平べったい表面の真ん中付近に臍状体(さいじょうたい)があり、これは地衣類イワタケ科に見られる特殊な器官で、地衣体の裏側のほぼ中央にできる短小で硬い突起物です。地衣体はこの臍状体によって岩上に着生します。
境界の標識 ↓
杭には「名称及び天然記念物指定地境界」とあり、今山行中に何度かこの標識に出会いましたが
文言は皆同じでした。国の名勝天然記念物には1931.07.31(昭和6.07.31)に指定されています。
シソバタツナミソウ ↓
メリハリの利いた模様ですね。
クロ岩着 ↓
左側に黒っぽい大岩がありますが、近づいていますので大きすぎて全体像を撮ることが出来ませんでした。
岩に取り付いて ↓
サツキの花に少しだけ近づいてみます。
ここでも岩茸 ↓
ここにも着いています。
記事冒頭の岩茸解説部分の最後のところで書きましたように三河ではこの岩茸を食する習慣が無いようですので、山道のすぐそばにある岩に着生しているものを時々見かけることがあります。
(もちろん断崖に着いているものもあります。)
三河の山では棚山高原・鳳来寺山・愛知県民の森などで道のすぐ近くでこれを見ています。
またながらくのご無沙汰をいたしました。
5月からずっと続いていた畑仕事もようやく一段落したと思えば、これから一週間は雨模様の予報で、梅雨本番となりそうです。
雨でも降らないことには、いつもいつも山歩きや庭仕事。畑仕事の休みが取れそうもないので、良い骨休めとなりそうです。
久し振りの鳳来寺山山行を拝見しました。
ササユリやウチョウラン迄咲き、花の多い山ですね。
ウチョウランと言えば、こちらの石鎚山系の山にもオオヤマレンゲやウチョウランが咲く季節となりましたが、雨続きでは見に行けるやらどうやら?
15キロの歩行距離はかなりのものですね。
お疲れ様でございました。
お互いにご無沙汰続きです。山にあまり入らないのでどうしても内輪話的になってしまい、引きこもりがちです。
梅雨入りもして、畑の野菜は水をもらって活気が出そうですね。しかし、昨日収穫したトマトは実割れしていました。これに関しては功罪半ばしているのでしょうか。
この山行ではササユリの花に出会ったのはたった二か所でした。
ウチョウランも二か所でしたが、時間があればもう少し回って探すこともできたのですが、欲を張らずに収めたものです。
大山蓮華は長いこと見ていないので、これを見るのは(自分の中では)来年あたりの目標にしておきましょう。
山中で15km歩くのは、しんどくなってきました。
もう少し筋力をつけてかからねば・・・。