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Brugge Style
ナショナル・ギャラリーを想う
雨の灰色の日、ユニオンジャックの傘がいい。
この3月の日が、最後にナショナル・ギャラリーを訪れた日になった。
3月23日のロックダウン以来、イングランドでは先週、不要不急の商店が営業再開の運びとなった。
7月4日からはレストランやパブなどの営業が許可される予定で、ついに美術館、ギャラリー、映画館もここに加わる。
(以上、英国内イングランドの状況で、ウエールズ、スコットランド、アイルランドはまた別のレギュレーションがある)
あれほど足繁く通っていたロンドンの美術館。
ロンドンの美術館は特別展以外は無料で、それゆえにわたしは週に何度も、20分の空き時間とか、雨宿りとか、勉強する気になった日の6時間とか...
などという理由で、特にナショナルギャラリーへは頻繁に入れてもらっていた。ほんとうにありがたいことである。
なぜそんなに好きかというと、人間は「真理」(<他にいい言葉が見つからないので単に真理にします)や「宇宙の摂理」とかいうものには簡単に近づくことはできないが、ひとつひとつの芸術作品を「真理」への試みと考えると、最高の作品がこれでもかと納めてある美術館は「真理」への道標となる場所ではないかと。
図書館なんかもそうですね。
とにかく、「真理」という山の頂上へ近づくには何本ものルートが必要、ということなのです。
そのルートが集まっているのが美術館。
そんな空間の中を好き勝手にぐるぐると浮遊するのがロンドン近郊住まいの最大の功利だと思っているのだ。
早く行きたい、とは思わない。
一方通行制で、行きつ戻りつできないのならあまり惹かれない。美術館の展示を一方通行にしか見られないというのはナンセンス...とはいうものの、行くかな(笑)。
前回、特に見に行ったのはこちら。
パリでラファエロ版を見たばかりだったから...
たまたま改装中で閉館しているコートールド美術館所蔵のこちらがナショナルギャラリーで展示中だった。
バルダッサーレ・カスティリオーネ(『宮廷人』の著者。外交官)の肖像、ルーベンスがラファエロを模写したものだ。
ラファエロの描いたカスティリオーネは、ラファエロの肖像画の最高傑作、もしもモナ・リザに並ぶ肖像画があるとすればこれ、と西岡文彦さんはおっしゃっている。わたしもそう思う。
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