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Brugge Style
水の上のトランペット吹き

「今までもさんざんひどい写真は見せられて来たけれど、今日のこれは何?」
と思われましたか。
週末、夕食後の帰路見かけた。
運河の水の上、一畳分よりも狭いステージでトランペットを吹くパフォーマー。
おそらくブルージュ・シティ・フェスティバルのイベントのひとつだろう。
霧雨が吹く中、絞り出すような、それでいて艶のある音色。
なぜか映画In Brugesを思い出した。「常世と現世」との端境(の街、ブルージュ)で、人間はどのように行動するのか、というような感じだ。
ええもん見ました。
場所はRozenhoedkaai 。上の写真の撮影はWollestraat の橋上から。
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blakes by anouska hempel
「前に書かれていたと記憶していますが、ロンドンのホテルではBerkeleyがおすすめですか?」とメールを頂いたので、お返事を書いた。バークレイはロンドン出張の多い夫が好きなのだ。わたしも異論はないけど。
それで...
バークレイのよさは異論なし、なので、今回宿泊したBlakes (by Anouska Hempel) のことを書いてみよう。
わたしは、インテリア・デザイナー、アヌシュカ・ヘンペルのセンスが好きだ。
いわゆる「社交界の有名人物」なので、大きな声で「好き」と言うのは何となく恥ずかしいが。
彼女のことを初めてのことを知ったのは80年代、House&Gardenだかのインテリア雑誌で、庭のデザインの仕方に大変共感したのだった。
彼女の独特のデザインには二本の柱があり、ひとつがリッチなシンプルモダン、もう一方が、布の分量が大変多く、濃厚な色使いで、大小の置物/装飾品一個一個を意味ある場所に寸分の狂いなく配置する、という手法だ。
で、わたしは後者の濃厚デザインが好きなのである。
西洋人がイメージする「東インド会社の商館」とか、「英国から派遣された提督の屋敷」とか「旧植民地で栄華を極めた父親に対するファザコンで、物を捨てられない老令嬢の家」みたいな感じ。
そういうインテリアを選んだ場合、天井から床まで並べた物を統合する裁量と、掃除のスペシャリストに常駐してもらう両方の必要性があり、ものぐさなわたしが自宅をこのように維持するのは不可能だ。資金難という基本的な問題もある。
それで曼荼羅のようなインテリアと執事の駐在に憧れながらも、わたしの自宅のインテリアはシンプルに整えてあるわけだ(ものは書きよう、ですね...)。
また、ブルーノ・タウトによって刷り込まれた「桂離宮を最高の美とする」日本的な感覚も持ち合わせているので調度よい(ものは言いよう、ですね...)。
そういう憧れから、ロンドンではAnouska Hempel印のホテルに泊まりたいと思うのだが、諸処の事情から最近はバークレイに泊まることが多かった。
最近、ハイドパークのThe Hempel(<こちらはモダン)を使ったことがきっかけで、再びブレイクスにも泊まりたいたいと願っていて、わたしの誕生日だったこともあり、先々週それが実現した。
曼荼羅のようなインテリア。
ところがだ。前回の宿泊以来、ホテルのあまりの変わり様に驚いたのである。
レストランのスタッフは確実に訓練不足で、レセプショニスト間では連絡が全くとれていない。
曼荼羅のようなインテリアも化粧の崩れかけた頭のおかしい中年女、「欲望という名の電車」のブランチのような風情を漂わせ、勢いがあった当時のあの充実感はどこに消えたのか、という感じだった。
幸い、われわれが泊まった部屋の設備は完璧だったが、バアで一緒になったビジネスマンは「インテリア雑誌に美しい写真を飾るだけが目的で造られたホテルで、すべてが不便!」とぶりぶり文句を言っていましたね。
まあ、ビジネスマンなのか、誕生日を祝うカップルなのか、家族連れなのか、セレブリティなのか、客の立場でホテルの印象は全く変わってくるだろう。だから彼のいい分も多分大げさではない、にしても。
ブレイクスの終焉。
英国帝国主義の終焉もこんな感じだったのか(笑)。
アヌシュカ・ヘンペルの美意識的があの状態を許可しているというのも驚きである。
あの崩れ方も風情あるいい崩れ方だと言えばそうかもしれないが(どの帝国も滅びるように、どの花も枯れるように)、わたしは自分がこのホテルに泊まることはあっても人には決して勧めない。なぜかと言うに、良い部屋と良くない部屋の差が開き過ぎだからだ。
そういうのが好きな人にはおすすめしますけど。相当な物好きでいらっしゃると最高の賛辞を述べよう。
今回あてがわれた部屋(部屋ごとに全部デザインが違う)の暗さ(照明の暗さはBlakesのデザインの一部で意図的なものだ)にわたしは閉口した。窓には御簾がかかり、壁はダークグレー、ベッドにも同色の天蓋。非常にかっこいいが老眼がすすんだ眼には辛い...娘は全然平気だったのがその証拠。夫も平気だった。彼は老眼鏡をすでに持っているから...次回は老眼鏡をあつらえた頃、かな。
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健康薬局

フリッツ、揚げたハンバーグのバーガー、揚げソーセージ、ベニエ。
揚げ物屋台「健康薬局」 Gezondheidsapotheek にご用命下さい。
移動遊園地とともに、祝祭日にあわせて街へやってくる健康薬局は、今日も数百メートル先まで揚げ油の匂いをただよわせている。
このネーミング、
駅前のしょぼい民宿が「グランドホテル」
極東の島国が「大日本帝国」
などと名乗るのとは違うな。
戦闘軍が「平和維持団」
高価なおもちゃをあの手この手で売りつける店が「子どもの国」とか「魔法の国」
独裁者の牛耳る国が「民主主義人民共和国」
などの種類に属する「健康薬局」、悪魔っぽい...「理性は持つが悟性は持たない」という感じか。
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アッシリア芸術

古代文明...わくわくいたしますね。
古代文明の残した芸術の中で、わたしが自分でも「頭がおかしいのではないか?」と思うほど好きなのは、アッシリアが残した芸術だ。
英国博物館はもう何十回も訪れているが、時間がない時はアッシリアのセクションだけ見に来ることがある。
細部の描写、空間の取り方、形の浮き出方、線の感じ、ストーリー、世界観、すべてにひき込まれる。なぜこれほど魅了されるのか分からない。もしかしたらわたしがこの設計に携わった人物その人の生まれ変わりではないかと思うほど。普段は美術館では取り出しもしないカメラをも構えるほど。
いつかチグリスとユーフラテスの間を訪れてみたいものだ。
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細川智栄子のアラゴン王の描写のせいでアッシリアは好色で狡猾、というイメージを植え付けられた人も多いかも...(笑)
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red rose
更年期障害期にもしも突入したら、わたしはおそらくかなり煩いそうな気がする。性格的に。
それで、大豆がいいとか、ロイヤルゼリーがいいとか、ホルモン補填療法の光と陰など、今から結構気にしているのである。
薔薇の香りもなかなか効果があるそうだ。
友人が「薔薇!っていう感じの香水を知ってたら教えて」とメールをくれたので、それでは、と Jo Malone の Red Roseを。赤い薔薇。
ジャン・デプレのバラ・ベルサイユや、セルジュ・ルタンスの薔薇の女王や、ゲランの異教徒の薔薇など、薔薇の名香はさまざまあれど、赤い薔薇は薔薇の香りの直球で、お粉っぽさが全くなく、しかもオーデコロンなところがよい。

あ、「瑞々しい中年女」はオクシモロンでもなんでもないので突っ込まないように。微笑するだけにしてね。
Red Rose、薔薇が好きな方にはかなりおすすめです。
液がかすかに、本当にかすかに薔薇色をおびているのもすてき。
Jo MaloneはNectarine Blossomも好き。
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